名古屋大学に産学官連携拠点「TOIC NAGOYA」オープン 東海地域のイノベーション創出を加速する新施設
2024年5月29日(水)、名古屋大学内に新たな産学官連携拠点「TOIC NAGOYA」がオープンした。全国でコワーキングスペースやコミュニティの運営・企画を手がける株式会社ATOMicaが、名古屋大学の委託を受けて運営する。
TOICは「Tokai Open Innovation Complex」を略したもの。東海地域において、組織の枠を超えながら知識や技術を共有し、新たな価値を創造する「オープンイノベーション」を推進するべく名づけた。同じく東海国立大学機構の岐阜大学にある、同じコンセプトを持つ施設とも連携を図る。
同施設では、「起業支援」「共同研究」「産学交流」の3つのアプローチから、東海地域の課題解決を目指す。施設内にはそれら3つの活動が可能なエリアを設ける。
施設の1階には、イベント利用も可能なコワーキングエリアを設置。学内外問わず多様な人々が交流できるよう、机や椅子の配置に工夫を凝らしコミュニケーションが生まれやすい設計を施した。165インチ相当の巨大ディスプレイを設置し、最大80名程度を収容できるイベントスペースとしても機能する。地域性を重視し、愛知県産や岐阜県産の木材を使用した家具を配置する。
2階の西側半分は、1階に引き続き、コワーキングエリアとなっている。壁面に名古屋市の地図をモチーフにしたデザインを施し、「名古屋でオープンイノベーションを生み出す」という意気込みを表現した。
2階の東側半分は大学発ベンチャー企業向けのインキュベーションエリア。名古屋大学、岐阜大学に関連するベンチャー企業が活動する。
3階には産学官連携支援機関のオフィスエリアを設ける。
コワーキングエリアの利用者は、当初は名古屋大学の教職員や学生が中心だったが、会員制度や通信ネットワークの整備など外部の方々も利用しやすい環境を整えたことにより、徐々に企業や外部の個人利用者も増加している。大学の知見と外部のニーズを結びつける場としても機能し始めているという。
コミュニティマネージャーのATOMica・深川恭平さんは「多様な利用者が自由に交流できる場にしたいです。さまざまな出会いが、東海地域における新しいビジネスや技術につながることを期待しています」と語る。
名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部 企画・プロジェクト推進部門 リサーチアドミニストレーターの沖原理沙さんは「TOIC NAGOYAを通じて大学の研究成果を社会に還元したり、大学と企業が協力して地域の課題解決に取り組める環境を提供したりして、オープンイノベーションの好事例を創出していきたいです。そして、それが連鎖的に生まれる様なイノベーションエコシステムを構築していきたいですね」と今後の展望を述べた。
●TOIC NAGOYA
・営業時間:平日10:00~18:00
・住所:愛知県名古屋市千種区不老町
・URL:https://toic-n.aip.thers.ac.jp/
●料金
・非会員プラン:一般利用=日額1,200円 優待利用=日額600円
・一般会員プラン:個人利用=月額11,000円、法人利用=月額22,000円
・優待会員プラン:個人利用=月額6,000円、法人利用=月額12,000円
●利用可能な設備・サービス
Wi-Fi、電源、オンラインブース、ロッカー(有料)、会議室(有料)、登記(有料)
編集=ノオト