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モノが少ないと効率が上がる? 明日から活かせる時間管理術、ホームオフィスのはじめ方

他人の目を気にせず、自由な姿勢にできるメリット

ここからは、土橋さんと花田のクロストーク。土橋さんが紹介したホームオフィスのポイント、時間管理術について深掘りしていきます。

花田

まず働く場所について。今はいろんなコワーキングスペースがあり、土橋さんが使っていた頃とは少し様子が変わっているかもしれませんね。

実はコロナ禍でホームオフィスへ切り替えたときに、自宅近くのコワーキングスペースも調べました。

でも結局、必要性をあまり感じなかったんです。ちょっとベランダで休憩したり、散歩に行ったりするなど、自宅でもスイッチの切り替えができるようになったので。

あと、お客さんとの打ち合わせは先方へ伺うことにしました。事務所で働いていた頃は毎日移動していたのですが、ホームオフィスにしてから運動が減ってしまいました。その分のカロリーをどこかで消費しなければなりません。なので、「こちらから行きますよ」と。

土橋

花田

在宅ワークによる運動不足は、アンケート調査でも問題点として必ずといっていいほど出てきますね。あと姿勢の問題。仕事を始めると同じ姿勢で長時間過ごすことになってしまい、体が疲れてしまいます。

会社だと、ふんぞり返って資料を読んでいたらマズいですよね。

でも自宅ならリクライニングを調整して、自由な姿勢で読めます。完全に体をリラックスさせて、頭だけフル回転できる状態で原稿をチェックすると、はかどりますね。姿勢の変化による集中力のアップはあると思いますよ。

土橋

花田

他人の目を気にせず自由な姿勢にできる点は、ホームオフィスの利点ですね。

私は、「この仕事にはこのペン」と道具も使い分けています。持つものを変えると気分が切り替わるし、「さあ、やろう」となるかもしれません。

土橋

スケジュール管理はアナログか? デジタルか?

花田

時計式ToDo管理ふせん、私も使ってみました。ただ時間の見積もりが難しいですね。

そういう場合は、まず何をやるかメモ用紙にリストアップしてください。そこから所要時間を考えて、時計式ふせんに書き込みます。

いきなり時計に書こうとすると、「何をやるか」「どれくらい時間がかかるか」の2つを同時に考えなければならないので。

その仕事が大体どれくらいかかるかの見積もりは、次第に分かるようになっていきますよ。

土橋

花田

締め切りに追われることは、大きなストレスですよね。でも自分で早めにスケジュールを立てて進めるのは、かなり強い気持ちが必要なのでは?

最初はキツいかもしれません。でも、一旦締め切りから余裕があるスケジュールを立てられるようになると、その後の運用はとても楽になります。

土橋

花田

なるほど。「中途半端を許す」という話も、ハッと気づかされました。

「日を分けてやってみたら、案外良いのができたな」「自分が他人になるって、これなんだ」と実体験したんです。1人で他人の視点を設けるには、日を分けるしかありません。

土橋

花田

「今日中に終わらせよう」と、無理して働いている人も多いですよね。そこを見直して違うやり方を見つけられれば、自分なりの時間管理ができるかもしれません。

花田

スケジュール管理をアナログにするか? デジタルにするか? も意見が分かれるポイントだと思います。土橋さんがアナログにこだわる理由は?

私は1人で仕事をしているので、デジタルで誰かとスケジュールを共有する必要がありません。あと、パソコンとスケジュール帳が分離した状態で参照できるほうがいいな、と。

手書きとパソコンは、仕事の前工程と後工程で切り分けています。プロジェクトを始めるときって、最初はあやふやな状態ですよね。手書きは、不確かなものを表わせる良さがあります。構成ができたらデジタルで整えていく、そんな使い分けをしています。でもこれは、人生においてアナログ/デジタルをどう使ってきたか、経験の長さによって変わるかもしれません。

土橋

花田

アナログ/デジタルと同様、リアル/リモートも人によって仕事のしやすさの感覚が異なりますよね。お話を伺って、どのような環境や時間管理の仕方が合っているのか、在宅ワークが広く行われるようになることで、自らの働き方を考え直す機会が訪れていることを改めて感じました。ありがとうございました。

2022年4月取材

テキスト:村中貴士
写真:栃久保誠
編集:鬼頭佳代(ノオト)