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リモートワーク時代のON/OFF切り替えのコツは「会議ダイエット」と「自分をOFFにするルーティン」(キャスター取締役CRO・石倉秀明)

家で仕事をしていると、けじめがつけられない……。気がついたら、とっぷりと日が暮れている……。どうしたら、ちゃんと気分転換ができるんだろう。 そんなリモートワークならではのON/OFFスイッチの切り替えについて、2014年の創業から全員がフルリモートで会社運営し、現在1400名以上のメンバーが働く株式会社キャスター取締役CRO(Chief RemoteWork Officer)の石倉秀明さんに聞きました。

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、ここ2年でビジネスパーソンを取り巻く働き方は大きく変化した。その最たる例は「リモートワークの浸透」だろう。

通勤電車に乗らなくてよくなる、睡眠時間や家族と過ごす時間が増えるなどメリットも多いが、その反面いつでもどこでも仕事ができてしまうからこそ「OFFモード」になれず、常に仕事をしてしまう人も増えていると聞く。

リモートワーク=Web会議になっていないか?

まずは、このグラフを見てほしい。

参照元:https://anbai.app/kakure_stress/20220413/

この調査によると、1日のWeb会議が「平均4件の社員」は、「平均3件の社員」に比べて、高ストレス者の割合が約2.7倍になっている。つまり、Web会議が多ければ多いほどストレスを感じるのだ。

私はこのグラフを見た時に「それはそうだ」と感じた。リモートワークでミーティングがずっと続いている状態を、オフィスで働くのに例えると「みんながずっと会議室にいる状態」である。それでは仕事が進むはずがないし、疲弊して当然だ。

実際、Web会議に出ても画面の前では別の作業している人もいるし、何も決まらない時間があったりして、議事録を後から読むだけで全く問題ない場合もある。

また、1時間のWeb会議を開くと参加メンバーが関わる1つの議題しか決められないが、チャットなら並行して3つの話題について会話できるし、意思決定もできる。

だからこそ、ストレスを減らし、労働時間を減らし、仕事のOFF時間を作るためには、会議とチャットの使い方を分けて、無駄な会議を減らすことが重要だ。

会議ダイエット、具体的にはどうすればいい?

そこで、具体的に会議を減らす方法や有効な活用法について考えていきたい。まず「上司に数値を報告する会議」はもはや必要ない。上司は分析してほしい項目を事前共有しておき、部下にまとめてもらおう。テキストやデータを自分で取りに行けばいい。

とはいえ、プロジェクトが始まったばかりのころは「そもそも何を分析すればいいのか?」を決めなければいけないので会議の場を設ける必要がある。しかし、事前に決められた数字を常に計測し、結果や課題、次はこういう手を打つ、という情報の共有がメンバーに習慣付いてきたらミーティングは減らしてもいい。

プロジェクトが進んでいけば、タスクと担当者が決まって、議論するべきことは減ってそれぞれが仕事を進めていくフェーズになる。むしろ、ミーティングは減っていかないとおかしいと思う。

他に会議を有効活用する場面をあげると「重要だけど緊急性がない課題」に取り組むときだ。あえて会議の時間を定期的にとることで、次の会議までにタスクをやらないといけなくなるので、「重要だけど緊急性がない課題」が放置されずに済む。

逆に、緊急性が高いことはチャットで素早く決めた方がいい。メンバーが集まれる時間を決めて会議時間を待つより、よぽどスピーディーに進む。

だが実際は、緊急性が高いもの・日々やっているものに関しては会議を実施し、重要だけど緊急性がない課題に対しては会議をしない現場が多い。本来の必要性と実際に会議をやっている場面が逆なのである。

個人がやるべきことは「自分をOFFにするルーティン」

会議を減らしたほうがいいのは間違いないが、職場の会議を減らす意思決定をする立場にない人も多いだろう。その場合、個人がやるべきことは「OFFになるルーティン」を決め、よほどのことがない限りそれを守ることだ。

朝起きて着替えて身だしなみを整えて電車に乗る。オフィスに通勤していた時は、そのようなルーティンをこなすことでOFFからONへ切り替えを自然にしていた人が多いと思う。

毎日同じ行動を繰り返すことでリズムができ、ONやOFFのスイッチを切り替えやすくなる。だからこそ、リモートワークであってもルーティンは大事にすべきだ。リモートワークの場合は、「強制的に自分をOFFにするルーティン」を持つことをオススメする。

なぜなら、リモートワーク環境下ではPCを開いたりスマホを見たら、すぐそこにオフィスがあり、連絡が来ている状態なのでONになりやすいからだ。そんな状態だからこそ、「強制的に自分をOFFにするルーティン」を持つべきだ。

例えば、
・お昼休みは散歩する
・18時になったらPCを閉じて、その後は開かない
・ご飯の後はデジタルデバイスに触れない
・お風呂にゆっくり入る
などで十分だ。

私の場合は、「18時にはPCを閉じて、家族と夕食を食べ、その後はPC開かない」と決めています。

ちなみに、仕事をキリのいいところで終えようとする人は多いが、仕事は連続しているものなのでキリがいいところが来ないことも多い。だからこそ仕事は時間で区切る方がいい。まずは、仕事を時間で区切る。その時間になったらPCを閉じたり、自分の好きな時間の過ごし方をしよう。

「自分をOFFにするルーティン」を1つか2つでいいので実践してみてほしいと思う。

編集:ノオト