世界11都市「進化形コワーキングスペース」22選
この記事は、ビジネス誌「WORK MILL with ForbesJAPAN ISSUE01 WHY COWORKING? コワーキングと働き方の未来」(2017/9)からの加筆・編集しての転載です。
企業勤めでもフリーランスでもパソコン一台で仕事ができる時代に、人々が殺到している新たな「仕事場」がある、コワーキングスペースだ。起業家、デザイナー、企業人……多様な知とセンスが交わり、未来を創る究極の仕事場にイノベーティブでサステナブルに働くヒントを探るべく、世界11都市から選出したコワーキングスペースを5つのケースに分けて紹介する。エリート限定からバリのリゾート、ヨガスタジオ併設の健康志向まで、一言でコワーキングといっても、その形態はさまざまだ。目的別に進化した世界のワークプレイスから、働き方の最前線を学びたい。
CASE1:ハイクラスなコミュニティに入れる
国をも動かすFinTech企業の集積地 / Level 39(ロンドン)
金融の街・ロンドンを一望できる場所にあるLevel 39のエントランスは、まるでゲーム会社のようなクールさ。他のコワーキングスペースと異なり、スーツ姿のビジネスパーソンが多く利用しているのが特徴的。分野が限定されているためより密度が濃いコミュニティが成り立ち、メンバー間でビジネスが行われる例も多く独自のエコシステムが形成されている。大蔵省や国防省とのネットワークがあり、規制緩和のきっかけになることもあるとか。FinTechを中心にしたIoT・サイバーセキュリティ関係のビジネスが200以上、48カ国、1000人以上が集まっており、コンサル企業や起業家などのメンター約150人が出入りする(※2017年8月時点)。周辺は金融関係の企業が約30社存在するほか、銀行のIT分野の予算の3分の1が徒歩15分圏内に密集しているというぜいたくな環境にある。
人とカルチャーが織りなす「仕事場のユートピア」/ NeueHouse(ニューヨーク)
1913年築のシックな建物に、超一流のデザイナー、建築家、アーティスト、起業家、マーケターなどが集うNeueHouse。アンティーク家具の並ぶ共有スペースで、常駐のコミュニケーターがクリエイティブな才能とビジネスセンスを有機的につなぐ。一方でメンバーに求められるのは、「Hard working」であること。創業者アラン・マレーが目指す「仕事場のユートピア」は、信念を持った人々の忌憚ない交流によって初めて結実する。インテリアデザインは、トニー賞受賞歴のある世界的な建築デザイナー、デイビッド・ロックウェルによるデザイン。開放的なラウンジや革の家具が映えるバーカウンターが目を引き、スタジオやスクリーンルームも完備。リラックスと作業への没頭を共存させた空間設計は、コミュニティのベースになっている。また、ロサンゼルスにも展開している。
各界スペシャリストが挑むホスピタリティの追求 / The Work Project(香港)
アジアのハブ機能も担うようになった香港において、The Work Projectは絶えず変化する世の中のニーズに対応した柔軟なワークスタイルを提供する。世界有数の建築家や思想家、ホテル業界出身者などのノウハウを積極的に取り入れ、あらゆる角度からホスピタリティを追求、利用者が過ごしやすい場を目指す。「WeWorkの利用者より5~10歳上の利用者にとって快適な空間」をコンセプトに、労働に対するイメージを覆すことが目標だ。先進的で落ち着いたオフィスデザインは、機能性へのこだわりも徹底。家具や音楽はもちろん軽食や香りまで、あらゆる要素がメンバーの作業経験向上のために慎重に選ばれている。プロが提供するライフスタイルイベントへの参加サポートにも意欲的だ。
CASE2:知らない世界の仲間と出会える
中にいる人の強みを事前に確認できる場所 / Meet Berlage(アムステルダム)
アムステルダム中央駅前に位置する、運河の上に立つMeet Berlage は、元証券取引所を改築してできた。100年以上の歴史をもち、ステンドグラスや扉などは当時のものを使用している。現在も裁判所として利用されている部屋も。ドロップインでも入れるワークスペースはレンガ造りのクラシックな空間となっており、1日約30人のフリーランサーや学生、起業家などが利用する。ランチタイムには互いの仕事について、活発な交流が行われる。ユトレヒトに本部を構え、全200カ所にフランチャイズ形式で展開するSeats2Meet(※2017年8月時点)。Meet Berlageも、加盟施設の一つである。最大の特徴は、公式サイト上で利用しているワーカーのプロフィールをリアルタイムで公開することで、事前に利用者の得意分野を確認できる点。新たな知と出合うチャンスをつかむことができる。
450を超える企業が生み出す新たなエコシステム / Industry City(ニューヨーク)
19世紀後半~20世紀前半に活気づいた工業地域ブルックリンが、600万平方フィート(約55.7万㎡)のウォーターフロントによって再び注目を集めている。産業センターとして地域を支えたブッシュターミナルは、かつての雰囲気を残しながらも現代的な様相に。テック企業やクリエイターのみならず、クリーンテクノロジーやアパレル、フード企業など450以上の企業が集結(※2017年8月時点)。BtoB、BtoCを問わない新たなコネクションが、日々生まれ続けている。ブルックリンにイノベーションのエコシステムを構築するという、大規模な地域開発の一端を担う。一般のコワーキングスペース以外にも、広く交流ができるテナントラウンジスペースや小売りスペースも充実。近隣住人や学生を積極的に巻き込んでおり、人々の生活に寄り添ったエコシステムが形成されている。
Googleが世界中で行う未来への種まき / Google Campus(サンパウロ)
テルアビブ・ソウル・マドリード・ロンドン・ワルシャワなど世界6都市に展開するGoogle Campusは、スタートアップや起業家、フリーランサーなどあらゆる職種の人たちが高い熱量を持って集い、作業したり、交流したりする場所として機能している。ここサンパウロキャンパスは6カ所の中で最も新しく、ブラジル政府が主導するスタートアップ加速計画の一つに組み込まれて設立、運営が行われている。日本への上陸が待ち遠しい(※2019年11月にGoogle for Startups Campusを東京に開設)。他のコワーキングスペースと明確に異なる点は、誰でも無料で使えるところ。かといって、決して設備やサポート体制が弱いわけではない。アクセラレーターなどの各企業にとっても、Googleという大きな旗のもとに集まる将来有望なアントレプレナーたちと関わりをもてるのは大きなメリットだ。
個人がつながるためのビジネスプラットフォーム / WeWork(ニューヨーク)
38カ国150都市840拠点以上(※2020年8月時点)に展開し、世界最大級のコワーキングスペース会社として名をはせるWeWork。60万人以上ものメンバーを抱える同社が注力するのは、個人同士がつながるための仕組みづくりだ。メンバーをビジネスプラットフォームとしてとらえるWeWorkは、他国のサービス利用者とのオンラインコミュニケーションや各種イベントを提供。ビジネスのコラボレーションを行うメンバーは、50%を超えるそうだ。入り口だけではどのオフィスも代わり映えしない。しかし中に入ると、NYオフィスはファッションへのこだわりが強いなどの特色が如実に表れる。共通したデザインを一部で維持しながら、地域のカルチャーを柔軟に受け入れていくのがWeWorkの世界戦略だ。
旅行者が気軽に訪れる南米のクリエイティブポッド / Urban Station(ブエノスアイレス)
アルゼンチン・ブエノスアイレスのダウンタウン、ソーホー地区。美術館や広い公園があり、クリエイティビティが刺激されるその場所に、Urban Stationがある。爽やかなイエローが施されたオープンラウンジから個人オフィス、クリエイティブルームなど多様な用途に応じた使い方ができる柔軟性が特徴。旅行者や出張者の利用も多く、彼らのニーズをとらえている。ここでの偶発的な出会いはワーカーたちの新たなアイデア発想の源となる。Urban Stationは、チリ・アルゼンチン・コロンビア・メキシコなど南米4カ国12カ所に展開(※2017年8月時点)。会員は基本料金を払うだけで軽食・飲み物がフリーになる。大手IT企業やアクセラレーターとのネットワークもあり、スタートアップたちも多く入居している。
CASE3:インスピレーションが降ってくる
瞑想ルームも兼ね備えたパリワーカーたちのオアシス / Kwerk(パリ)
ワークスペースのデスクやチェアはすべてKwerk特注品、各種インテリアは世界各国からの取り寄せ、ジムやシャワールーム、瞑想ルームも兼ね備えたラグジュアリーなワークプレイス。全世界の人たちの働き方を変えたいというコンセプトのもと、働く人の身体的・精神的な健康を保つことに焦点を当てた設計がなされている。同時に、エクスペリエンスマネジャーをハブとした会員同士が交流する仕組みも活発になっている。Kwerkはパリ市内に4カ所点在し、写真は2017年7月に、構想期間半年を経てオープンした拠点。この場所は、コワーキングスペースの利用で€690+税/月。少々高めだが、利用者は増え続けている。1人あたりの専有面積がフランス国内のコワーキングスペースの中で最も広く、70人規模の会社も入居している(※2017年8月時点)。
人と自然の共生を目指す「ワケーション」という働き方 / Kantoor Karavaan(アムステルダム郊外)
アムステルダム郊外の町・ムイデンのとある民家の庭にポツンと置かれた1台のキャラバン。ここが、ワークスペースとして利用されている場所だ。クラウドファンディングで100人以上の支援者が集まり、内部をワークスペースに改装し企業やノマドワーカーに貸し出している。古城を眺めつつ広大な自然の中で働くスタイルは、「バケーション×ワーク=ワケーション」の場をつくりたいというファウンダー、トムの思想を映し出す。オランダの文化であるキャラバンを、民家の土地に設置してもらうことによってコスト面の課題や規制をうまくクリアし、フランチャイズ形式で展開。現在はオランダ国内で4カ所6台のキャラバンが活用されている(※2017年8月時点)。激務で疲弊した社員のヒーリングを目的とした活用をする企業も増えており、近々日本上陸の可能性もあるとか。
集中と創造は「健康」によってもたらされる / PRIMARY(ニューヨーク)
健康は、仕事と生活のふたつのバランスが取れなければ成立しない—。WeWork初期メンバーでもあるリサ・スカイ・ハインが共同設立したのは、「健康」にフォーカスしたワークスペース・PRIMARY。フィットネススタジオやオーガニックなランチ、さらには昼寝用のハンモックまで完備。ニューヨークにおいて最もビジネスパーソンが集まるウォール街という場所で、心身の豊かさとビジネスとのバランスを強調している。健康への思いは、白を基調とした壁面に、観葉植物の緑に表れている。自然光を積極的に取り入れた開放的なデザインは、ぜいたくな働き方を提供するため。オフィススペースは二重ガラスで仕切られており、周囲のノイズも気にならない。
南国の風を感じながらリゾート気分で作業に没頭 / Hubud(バリ)
インドネシア・バリのモンキー・フォレストというジャングルの近くにあるHubudは、コワーキングリゾートとして知られている。竹材でつくられた建物に、田園風景が広がるテラスが併設。バリ島の起業家やフリーランサーが集まるコミュニティ形成に注力しているため、個室は会議室のみで、オープンスペースがメインとなる。平日は100人以上が訪れ仕事をしているという。一度はバケーションを兼ねて、南国を感じながら働いてみるのもいいかもしれない。非都会と侮るなかれ。近年は語学留学先としてだけではなく、世界中のフリーランサーたちから移住先として好まれているバリで、Hubudはワーカーたちに新しい働き方を提供している。30カ国以上のワーカーたちに愛される、コワーキングリゾートだ。
ミニマルデザインが提供する自由なワークスタイル / Bond Collective(ニューヨーク)
Bond Collective Gowanusが提供するのは、コワーキングスペースだけではなく、その先にあるホスピタリティだ。「あなたが夢へ向かい、休息を自由に操ること」のポリシーが示すように、押し付けがましい主張は存在しない。ペット同伴可能スペースや授乳施設を揃え、ユーザーからの要望を反映。それは仕事と休暇を明確に切り分けるモダンな労働観へのアンチテーゼであり、新たな働き方の模索でもある。洗練されたミニマルなデザインは、Bond Collectiveの思想を端的に表している。レコーディングスタジオをはじめ、クリエイティブな思考に必要な設備を余すことなく揃えたナチュラルな環境は、シンプルなワークスタイルの象徴である。
CASE4:スペシャリティを高められる
アーティストのためのコミュニティスペース / Con Artist(ニューヨーク)
扉を開けると広がる作品群と、その奥に広がるペンキ跡が飛び散った作業場。Con Artistはアーティストのためのワークスペースであり、ギャラリーであり、共同体だ。ここに所属すれば、600人を超える所属アーティストとのオンラインコンタクトと、サロンへの参加が可能。運営者にとってはスペース収入外の収益に、アーティストにとっては遠方からも参加できる貴重なプラットフォームとして自分のスタイルを見つけるチャンスになるはずだ。中に入るのにちゅうちょしてしまいそうなほど、ドープな雰囲気が漂う建物。しかし中に入ってみると、トラディショナルな制作設備はもちろん、3DプリンターやAdobe Creative Cloudなどの最新設備も完備。コミュニティとファシリティの両立が20代から70代まで、アートを愛する人に幅広く支持される理由だ。
友愛精神が育むアーティストたちの共同アトリエ / ICI(パリ)
ICIは、「共同アトリエ」という言葉が合う、アーティストやクリエイターたちが集まる工房的コワーキングスペースだ。本来職人はひとりで作業をしがちだが、ここでは各自の専門性を相互補完し新たなアイデアを生み出すことに重点を置く。機材やノウハウを惜しみなく共有する文化があり、フランス人の国民性である、同胞と分かち合う友愛の精神が垣間見える。利用者は元バレンシアガのデザイナーからレザー職人、映像作家など多様。元々職人の街として知られていた地域に成立。国内外の職人たちとのネットワークも強く、目的に応じて職人や場所を紹介するというハブとしての役割も担う。各分野のアーティストが150人以上会員として利用しているため「困ったときに訪れると、ここにはそれを解決するアイデアが必ずある」と、担当者は語る。
運営元は国際金融機関 スタートアップ支援も充実 / Rise(ロンドン)
ロンドンに拠点を置く国際金融グループ・バークレイズが運営元である、Rise。バークレイズは入居しているスタートアップが成長したときに自らの顧客になることを理想に掲げており、企業の段階に応じたアクセラレーションプログラムも充実している。双方にとってメリットがあるエコシステムがあり、ここRise LondonにはFinTech系のスタートアップが多く入居。バークレイズとの大きなシナジー効果を期待されている。7階建ての元工場だった場所には、カフェスペースから動画サービス運営者向けのレコーディングルームまで完備する。入居スタートアップに対するアクセラレーションプログラムだけでなく、子ども向けのプログラミング教室など外部を巻き込んだイベントも多く開催し、次世代の育成にも力を入れている。
働きやすさの本質は見栄えではなく「可変性」 / The Rain Cloud Victoria(ロンドン)
まだ芽が出ていない種の状態であるスタートアップたちを育てる“レインメーカー”の理念を持つ、The Rain Cloud Victoria。「今のコワーキングスペースは過度な見栄えを気にしたところが多い」と語る創業者のティムは、アナログにこだわり、とりあえずデジタル化を推進する世の中の流れをよしとしない。それは、人々が必要なものは時代によって変化するものであり、可変性を持った場所であることが大切であるという思いに基づいている。元劇場をリノベーションしたこの場所には、行政・公共サービス関連のテック企業が入居。12社75人がここで働く(※2017年8月時点)。徒歩10分圏内には省庁や国の機関が点在する。政府と関わりの深いコワーキングが充実していることも、ロンドンという都市を象徴する代表例だ。
人と地域を育てるオートデスクの実験場 / Pier9(サンフランシスコ)
サンフランシスコ・ベイエリアに位置する倉庫のような巨大な建物が、ソフトウェア企業・オートデスクが立ち上げたPier9。一見何かの工場かと勘違いするほど、3Dプリンターからメタルの加工場などの設備が充実し、多くのクリエイターやエンジニアが日々創作に励む。次世代アーティストたちの共同ラボラトリー的役割を果たす一方、彼らのギャラリーとして一般開放されるエリアもあるなど、一施設にとどまらない拡張を続ける。オートデスクの社員とパートナー、審査に通ったメンバーのみが利用でき、一般の利用はできない。しかし、その先進性と話題性から、工場内部の見学ツアー参加者・ギャラリー見学者など、年間で約9,000人以上の観光客たちが訪れる。
CASE5:ビジネスチャンスをつかめる
新たなNYを切り開く「コラボラティブ・ワークスペース」 / New Lab(ニューヨーク)
あまりに高い天井と金属の質感が目を引くNew Labは、1900年代築の造船所をリノベーションしてつくられた。溶接機や大型プリンターを備えたNew Labが支援するのは、宇宙探査や先端医療を担うハードウェアだ。New Labの入居を許される企業は、応募の2割程度。モノづくりを変えようとするニューヨークの強い意気込みを感じるとともに、ここに居を構えることはモノづくりの未来を担う一員としてのチャンスを得ることにほかならない。施設内には工業化の時代とともに歩んだクレーンがそのままの姿で、最先端テックとともに立ち並ぶ広々とした空間。ラボの30%以上がプロトタイプショップや会議室などの共有リソースに割かれており、アドバイザーや投資家とのネットワークも積極的に提供。新たなビジネスの創造を、多方面から支援している。
旅をしながら働ける世界規模のワークプレイス / Impact HUB(ロンドン)
世界中に点在する大規模なコワーキングコミュニティ、Impact HUB。ロンドンのコワーキングスペースは、ここKing’s Crossを含め4カ所ある。数人のスタートアップからフリーランスまで、利用者の国籍や業態もさまざま。どこか1カ所のメンバーであれば、世界中どこでもドロップインで使えるため、各拠点を転々とするワーカーも多い。世界各国に点在するImpact HUBを回り、各地で仲間集めをしながらビジネスを拡大している人たちも。いまや世界5大陸100カ所以上いう規模が魅力的なImpact HUB。日本にも、東京と京都の2カ所に拠点を持つ(※2020年8月時点)。メンバー間でやりとりができるアプリケーションがあり、コラボレーションが生まれる例もしばしば。世界中のスタッフが集まる「ワールドワイドミーティング」も開催されている。
イノベーションを加速するケニアのパイオニア / iHub(ナイロビ)
国をあげてITビジネスに注力しているケニア。その首都ナイロビにあるのが、iHubだ。これからの活躍が期待されるIT人材の育成や、スタートアップに対するエコシステム構築のためにつくられたiHubは、グーグルやサムスンなど大企業と提携したプログラムも実施するなどインキュベーションオフィスとしても機能する。1万人、150社以上が登録しており、テクノロジーの発展が著しいアフリカ・ケニア国内の技術者たちにとって、iHubは重要なコミュニティとなっている(※2017年8月時点)。メンバーシップはiHubの情報にアクセスできるホワイト、オフィススペースが使えるグリーン、メンター制度などが利用できるレッドの3段階に分かれている。
次世代のジョブズを生み出すバンコクのエコシステム / Hangar(バンコク)
ノルウェーに本社を構え、欧米のみならずアジアでも事業を広げるモバイルオペレーター・Telenor Groupがタイに設立した、dtacが運営するコワーキングスペース。通信を活用したイノベーションやサービスがここから生まれていくことを理想に掲げている。壁に“STAY HUNGRY, STAY FOOLISH”というスティーブ・ジョブズが引用した名言が飾られている。場所の名前とコンセプトを表すかのように、ポジティブな意欲あふれるワーカーたちがひしめき合いながら働く。駅直結の商業施設の中にあり、チュラロンコン大学の最寄り駅ということで学生も多く、大学と連携したプログラムも行われている。グーグルやAWS、IBMなど大手IT企業と連携もしており、バンコクの起業家たちがこぞって集う。
取材月:2017年8月
2020年9月2日更新
テキスト:フォーブスジャパン編集部
写真:金 東奎(ナカサアンドパートナーズ)、谷口 哲 ※Hanger バンコク
※『WORK MILL with Forbes JAPAN ISSUE 01 WHY COWORKING? コワーキングと働き方の未来』より転載