働く環境を変え、働き方を変え、生き方を変える。

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文具卸から職場環境のプロデュースへ 働く場の姿を問い続けたウエダ本社

オフィスだけではない、新たな「働く場」をつくる

2022年1月、京都府北部の与謝野町に「ATARIYA」をオープンされていますね。御社のサテライト機能だけでなく、社外の方も利用でき、地元で働く人たちの交流機会もあるとのこと。「働く場所」をプロデュースしている御社ならではの狙いがあるのではないでしょうか。

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岡村

以前は料亭だった建物を改装し、丹後のイノベーションハブとしてオープンしました。ワークスペースやキッチンはもちろん、イベントやライブ配信も可能な四十畳のスタジオも用意しています。

今や「働く場」は多様です。コロナ禍以前から、IT業界などではリモートワークやワーケーションなど、場に縛られない働き方を実践している企業が多くあったと思います。

そんな様子を見て、中小企業や一般のサラリーマンも、自分の選んだ場で働けるような環境を作りたい、と考えていたのです。

まずは、自社がプロトタイプを作らなければいけない。そう考えて、自然豊かで京都市内から通える丹後の地を選びました。

京都府北部の謝野町に作られた「ATARIYA」。サテライトオフィスとしてだけでなく、社外の地域住民も利用可能。

地元の与謝野町や、その周辺の丹後地方に住む人たちには、どのようなメリットがありますか。

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岡村

役所や銀行、農協など。地方では、勤め人の選択肢が限られています。

しかし「ATARIYA」が仕事を生み出す場として機能すれば、仕事不足が補え、地域で雇用を生み出せるだけでなく、他の地方からの移住へのハードルも下がります。

そうすることで、多種多様な職種の方が交流できる。多くの方の選択肢が広がるのではないか、と思います。

地方が抱える課題解決の一助になりますね。

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岡村

それぞれの地方ならではの課題と、独自の解決方法があるはずです。東京を見るばかりでは、せっかくの資源を活用できません。

例えば、島根県の隠岐の島にある海士町が、「ないものはない」とメッセージを発信していますね。あれは、「『ないもの』は無くてもよい」の意味と、大自然やおいしい食べ物、人々の幸せがいっぱいで「大事なことはすべてここにある」というダブルミーニングなんですね。

自分たちが暮らす地域の資源は? 生き方は? 幸せは? それを問い、考え抜かれたメッセージだと思います。

選択肢を提供し、ひいてはそれが地域の利用者や、社員の幸せにつながるとお考えですね。

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岡村

そうです。「選べる」ことは、人間の幸せの要素として非常に大きいと思います。当社も「選択できること」に価値を置いています。

他にも、地方で優秀な人材が地域創生のために事業を起こしていますが、多くが行政の補助金で展開をしているので、行政区を越えられなかったり、制限のある動きになったりしています。我々は自分の財布で自由な選択ができるところに、強みがあると思っています。

同じビルには、ウエダ本社の関連会社「utena works」がありますね。ここは子育て中の女性が働けるコワーキングスペースにもなっていて、「選択肢を増やすこと」のプロトタイプとして機能していそうです。

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ウエダ本社のビルには、子育てしながら働ける「utena works」がある。作業スペースの隣には、子どもが遊べる場所も。

岡村

そうですね。当社の社員だけでなく、女性起業家などのコワーキングスペースにもなっています。

子どもがいるからという理由で、仕事や趣味、自分を大切にすることを諦める必要はありません。誰もが「生き方を選べること」を大切にしたいと思っていますから。