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WORK MILL

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Z世代だけでない「24時間戦えますか」世代もオススメのワーケーション先

コロナ禍によって人と人のフィジカルディスタンスが一変した生活になりました。私たちの通勤も三密を避ける為にラッシュアワーの満員電車は姿を消し、そして憩いとなる夏の風物詩、神輿や夜空に煌く花火も残念ながらなくなってしまいました。一方で、在宅勤務という新たな働き方が仕事と生活に連続的なつながりを生み出すようになり、私の場合は家族やペット(3歳のオス犬一匹)、ご近所とのコミュニティーがフィジカルでもメンタルでもグッと近づきました。

人が集中できる時間は子供で45分(小学校の授業時間)、大人は90分(大学の授業時間)といわれていますが、脳はとても飽きっぽい性格のようです。コロナ禍で定着しつつあるテレワークという働き方、仕事と〇〇〇がシームレスになる状態が、この飽きっぽい性格の脳と上手く付き合う働き方になるかもしれません。

そこで最近、気になっているのがワーク(Work=仕事)とバケーション(Vacation=休暇)を組み合わせた造語で、オフィスを離れて旅行先や帰省先などでゆっくり休暇を楽しみながら、ネット環境を利用して仕事をする「ワーケーション」です。Z世代など若い層の多様化する価値観に寄り添う新たなワークスタイルとも思えますが、実は仕事に、遊びに、とフルパワーで活動していた世代にこそピッタリな働き方ではないでしょうか。

かくいう私も昭和生まれ “24時間働けますか!” 世代です。「よく学び(働き)よく遊べ」の精神で寝る間を惜しんで「仕事」と「遊び」に没頭していました。そんな私が、コロナ後に思う存分トライしたいワーケーションのスタイルと施設を本記事ではご紹介します。

スタイル1【旅人型】

地域のコミュニティーや文化とふれあい、新たな気づきや課題そのものと向き合う自己成長(拡張)を目的とした「人間力育成型ワーケーション」。

出張や旅の途中で立ち寄りたいワーケーション施設

ゲストハウス入江宿(和歌山県)

ワーケーションの聖地白浜町、熊野古道で平安時代にタイムスリップ、コーラルリーフでダイビングを満喫。夜は Coffee & Bar Orange で出会いが待っている。

住所:和歌山県白浜町堅田2399-474
写真:ホームページより

隼Lab(鳥取県)  

閉校した小学校を活用した施設内に、カフェ、レンタルスペース、ワークスペースなど様々な機能を併せ持つ”コミュニティ複合施設”。ドロップイン利用も可能なコワーキングスペースは、地域の内外から世代も立場、目的もバラバラな多様な人々が集い出会う、コミュニティの拠点となっている。また、隼Labのある八頭町ではワーケーション専用サイトも立ち上げている。

住所:鳥取県八頭町見槻中154-2
写真:隼Lab 提供

うつくしや東村呉服店 (三重県)

築70年の呉服店の蔵をリノベーションした1日1組2名限定の蔵宿着物や日本文化を体感できるコミュニティスペースを併設し、ギャラリーカフェ、キッチン付きレンタルスペースがある。夕食は街へと繰り出し松坂牛を堪能したい。

住所:三重県松坂市中町1940
写真:ホームページより

スタイル2【キャンプファイアー型】

開放的で雄大な自然環境に身をゆだね本音トークでチームの絆を結ぶ、「チーム力向上型ワーケーション」。

自然の移ろいを感じながら課題に没頭したいワーケーション施設

那須ハイランドパーク オフィシャルTOWA ピュアコテージ(栃木県)

那須の大自然に囲まれ、青と白を基調とした爽やかな色合いの建物。インテリアはラグジュアリーな家具を配置、他にもいろいろなタイプのコテージがあるので、きっとお気に入りが見つかるはず。

住所:栃木県那須郡那須町高久乙3375
写真:ホームページより

シェラリゾート湯沢 (新潟県)

高原の風を深呼吸して、昔のバンド仲間と昔と今そして“これからの人生を夜通し語り合う”なんてこともたまには必要かもしれない。

住所:新潟県南魚沼郡湯沢町大字土樽731-1
写真:ホームページより

Island and office 八丈島(東京都)     

都心から飛行機でひとっ飛び、森林に囲まれ眼下には太平洋の海原が広がる。さあ都会の仮面を外し、常識よサラバ、イノベーターに変身!

住所:東京都八丈町大賀郷5492
写真:プレスリリースより

スタイル3【没入型】

内省する・生活する・遊ぶ × 働く で生き方を見つめなおす、「自分再発見型ワーケーション」。

仕事を忘れて自分自身と向き合い、生きるとは何かを体感するワーケーション施設

Temple Hotel 高山善光寺(岐阜県)  

瞑想、写経、写仏など心と体と精神のバランスを調える仏教体験で自身と向き合ってみよう。

住所:岐阜県高山市天満町4-3
写真:ホームページより

白馬岩岳マウンテンリゾート(長野県)     

ゴンドラリフトで通勤し白馬三山の雄大なパノラマで自分を俯瞰したら、ねずこの森散策、マウンテンバイクでリフレッシュ。いつもとは違う自分に出会うかもしれない。

住所:長野県北安曇郡白馬村大字北城12056
写真:ホームページより

OOE VALLEY STAY(鳥取県)     

雄大で緑豊かな山々に囲まれ、清流が流れる希薄な自然環境。閉校になった小学校を宿泊施設として蘇らせたOOE VALLEY STAYで、鳥取の魅力と触れ合おう。

住所:鳥取県八頭郡八頭町下野331
写真:ホームページより

テレワークが可能にする“ワーク”と“バケーション”の新たな関係  

いまやワーケーションをネットで検索すると国内外にあるたくさんの施設が紹介されている。ワーケーションの目的は、有給休暇の取得促進、地域活性化、モチベーションの向上などさまざまである。生産性の向上やヘルスケアでの効果が期待されているが、現時点でその効果を数値化することが難しい課題も生まれている。

しかし、「ワーク(Work=仕事)」と「バケーション(Vacation=休暇)」をシームレスに繋げることにより、飽きっぽい性格である脳にポジティブな刺激を与えること。日常とは異なる環境下によるモチベーション向上や創造性の喚起、未知の自分と向き合う機会、といった生産性では測れない多くの可能性があるのなら...。この新しい働き方は素晴らしいことであり、ポストコロナの世界では、ひとつのワークスタイルとして普及していくことを期待したい。

2021年8月20日更新

テキスト:鈴木勇二(オカムラ)