さいたま新都心にイノベーション創出拠点「渋沢MIX」　人や企業の出会いを生み出す空間の仕掛け

2025.12.15

プレイス

2025年7月25日（金）、さいたま新都心駅に直結するekismさいたま新都心5階にイノベーション創出拠点「渋沢MIX」がオープンした。

同施設は、埼玉県が主導する初のイノベーション創出拠点。オープンイノベーションの創出・支援、スタートアップの創出・成長支援、イノベーションを担う人材の育成の3つをコンセプトにしている。同県深谷市出身の実業家・渋沢栄一の精神を受け継ぎ、人や事業をミックスさせてイノベーションを創出させることを目指して「渋沢MIX」と名付けた。

「埼玉県の目指す“県内の強い経済基盤の構築”を目指してオープンした施設です。埼玉で事業を興したいと考える人々の支えとなる施設であることはもちろん、交流も重視するようにしています」と語るのは統括プロデューサーの若山さん。

出会いや繋がりを意識した空間デザインが特徴的。フロア内部を45度傾けた設計にすることで、多様な居場所と様々な出会いのシーンを創出している。

イベントスペースとコワーキングスペースの間に、物理的な壁を設けていないことも利用者の交流を促す演出の1つ。45度傾けた空間構成を生かし、音が壁に反射して減衰するため、音声はコワーキングスペースにはホワイトノイズのように聞こえ、作業者の仕事を妨げない。利用者はコワーキングにいながらイベントの様子を感じ取れるという。またイベントスペースは、通常はコワーキングスペースとしても利用できる。

チーフコミュニティマネージャーの星野さんによると、「人と人をつなぐ仕組み作りは運営で最も力を入れているポイント」。星野さんが13年以上に渡り埼玉県内でコワーキングスペースを運営してきた経験を活かし、利用者同士がマッチングできる仕組みを作っている。コミュニティマネージャーが常駐し、利用者の事業や利用目的を把握しながら運営しているという。さらに、共創コーディネーターやスタートアップアドバイザーもおり、事業のスケールアップに寄り添う。

会員登録をした利用者は、利用料金が無料。会員になれば、コストを気にせず足を運べることができる。