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長期化する在宅勤務 緊急事態宣言前後の比較調査 ー コミュニケーション・会議編

全国的に緊急事態宣言が解除され、ウイルスの感染に注意しながら経済活動を再開していくウィズコロナの期間に入りました。時差出社、ソーシャルディスタンシングの確保などまだまだ通常の生活とは異なる不便な点もありますが、アフターコロナに向けて着実に進んでいます。

 

オカムラでは新型コロナウイルス感染症対策としての在宅勤務に関する実態調査をおこない、「慣れない在宅勤務 どんなことが起こっているのか緊急調査」や、ウィズコロナの期間のオフィスを考えるレポートを公開してきました。今回は、緊急事態宣言が全国的に出された4月7日前後の会議・コミュニケーションの変化を見ていきたいと思います。

 

在宅勤務で会議は増えたのか、減ったのか

今回は緊急事態宣言が出されたことで強制的に多くの方が在宅勤務をするようになりました。個人で進める作業は在宅でも十分対応できますが、コミュニケーションをとりながらの作業は基本オンラインでおこなわなければいけません。では会議がオンラインでおこなわれるようになると、回数は増えるのでしょうか、減るのでしょうか。

 

ワーカー1人が一日に参加する会議の回数を長期にわたって調査しました(上図)。テレワークが推奨される直前の2月末には一日に1.3回の会議に参加していましたが、その次の週には急激に件数が減っています。これは一部の人が在宅勤務をおこなう中でオフィスと自宅を結んでの会議が開かれるようになり、上手くコミュニケーションが取れなかったことが影響したと考えられます。その状況が2週間ほど続きますが、3月の末には2月の値に近いところまで回復してきました。

 

しかし、3月末から再び減少に転じています。これは3月25日の東京都の会見を受けて、多くの企業が翌26日から在宅勤務の徹底を始めた時期と重なります。つまり、一部の人が在宅の状況ではなく、ほぼすべての人が在宅勤務をする中で、全員がオンラインで個別に会議に参加するようになったということです。オンライン会議に慣れていない人の場合は、会議の招集をためらったり、社外との打ち合わせが中止になったりしたことが影響していると考えられます。ただ、この状況も2週間ほどで終わり、4月後半には会議の回数が急激に増えていきます。

 

インタラクティブなツール活用がさかんに

緊急事態宣言が出されて以降、コミュニケーションは基本オンラインになりましたが、どんなツールを使いながら働いていたのでしょうか。

 

利用が増加したツールについてみてみると、8割以上の人が「Teamsチャット」「Teams会議」「ZOOM会議」の利用が増えたと答えています(上図)。この3つについては緊急事態宣言以前にも高い割合を示していましたが、宣言後はさらにその傾向が強まっています。それだけインタラクティブにコミュニケーションをとっていたことがわかります。

 

またチャットが最も高い割合を示していることも重要です。チャットはその名の通り、計画しておこなうコミュニケーションではなく、ちょっと相談したいとき、教えてほしいことがあったときに使われることが多いツールです。そうした気軽なコミュニケーションがおこないやすい状況にあったことがわかります。

※オカムラでは主に社内会議はMicrosoft Teams、社外との会議はZOOMを用いておこなっています。

 

反対に利用が減少したツールについても見てみると、「電話(通話)」と「電子メール」と答えている人の割合が高く、さらに緊急事態宣言以後に倍増していることがわかります(下図)。

 

電話は直接聞きたい人に連絡し、素早くこたえてもらうには優れたツールですが、チャットのようにグループを作ってみんなに質問するといった使い方はできません。「あの人に聞いた後に、次の人に聞いて…」といった手間を考えるとグループチャットを立ち上げるほうが、手間が少なく済みます。また、電子メールはレスポンスの主導権を相手に預ける非同期型のツールです。こちらも、クイックな反応が欲しい場合にはチャットに置き換わることが多かったのではないかと考えられます。

 

オンライン会議の習熟度が向上

在宅勤務の期間が長期化する中で、気軽にオンライン会議を開催したり、参加したりする機会が増えたことを実感されている方も多いのではないでしょうか。実際にオンライン会議に関して、習熟度を聞いてみたところ、6割近い人が「今回の事態により頻度が上がり、習熟度が上がった」と答えています。

 

以前のオンライン会議風景というとリアルに対面で行っている会議に数人が遠隔参加をするということが多かったと思います。会議室側は大きなモニターをみんなで見ていて、オンライン会議の使い方は誰かが知っていれば大丈夫でした。しかし、今回は全員が一人ずつオンラインで接続する必要に迫られたため、多くの人がオンライン会議のスキルを身に着けるに至ったのです。

 

インフォーマルコミュニケーションの変化と課題

最後に緊急事態宣言前後のインフォーマルコミュニケーションの変化について見てみましょう。

 

宣言以前と比較すると「非常に増えた」「若干増えた」と答えた人の割合が多くなっており、オフィスに出社しない状態で欠落しがちなインフォーマルコミュニケーションに改善の兆しが見えてきました(上図)。一方で「若干減った」「非常に減った」と答えている人の割合は5割以上です。特に「非常に減った」という人の割合は宣言前とあまり変わっていません。

 

インタラクティブなオンラインツールを使うことのハードルは下がり、気軽に扱えることができるようになりましたが、まだそれを使って雑談をしようというところまでは至っていないというのが現状のようです。会社として「雑談しなさい」とはなかなかアナウンスしにくいかもしれませんが、インフォーマルコミュニケーションは仕事の潤滑油。お互いの状況を共有することで仕事の効率が高まったり、助け合う場面が生まれてきます。

 

今回高めた経験値をもとに、そうした課題にどう対応していけばいいか、オンラインで話すのもいいかもしれませんね。

 

2020年6月12日更新

テキスト: 池田晃一(株式会社オカムラ)
調査:オカムラ ワークデザイン研究所 2020年
データ参照元:新型コロナウイルス感染症対策としての在宅勤務調査 緊急事態宣言前後の変化版

https://workplace.okamura.co.jp/solutions/download/flexible_work_report_2020_4.html

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