東京・市ヶ谷の武蔵野美術大学内にコワーキングスペース「Ma」クリエイターのキャリア育成と交流促す
2023年6月8日(木)、武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス7階に「Musashino Art University Co-Creation Space -Ma-(マ)」がオープンした。
同キャンパスは2019年に開設以来、無印良品との共創実験店舗や日本総合研究所との共同研究拠点の設置など、社会との連携拠点機能の整備を行ってきた。この取り組みの一環として、同施設は「大学と社会をつなぐ新しいカタチのコワーキングスペース」をコンセプトにオープン。
「在学生だけでなく、卒業生のキャリアも支えられる場所を目指しました。若手クリエイティブ人材のコミュニティを形成することで、利用者同士の交流拠点としてはもちろん、起業・創業支援や、リカレント教育の拡充に取り組んでいきます」と話すのは、同大学 総務グループの板橋孝浩さん。
内装のデザインは、同大学卒業生で建築家の織戸龍也さんが担当した。
「この場を使う入居者と共に空間を作っていけるような余白を残す設計を意識しました。インテリアによる工夫で空間に隔離をつけずにエリア分けを行ったり、メイン照明はインスタレーションのようなライン照明を使用したりすることで、美術大学のクリエイティブさを表しました」と織戸さん。
施設には織戸さんをはじめ、経験豊富なコミュニケーターやコーディネーターが常駐。利用者同士の交流促進や、新規事業の立ち上げなどをサポートする。
施設は3つのエリアに分かれており、用途に合わせた使い方ができる。
1つ目は、フリースペース。複数人の作業に適した「ミーティングデスク」や体を動かしながら利用できる「スタンディング席」、利用状況に合わせてフレキシブルに組み合わせを変えられる「テーブル席」がある。
2つ目は、会員専用スペース。会員が自由に利用できる全8席の「固定席」と、オンラインミーティングなど集中して作業できる「個室」がある。
3つ目は、オプションスペース。ローとハイの2種類の椅子の高さから選べる「会議室」のほか、地下1階にはデジタルから工作まで多数の機械を備えたものづくりのための「スタジオ」がある。
他の多くの卒業生も施設全体のコンセプト設計に関わっている。施設名の「Ma」の命名はクリエイティブディレクターの萩原幸也さん、ロゴのデザインはアートディレクターの小杉幸一さん、コミュニティのプランニングはコミュニケーションデザイナーの河野奈保子さんが担当した。
板橋さんは「企業や他大学、地域との交流など、大学が持つスペースというイメージからはみ出して機能していければ嬉しいです。今後は、創業支援ルームの設置や交流イベントの定期開催など、魅力の向上に力を入れていきたい」と話す。
●Musashino Art University Co-Creation Space -Ma-
・営業時間:10:00~22:00/日祝定休
・住所:東京都新宿区市谷田町1-4 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス7階
・URL:https://ma.musabi.ac.jp/
●料金
・ドロップイン(事前予約制):1時間=800円、3時間以降1日最大 =2,400円
・個人会員:月額15,000円
●利用可能な設備・サービス
固定席、個室(以上月額会員のみ)、ロッカー、Wi-Fi、ポータブル電源、会議室(1時間1,000円)、地下1階制作スタジオ(月額10,000円。機械ごとの利用料金と材料費は別途必要)、法人登記(月額5,000円)、キッチン、モニター、本棚、コミュニケーターやコーディネーターによる相談サービス
編集:ノオト