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幸せに働く人たちを増やすために − PwDAアライ宣言 | 八木橋パチの #混ぜなきゃ危険

隠す必要がないと広く公開する必要があるは違う

どう進めるのが良いのか。いろいろと考えているうちに、以前、躁うつ病という別名でよく知られている双極性障害の方に聞いた「躁状態のときに良かれと思ってやったことが、うつになったときに自分を苦しめることがある」という話を聞いたときのことを思い出しました。幸せになってもらおうと考えてやったことが相手を苦しめてしまう…これだけは絶対に避けたいことです。

私は自分の身の回りで、障害者支援に長年携わってきている方たち何人かに相談してみました。そのうちのお一人は、ご自身も当事者だったという方でもありました(現在は寛解されているとのことでした)。

その方は、私の「こうした活動が社内にあったらインタビューを受けるか」「どういう形の支援が社内にあれば嬉しいか、幸せに働けると思うか」という質問に、以下のように答えてくれました。

“私は当時、仕事上、知っていてもらわないと困りごとが起きてしまう可能性のある人にだけには伝えていたけれど、極力最小限の相手にしか伝えないようにしていた。自分の障害のことを広く社内全体に、あるいは社会に対してわざわざ発信したいと思ったことは一度もなかった。
隠す必要がないとしても、広く公開する必要があるいうわけではない。嫌な目に合うかもしれないし、余計な心配事が増えてしまいそうな気もする。……こういう不安、分かりますよね?
でももし、自分の周囲に、私と同じように障害で困っている人がいるのなら、何か自分にできることをしてあげたい。それは今だけじゃなく以前からそう思っていた。相談に乗ることくらいしかできないかもしれないけれど、なにか力になりたいと思う。”

PwDAアライ宣言 | 結論は出ていない。でも試すことはできる


結局、今も答えは出ていません。とは言え、考え過ぎて何も手を打たなければ、状況は変わりません。私はもっと幸せに働きたいし、そのために周りの仲間たちに幸せに働いてほしい。

私は、先ほど相談した元当事者で現在も支援活動を続けている方の「なにか力になりたい」という言葉を、自分の力でさらにパワーアップしたいのです。

力になりたいと思っている人が存在していること。それも一人二人ではなく、もっとたくさん。そしてアライ活動をする仲間の中には、自分と同じか似たような障害で困っている仲間もいれば、まったく違う障害と向き合って働いている仲間もいる。

そうした活動の存在に気づいてもらい、興味を持ってもらうためには、まずはアライ活動している人たちがどんな人たちで、どんな考えで活動しているのかを知ってもらうことが第一歩ではないでしょうか。それが当事者にもその周囲の職場の仲間にも、より幸せに近づく方法だ思うのです。

IBMでは今、「人は皆誰かのアライになれる」という信念をベースに、「PwDAアライ宣言」に賛同してもらえるメンバーを広く募集し、プロモーション活動を進める準備をしています。

まずは社内から。でも、この活動はIBM社内だけにとどまる必要はないですよね。だって日本中、いや世界中に、幸せになるために働く人が溢れている方が絶対いいに決まっていますから。

近いうちにまた、この取り組みについての続報をお伝えさせていただきたいと思っているので、ぜひ応援をお願いします。

Happy Collaboration!

著者プロフィール

八木橋パチ(やぎはしぱち)
日本アイ・ビー・エム株式会社にて先進テクノロジーの社会実装を推進するコラボレーション・エナジャイザー。<#混ぜなきゃ危険> をキーワードに、人や組織をつなぎ、混ぜ合わせている。2017年、日本IBM創立80周年記念プログラム「Wild Duck Campaign - 野鴨社員 総選挙(日本で最もワイルドなIBM社員選出コンテスト)」にて優勝。2018年まで社内IT部門にて日本におけるソーシャル・ビジネス/コラボレーション・ツールの展開・推進を担当。 twitter.com/dubbedpachi

2022年2月24日更新