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場所と時間を自由にする 「テレワーク」

この記事は、“はたらく”にまつわる研究データをまとめた冊子「WORK MILL RESEARCH ISSUE01 はたらくを自分で選ぶ」(2019年11月発行)からの転載です。

 

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テレワークとは、情報通信技術を活用した場所や時間にとらわれない働き方のこと。在宅勤務やサテライトオフィス勤務なども、テレワークの一つの形です。ルール・制度やITが進歩するにつれ、働く時間と場所の制約は徐々に取り払われてきました。テレワークが示すように、働き方の選択肢はオフィスの外にも広がっています。オフィスの外に目を向け、「CHOICE」の可能性を広げるテレワークについて、その方法と効果を見ていきましょう。

 

テレワークを導入して、もっと柔軟に働こう。
場所だけでなく、時間も自由にすることでテレワークの効果を高めましょう。

テレワークと聞くと、「オフィス以外の場所で働く」という空間的な自由をイメージする方が多いかもしれません。もちろんそれは正しいのですが注意したいのは、働き方の自由度は「場所」だけではないという点です。オカムラでは、働き方の自由度を「①時間」「②場所」「③タスク」の3つの軸でとらえています。例えば、時間の自由度を上げる制度は、以下の2番目の図のようにさまざまです。 

 
時間と空間の制約を取り払ったとき、どれだけ働き方が多様になるかを示す検証結果があります。以下の図は、オカムラが行った「時間」「空間」「タスク」の自由度を向上させる小規模トライアル(n=14)における社員の活動記録です。中抜け可のコアなしフレックスタイム制度や労働時間貯蓄制度、在宅勤務制度などを取り入れたところ、状況に合わせて日々の働き方を柔軟に調整していたことがわかります。例えば、保育園の送り迎えがある日は、勤務時間を早朝に設けるなどの工夫を行っていました。

 

他にも、昼休みを長めにとる、通勤ラッシュを避けるために帰宅時間を早める、通院のために中抜けをするなどの活用の仕方も見られました。このように、働き方が人や状況に応じて変化することを考えると、重要なのはワーカー全員が同じ働き方をするのではなく、一人ひとりが自分に合った働き方ができるように、企業や組織が制度や空間の面でサポートしていくことではないでしょうか。
 

 
働き方が柔軟になるほど、パフォーマンスが上がる。
働き方の自由度を上げると、時間的・心理的な面に効果があらわれます。

働き方の自由度は「時間」「空間」「タスク」の3つの要因によって高まることは述べましたが、実際に働き方の自由度を上げてみたとき、その効果がどのようにあらわれるかは気になるところです。そこで、オカムラでは時間的側面と心理的側面から効果検証を行ったところ、「労働時間の減少」「拘束時間の減少」「心理面へのプラスの影響」が見られました。

 

勤務時間や拘束時間(勤務時間+通勤時間)が長いと、ワーカーの負担は増加します。テレワークを利用することにより、働く時間は短くなるのでしょうか。「時間」「空間」「タスク」の自由度を向上させる前述の小規模トライアル参加者(n=14)を対象にアンケートを行い、勤務時間や拘束時間にどのような変化があらわれるかを調べました。その結果、サテライト拠点(普段通うオフィスよりも、自宅や客先・出張先に近い場所にある自社オフィス)の利用や在宅勤務利用のみならず、直行直帰を利用するだけでも時間削減の効果が見られることがわかりました。
 

 
自由度の高い働き方をすると、個人やチームの状況に合わせて効率的に働くことができる一方で、働く時間や場所がバラバラになることによって、パフォーマンスやモチベーションの低下が生じるのではないか?という不安が出てくるかもしれません。そこで、オカムラでは、制度利用の有無による活力感や幸福感などの心理的影響を調べました。その結果、「中抜け可のコアなしフレックスタイム制度利用」「直行直帰利用」「サテライト拠点利用」のすべての項目において、非利用日に比べ、制度を利用した方が高い評価が得られました。テレワークの利用には、心理面においてもプラスの影響があることがわかります。このような結果から、働き方の自由度を上げることによって、時間的な面でも心理的な面でも良い効果が得られると考えられます。

 

柔軟な働き方へのオカムラの考察
テレワークをすぐに実践できる方法として、直行直帰とサテライト拠点の利用を推奨しています。

テレワークのように、自由度を上げた柔軟な働き方には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。オカムラでは、2018年に総務省はじめ6省合同で実施した「テレワーク・デイズ※1」に合わせて、社員約1,000人を対象にテレワークやフレックス早出/ 遅出などを推奨し、実際に体験した人へのアンケート調査(n=588)を通して、そのメリットとデメリットを探りました。

 

※1テレワーク・デイズ
総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府が東京都および関係団体と連携して、2017年より、2020年東京オリンピックの開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけ、テレワークの一斉実施を呼びかける働き方改革の国民運動。2019年は、2020年東京大会前の本番テストとして、7月22日(月)~9月6日(金)の約1ヶ月間を「テレワーク・デイズ2019」実施期間に設定。

 

 
テレワーク導入を検討するとき、制度や環境を一気に整えることは、なかなか現実的とは言えないでしょう。そこでオカムラでは、すぐに実践できる方法として、以下の二つを推奨しています。

 

1.直行直帰の推奨
まず導入したいのが直行直帰。その際に活用できるのが、「テレキューブ」などの防音型ワークブースです。内部にはテーブル、イス、コンセントなどの基本設備があり、セキュリティの保たれた静かな環境で集中して作業することが可能です。現在、駅などの公共空間への設置が進んでおり、出張先や客先からわざわざ自分のオフィスに戻らなくても、資料作成やメールなどの業務、電話やWeb 会議などの仕事上のコミュニケーションを行うことができます。

2.サテライト拠点の利用
そして二つ目に推奨するのは、サテライト拠点の活用です。自社で複数の拠点を持つ場合は、別の拠点に勤務する社員が立ち寄った際でもきちんと仕事ができるよう、オフィス内を整備することから始めてみるのが良いでしょう。サテライト拠点勤務をしやすい環境づくりのためには、図10にあるように利用者・提供者双方の立場に立った配慮が必要です。また、どこにサテライト拠点をつくるべきかは、社員の通勤経路や需要を考慮して決める必要があります。

テレワークのまとめ

テレワークは働き方改革推進の切り札のようにとらえられていますが、ただオフィスの外で働けるようにすればいいのではありません。ワーカーの多様な状況にあわせ、柔軟な対応がとれる制度、そして仕事上で障害が発生しないための技術やツールがあって初めて成功への道が見えてくるのです。

 

2020年1月8日更新

 

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