もっと、ぜんぶで、生きていこう。

WORK MILL

EN JP

築120年の元豆腐屋を再生して作られた「bench!」 地域をつなぐコミュニティハブを目指す

2024年12月、尾道市久保三丁目の商店街に「コワーキング&コミュニティハブ bench!」が開業した。元々、ONOMICHI SHAREで事業責任者をしていた後藤 峻さんが、築120年の元豆腐屋の古民家をリノベーションして立ち上げた。

コンセプトは、「おのみちでつながるきっかけを作る」。多様な人が出会い、仕事やプロジェクトが生まれるコミュニティハブを目指している。名称である「bench!」は改修時、建物の中に置かれていた「黄色のベンチ」に由来している。

「名前には、目的を持った人たちが自然に交わる場所にしたいという思いを込めています。ベンチは、所有者がいても誰でも自由に座れる公共性の高い存在で、そのあり方に魅力を感じていました。さらに、ここを足がかりに次のステップへ踏み出してほしいと勢いをつける願いを込めて、最後にびっくりマークを付けています」と後藤さんは話す。

同施設は、築120年の古民家の風合いをできるだけ残した造りになっている。

1階は、開放感のある空間が広がる。中央には自然なコミュニケーションを促すために、もともとあった土間を残し、その横のL字型スペースに机と椅子を配置している。

(提供写真)

「土間の縁側は、昔から近所の人がふらっと立ち寄り腰を掛けて談笑する場として親しまれてきたことから、ここでも自然とコミュニケーションが生まれる場所にできたらと思い残しています。一方、小上がりのワークスペースに入ると、土間とはまた違った空気が流れる空間になっています」と後藤さん。

1階の壁には、チョークで書かれた注文や計算の跡が今も残る。かつて豆腐屋として営まれていた頃の面影を感じられるポイントだ。

2階は、作業に集中したい人向けのワークスペース。壁際にテーブルと椅子が並び、静かに作業できる環境が整う。タンスや床の間も残されており、1階と同様に古民家の趣を感じられる。

(提供写真)

bench!では、利用者向けにサコッシュやエコボトル、トイカメラなどを貸し出している。施設がある久保三丁目周辺には、国宝に指定された浄土寺や、MOU尾道市立大学美術館、尾道市立中央図書館など、歴史やカルチャーに触れられるスポットが点在する。

「外に出たくなるきっかけとして、アイテムを貸し出しています。また、ここは尾道駅から少し離れているので、駅前や商店街へ足を運びたい方には、無料で自転車も貸し出しています」と後藤さん。

「bench!だけで完結させるのではなく、お昼は向かいのお店へ、コーヒーは商店街のお店に買いに行く。そうやって地域全体で一つの場をつくる。その姿こそコワーキングだと思っています」と語る。

(提供写真)

後藤さんが目指すのは、ここを訪れた人や町の中で、新たなコラボレーションが生まれる可能性を高めること。その取り組みの一つが、利用者同士の交流を促す「掲示板」である。

「利用者さんが自由に書き込める掲示板を用意しています。人材募集やイベント告知など、さまざまな用途で使えます。ただ設置するだけではなく、利用者さんが考えていることや新しく始めたこと、ここで生まれたコラボレーションが見えるよう、積極的に活用しています」

「何かやってみたいという思いはあるものの、地域とのつながりがない、自分のスキルの生かし方が分からないなど、最初の一歩を踏み出せずにいる人たちにぜひ来てほしいです。私たちは、それを『ベンチ入り』と冗談めかして呼んでいます」と後藤さん。「ベンチ入りは次の出番に向けて力を蓄える時間。人とつながって経験を積み、準備が整ったら、それぞれのフィールドへ羽ばたく。そんな場所にしたいです」と展望を語る。

●コワーキング&コミュニティハブ bench!
営業時間:平日9:30〜17:00、土9:30〜12:00(火・日は休館|フルプランメンバーは24時間365日利用可能)
住所:広島県尾道市久保三丁目5−1
URL:https://www.kikkake-onomichi.com/bench/

●料金
ドロップイン利用:2時間550円、1日1,100円
連日利用プラン(3日間)3,850円/1名(1日延長ごとに1,100円追加)
フルプラン(1名):月額8,800円

●利用可能な設備・サービス
Wi-Fi、電源、個室ミーティングルーム、コピー機、スキャナ、冷蔵庫、駐輪場、セルフカフェコーナー、電気ポッド、プロジェクター、ホワイトボード、モニター、各種ケーブル、マルチカードリーダー、会議用スピーカーフォン、ヘッドセット etc

編集=ノオト