2024年、澤円さんがやめたい2つのことは?
仕事でもプライベートでも、やりたいことは山のようにある。同時に、周りからのいろいろな頼まれごとにも向き合っていくと、いつの間にか予定はいつもパンパンに。この働き方、暮らし方は思っていたのと、ちょっと違う気がする……。そんなときに必要なのは、こだわりや常識、思い込みを手放すことなのかもしれません。連載「やめるための言葉」では、圓窓代表取締役・澤円さんと一緒に「やめること」について考えていきます。
恵まれた2023年でした
2024年になりました! 今年もよろしくお願いします。
2023年は、ボクとしては最高の一年でした。いろんな経験をさせてもらいましたし、大好きな人たちと最高の時間を過ごすことができました。
2020年の8月に会社を辞めて丸3年以上が経ち、結果的に自分のありたい状態を高いレベルで維持できている実感があります。会社員時代も楽しい時間はたくさんありましたが、やめたことによって得られたものの方が圧倒的に多かったのは間違いありません。
誰もが会社をやめた方がいいとは思いませんが、ボクの場合はやめて本当によかったと思っています。会社をやめた後で始めたことはたくさんあります。
業務委託契約をしている会社は9社、連載は3本、大学の専任教員にもなりましたし、テレビ番組にレギュラー出演もさせてもらっていて、実に充実した毎日を送っています。
そんなボクが2024年にやめたいなと思っていることは何か、あれこれ考えてみました。
人に会いすぎるのをやめる
ボクは外向的な人間だと認識されることが多いのですが、実はかなり内向的な人間です。一人でいる時間が一番快適で、人と会うとどうしても疲れてしまいます。
親しい人ならまだいいのですが、苦手な人に会うと、その疲労度は大変なものです。会社員時代に比べたら、その頻度は劇的に減ってはいるのですが、ゼロになったわけではありません。
そして、「どうしよっかな〜……」と思いながら参加した会合では、確実に後悔が待ち受けていました。
人と会うことを「コインのやり取り」に例えて説明してくれた友人がいます。
外向的な人は、人と会うことでコインを集めることができます。そして、どんどん自分が満たされていく。なんとなく疲れたり元気が出なかったりする時に「人と会いたい」って思うタイプは、まさにコインを集められる人。コインがたっぷり集まると、元気に過ごすことができるようです。
そして、ボクのような内向タイプは、コインを渡す人。人に何かを提供しなくては、という意識の方が強くなりすぎて、結果的にどんどん枯渇してしまいます。たまになら鍛錬になるかもしれませんが、コインを渡す機会が恒常的に続くと、疲労を回復させる暇がなくなってしまいます。
そして、苦手な人がいる場に行ってしまうと、根こそぎコインは消えていきます。苦手な人というのは、本人にその意識がなくても、一気にこちらのコインを掴み取ってしまうのです。
ということで、人に会う機会は、ほどほどに調整していこうと思っています。
予定を入れすぎるのをやめる
人に会いすぎるのと合わせて、とにかく予定を詰め込みすぎないようにするのもボクのテーマです。「お忙しいところすいません」と言われた時には、必ず「暇ですよ〜」と答えるようにしています。
忙しいというのは時間のコントロールできてないということでもあり、「忙しいです」と言っている時点で、なんとなく雑に時間を使っているように思えてしまうので、自分なりのNGワードにしてあります。
とはいえ、ありがたいことに、ボクのカレンダーにはたくさんの予定が入っています。この原稿を書いている日も、朝から6つのミーティングがあり、音声メディア「Voicy」の収録があり、仕事がらみのチャットのやり取りが相当数あり、動画のチェックがあり、記事のレビューがありました。
そして、届いた郵便物の開封、会社の経費の精算や振込など、一人で会社をやっている以上は全部ボクがやらなくてはなりませんでした。それでも今日は合間で本を読んだり部屋を片付けたりボーッとしたりする時間を取ったりできました。まだ暇と言ってもいいでしょう(笑)。
「“忙”という字は“心を亡くす”という意味である」なんて言葉を聞いたことのある方も多いでしょう。
でもまぁ、これもなんとなく納得感はありますよね。忙しいと心の余裕がなくなり、人に優しくできなくなるし、自分がご機嫌でいられなくなります。予定を入れすぎるのをやめて、とにかく心にいつも余裕を持っていようと思います。
ということで、この記事を読んでくださった皆様も、いろんなことをどんどんやめて、ハッピーな2024年にしましょうね!
アイキャッチ制作:サンノ
編集:ノオト