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富山に資源循環を体感できる複合施設「トトン」 「捨てる」を「まわす」暮らし方を後押し

2022年10月1日(土)、富山市に資源循環に特化した複合施設「トトン」がオープンした。運営は、株式会社米三。

同社は創業174年となる老舗家具店。不要家具の処分も引き受けていたが、古くとも質の良い家具を再利用することを目的にオープン。単なる中古家具の販売にとどまらず、「捨てるをまわす、くらしをつくる」をコンセプトに、サステナブルなライフスタイルの提案とスペースの提供を行う。

「古い家具には良い材料が使われていることも多く、壊して捨ててしまうのでは忍びない。家具の回収・再生・販売を中心に、簡単にものを捨てずに再利用して暮らすことを文化にしていきたい。そのための場所として立ち上げました」と、同社常務取締役の増山武さんは話す。

同社は京都国際会館などを設計した建築家・大谷幸夫による富山問屋センター団地内にある。今回のオープンに際して、物流拠点である倉庫部分を改装。1・2階合わせて1,600㎡にも及ぶ広大な空間に、さまざまなスペースを設けた。

500㎡ほどのコワーキングフロアには、2タイプのオープンスペース、イベントスペース、打ち合わせスペース、集中スペース、個室ブースなど、用途に合わせて多様な席が用意されている。会員制のプランに加えて、ドロップインでも利用可能だ。

(提供写真)

リペア・DIYスペースでは、スタッフによるテーブル補修などのリペアサービスの提供とそれぞれで自由な制作ができる。材料の持ち込みはもちろん、トトンが回収した家具を解体した端材も利用可能。丸鋸、電気カンナ、インパクトドライバーなど、備え付けの機械はすべて使用でき、家具リペア専門のスタッフからのアドバイスも受けられる。不要な家具の引き取りも受付する。「初めて手に入れたスノーボードを持ち込んで、手元に残すために椅子を作りたいという方もいましたね」と増山さん。

(提供写真)

フォトスタジオも併設しており、DIYなどで作ったものを撮影することもできる。

環境に配慮した商品や端材をアップサイクルした製品を取り扱うサーキュラーショップや、富山の食文化から新たな価値を生み出すことをテーマとしたカフェも。魚津市の老舗料亭「濱多屋」のプロデュースで、地元食材をふんだんに使ったさまざまなメニューを提供している。

マテリアルギャラリーには、トトンのコンセプトに共感する、ものづくりに携わる地元企業からの素材が集まる。通常処分されることの多い残りパーツや変形した陶器、建具を作る際に出る端材、デスクの加工時に出る金属片など、素材の分野は多岐に渡っている。

(提供写真)

増山さんは、「今後、このような素材を求めるクリエイターやデザイナーと企業とのマッチングの場として機能していきたいです。捨てられるはずだったものに新しい価値を見出し、商品開発やオリジナルブランドの立ち上げに繋げていければ」と話した。

●トトン
・営業時間
コワーキングフロア:7:00~22:00(非会員は10:30~18:30)
DIYスペース:10:30~15:30
サーキュラーショップ・フォトスタジオ:10:30~18:00
カフェ:8:00~18:00
全館年末年始のみ定休
・住所:富山県富山市問屋町1丁目9-7
・URL:https://toton.style/

●料金(月額
・ドロップイン料金:2時間=1,000円、1日=2,000円
・入会費=10,000円、基本プラン=10,000円、基本プラン+リペア・DIY・フォトスタジオ使い放題=20,000円、学割プラン=4,000円、学割プラン+リペア・DIY・フォトスタジオ使い放題=14,000円
・オプション:毎朝朝食=5,000円
・DIY(要予約):2 時間=3,000 円、1 日(5 時間)=5,000 円 延長1 時間=1,000 円
・フォトスタジオ:一般1時間=2,000円、会員1時間=1,400円

●利用可能な設備・サービス
Wi-Fi、電源、コピー機、フリードリンク、貸しロッカー、DIYツール、ミニバン(リペア・DIY利用時・2時間無料)

編集:ノオト