長く働き続けるために大切な「自己決定」 働きやすい場所は自分で選ぼう(『リモートワーク大全』著者・壽かおり)
集中したいときは、原稿執筆カフェ
快適なワークスペースがあったとしても、朝からずっとこのデスクにかじりついているだけでは、飽きてきます。最近のお気に入りの場所は、2022年4月に高円寺にオープンした「原稿執筆カフェ」です。
原稿執筆カフェにはルールがあります。それは、入店時に「今日は2000文字程度の記事を完成させる」などを宣言し、終わらないと退店できないというもの。周囲の全員がもくもくと作業を進めている静かな緊張感と、「宣言した以上、やらねば」というプレッシャーがある環境です。
これを応用し、普通のカフェやコワーキングスペースを利用するときも、「ここに滞在する2時間で必ずこれを終わらせる!」とゴールを心に決めて、働いています。
時には、ワーケーションで景色を変える
旅行先のコワーキングスペースも、私の仕事場です。こちらは、2019年8月に秋田県大舘市にあるコワーキングスペース「マルーワ」に行った時の写真です。ちょうど夏休み時期だったので、小学生のむすめと一緒に行ってきました。
もうひとつ、下の写真は2022年3月に秩父市の「働空間 西武秩父駅前オフィス」に行ったときのものです。
私が参加したプランは一泊二日。金曜日は丸1日いつも通り仕事をして、夜は温泉でのんびり過ごし、土曜日は現地のワーケーションのコンシェルジュ「結び人(むすびと)」の皆さんに秩父銘仙の工場を案内いただきました。
秩父ワーケーション組合の皆さまや同じプランに参加した旅好きな方々との交流で、普段とは違う視点を得られ良い刺激になりました。旅行の後も、SNSで交流を続けられる良い時代になったものです。
働きやすい場所は、自分で選ぼう
出張先からの業務や在宅ワークが可能ならば、働く場所の選択肢はもっと増やせるはずです。冒頭で紹介した家で1人で働くしんどさについて話していた方の会社でも、ワーケーションの制度について検討しているそうです。もし自宅以外での勤務が可能になったら、実家から仕事をしてみたいと話していました。
もちろん業務内容によって選べる選択肢の幅は異なるでしょう。それぞれが可能な範囲で働き方を拡張し、自己決定できる余地を増やしていくことは、より多くの方が活躍しやすい社会に繋がります。今こそ、「感染症対策のための強制的な在宅勤務」の次の働き方を作って行く時です。
向こう数十年は働いていく自分のためにも、もっと多様な価値観を持つ次の世代のためにも、自己決定の余地がある幸せな働き方を模索していきましょう。
編集:ノオト