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うすきとライフを考えよう 特別編 「保育園が臨時休園に!?自宅保育の中でどうはたらく?」

このコラムは「ワークインライフ※1 」を今まさに模索中のWORK MILLの薄(うすき)が、試行錯誤の毎日の中で自分なりに感じたこと考えたことをお伝えしていく連載。子育てに限らず、ライフキャリア・ワークキャリアについても自身の経験をもとにお話していきたいと思っています。 

今回は特別編として、緊急事態宣言下の保育園臨時休園の中での在宅勤務について。題して、「保育園が臨時休園に!?自宅保育の中でどうはたらく?」です。

※1「ワーク」と「ライフ」という2つの要素を同列に捉えるのではなく、「ライフ(人生)にはさまざまな要素があり、その中のひとつとしてワーク(仕事)がある」という考え方のこと。ライフを構成する要素としては、ワークのほかにファミリー(家族)、ホビー(趣味)、ラーニング(学び)、コミュニティ(組織・地域)などが考えられる。

保育園が臨時休園!?

「明日から保育園が臨時休園になります」4月上旬のある日、娘を保育園に迎えにいくと先生から告げられた。「え、明日から?そんな急に…。」と戸惑いながらも、もう一方で「そうだよね。まさか明日からとか予想はしていなかったけど、昨今の社会状況からみるとそりゃそうだよね。」と冷静に受け止める自分がいたことも覚えている。すぐに状況確認すると、臨時休園のスタート時期は明日から、明後日から、週明けの月曜からと選択可能とのこと。業務上、即休園スタートは厳しかったため週明けの月曜からの休園スタートでなんとか了承してもらいひとまず帰途についた。

緊急事態宣言が発令される前から、会社の対応はこれまでと比較して非常に早かった。

■当社の対応(関連箇所のみ抜粋)

  • 販売・スタッフ部門の社員は原則在宅勤務。(事業所は別途)
  • 休園・休校措置により義務教育卒業前の子どもを自宅にてケアする必要があり、在宅勤務を行えない場合は、特別に休暇付与(有給休暇同等)

また、所属部署自体の方針として、3月下旬ころから完全在宅勤務(やむを得ない場合を除く)に切り替わった。

初めての経験、娘と一緒にどうはたらこう?

うちは共働き。緊急事態宣言下でどう働いていたかというと、私は企画・開発業務に従事しているため基本的には在宅勤務、夫は在宅勤務+週に2~3日の出社という働き方である。私の業務の特徴としては、各プロジェクトを回す立場であり比較的大人数が参加するMTGを開催することが多く、そのMTGでファシリテーションをすることが多いという状況である。

そして娘は2歳。2歳児がどんな感じかというと、まだ一人で遊ぶのはムズカシイ。すぐ近くの目が届く範囲に親がいてもだ。そして定期的にかかわりを求める。

  • 抱っこ―、ママここにいてー(アンパンマンの映画を娘が見ている隣で仕事してー)
  • 一緒に観ようー(一緒に全然みたくはない)
  • お腹減ったー、おやつ食べたいー(もちろんおやつの時間じゃないのに)

こんな感じである。 

そんな中で夫と力を合わせて娘と向き合いながら在宅でどう仕事をすればいいのだろう。なにも準備できていない。でもやってみないと課題もわからないし、まずは実践してみるしかない!そんなふうに娘が家にいながらの在宅勤務が突然始まったのである。

娘がいる状態での在宅勤務、どんなふうに始まったのかというと、やはりなかなか仕事にならない。最初に編み出した手法はというと、「映画上映会の始まり始まりー!」アンパンマン→となりのトトロ→ウサハナ(サンリオキャラクター)→アンパンマン(さっきのとは別の!)→魔女の宅急便、と順番で上映会。(親としては1日にこんなにテレビを見せてよいのだろうかという悩みはもちろんあるものの、見せないと仕事がまったく進まない、という悩みの中でひねり出した策です。今では1タイトル見たあとに本を1冊読むルールにしたりと進化させています!進化なのかは議論があるところですが笑)

この方法で意外といけるかも!と思ったのは束の間、2歳児はたとえ好きな映画だろうと一人で集中し継続してみることはできないのである。というわけで夫と相談し交互に娘を気にしながら&相手をしながら仕事を進めることに(子どもだって好きでこの生活をしているわけではないのだから仕方がないですよね)。そのうえで特に工夫をしたことは以下の4点である。

■子どもとの在宅勤務におけるうすきの工夫

  1. 自分のミーティング(以下MTG)の予定を夫のMTGの予定と重ねない
  2. オンラインMTG用ブースをつくる
  3. 業務後に家族みんなで散歩にいく
  4. 在宅勤務用家具の購入

(それ以外には、第1回でも触れたように、さらなる仕事のスリム化も実施しました。)

①自分のMTG予定を、夫のMTG予定と重ねない

上記で説明をしたように、娘は定期的にかかわりを求める。そのため、私と夫2人ともMTGに入ってしまうと、MTGの重要な箇所かつ自分が発言しているタイミングで娘と会話をせざるを得ない状況に陥ってしまう。 

たとえば、真面目な仕事の会話のときに「おまえん家おっばけやーしき」と言われ、「ねえねえ、ベーって言って」と言われる可能性が多分にある。いきなり何だ、とみなさん思うかもしれないが、これが子どもと一緒の在宅勤務の現実である。(ちなみに、これはとなりのトトロの一場面:カンタがサツキに叫び、それに対してサツキがベーっと舌を出して応戦するところです。娘がとーっても好きな場面で1日に1度はいきなり大声で言いだします)。そのため、どちらかがそんな時にもすかさずべーっと言うなどスムーズに対応できるよう2人同時にMTGの予定は入れないことに決め、また、会社のOutlookの予定にも自分と夫のMTGの予定を書き入れ予定の管理をしている。(MTG以外の業務時間もゆるい交代制にして娘の相手をするようにしています。)

②オンラインMTG用ブースをつくる

1度とあるオンラインMTGを娘と夫がいるリビングで実施してみた。ところが、虫の居所が悪かったのか、その時に限って娘は私からまったく離れず、しまいには大泣きするという事件が発生。しかも、そのMTGは初対面の外部の方が参加しているというオチつきである。

私のMTGの仕方として、先にも触れたが、比較的大人数が参加するものを主催する立場であり、ファシリテーションをすることが多い。娘が隣で泣いている状態ではMTGの進行は非常に難しいことを実感した。というわけで、リビングの隣の部屋に私専用のMTGブースをつくり、MTGのときはブースにこもり集中できるようにしている。(MTGブース:もちろん急ごしらえで、ソファー用のローテーブルに踏み台をイスとして合わせ使用しています。)

③業務後に家族みんなで散歩に行く

在宅勤務中の基本的な執務スペースは、娘の目の届く範囲にいるようにするため、私も夫もリビングである。そのため、MTGの時間を除くとほぼ同じスペースにみんな一緒にいる。もちろん業務外の時間も。というわけで、息抜きと運動も兼ねて業務後にみんなで散歩にいくことにしている。気になる夜ごはんの準備は時短レシピで週末に済ませているので気兼ねなくGO!(家事に関する時短については第1回をご覧ください)

④在宅勤務用家具を買う

これはできたらやれるといいですよねというものの1つ。オカムラは事業ドメインの1つでオフィス環境つくりを手掛けている。緊急事態宣言下での支援として、社員向けに在宅勤務に適した家具の販売が行われた。待ってましたー!!!ということで立ち姿勢で仕事ができるデスク「ヴィチーノ」とそれに合ったスツール「ピルエット」を購入。姿勢を変えられるので仕事がしやすくなり、購入家具の色は赤色と青色をチョイスしたため、空間に鮮やかな色が入り部屋自体が明るい雰囲気になって快適である。

おわりに

家庭によって考え方は違うだろう。そして子どもによって性格も異なるので対処の仕方は違うかもしれない。あくまでもうちの場合はこうしているという例であり、日々、これでいいのだろうかと悩みながら改善しながら進めている状況でもある。そしてそもそも在宅勤務ができる職種であるということ、また会社がかねてから在宅勤務制度を導入し、今回の状況下でもフル在宅勤務を全社実施にしてくれたからこそ、必要以上に不安がることなく生活が送れていることに感謝をしたい。そして娘がいながら在宅勤務をしている状況を理解し助けてくれているチームメンバー、上司、同僚に心から感謝!である。

余談ですが、今回オカムラが比較的スムーズに全社での在宅勤務実施にシフトできたのは、日頃から働き方改革WiL-BEを全社で取り組んでおり、在宅勤務制度導入済(介護と育児中の方)、オンラインMTGやMicrosoft Teams(Office 365)利用の推進も進めていたためだったのではないかと考えます。(オカムラ人事制度一覧はコチラ

次回は「新しい働き方トライアル実行編!やってみると、想定外!こんなこともあんなことも発生、想定してなかったー!」をお届けします!お楽しみに。

著者プロフィール

―薄 良子(うすき・りょうこ)
広告コンサルティング営業、研修プログラム企画・開発のプロジェクトマネジメントなどの職歴を経て、2015年にオカムラに入社。社内働き方改革、ダイバーシティ&インクルージョン推進、社外との共創活動を中心に、組織開発のプロジェクトに従事する。東京外国語大学ペルシア語科卒。筑波大学大学院経営学修士(MBA)。CDAキャリアカウンセラー。

うすきとライフを考えようシリーズ 過去掲載記事

2020年5月29日更新

テキスト:薄 良子(株式会社オカムラ)
トップ写真提供:菅原大介(株式会社ライ)
著者プロフィール写真:藤原 慶