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ダムの近くだとなぜか仕事がはかどる? ワークスタイル専門家・沢渡あまねさんが勧める「#ダム際ワーキング」とは

コワーキングスペースの活用やワーケーションなど、従来のオフィスだけに囚われず「自分に合った場所で働く」という選択肢が広がりつつあります。もう一歩踏み込むと、一般的な「仕事場」と呼ばれる場所以外にも、人の発想をクリエイティブにしてくれる環境があるかもしれません。

そんな中、ダムの近くで働く、#ダム際ワーキング を提唱する人がいます。それが、ワークスタイル&組織開発専門家の沢渡あまねさんです。ダム際で働く魅力と、「自分に合った」働く場所を見つけるヒントについて沢渡さんに聞きました。

沢渡あまね(さわたり・あまね)
作家/ワークスタイル&組織開発専門家。『組織変革Lab』主宰。あまねキャリア株式会社CEO/浜松ワークスタイルLab取締役/株式会社NOKIOO顧問/大手企業 人事部門顧問ほか。DX白書2023有識者委員。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。主な著書:『話が進む仕切り方』『新時代を生き抜く越境思考』『バリューサイクル・マネジメント』『どこでも成果を出す技術』『職場の問題地図』ほか。趣味はダムめぐり。

▼ #ダム際ワーキング
https://damworking.com/

ダムの近くで仕事をしたら、びっくりするほどはかどった

ダムの近くで働く」と聞いても、普段オフィスにいると、なかなかピンとこなかったので、お話を楽しみにしていました。

そもそも、沢渡さんご自身はどのようなお仕事をされているのでしょうか?

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沢渡

私はワークスタイルや組織開発に関する講演、企業のアドバイザー、作家として活動をしています。最近だと、働き方改革や組織開発、マネジメント変革の話が多いですね。

イノベーションを生みやすい組織や環境をどう作っていくか、企業組織における問題意識が高まっていると感じています。

ダムはもともとお好きだったんですか?

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沢渡

はい。社会人6年目の頃、たまたまドライブ中に立ち寄ったダムの美しさに魅了されて、そこから「ダムって良い場所だな」と興味を持ちました。

とはいえ、「ダムで仕事をしよう!」とはなかなか思わない気もするのですが……?

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沢渡

最初はそうですよね(笑)。 #ダム際ワーキングを思いついたのは2016年。ダムを好きになってから12年ほど経った頃です。

静岡県西部に拠点を置く企業との取引が増え始め、東京から車で行き来していました。その道すがら、ふと顔を見上げたら太田川ダムの案内看板を発見。せっかくなのでちょっと立ち寄ることにしたんです。

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沢渡

仕事の途中だったので、ダムに着いてからノートパソコンを開いて作業をはじめたんですが……、気がついたら周りが真っ暗になっていて。自分でも驚くほど、仕事がはかどったんです。

ダムの周りは静かで、携帯の電波も入りにくい。この時、「ダムって、仕事に集中する場所としてアリだな」と体感したんですね。

「ダム」と「働くこと」を掛け合わせてみたら、思いのほか良かった、と。

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沢渡

ダムって人の目に触れにくい施設で、普段の生活では意識されにくい。でも、実は水害対策で活躍したり、電力供給で生活を守ってくれたり、私たちの生活になくてはならない重要な役割を果たしています

ダムをもっと知ってもらうために、自分ができることは何なんだろう?と考えたときに、働く景色を変える文脈なら貢献できるかな、と。そこから、 #ダム際ワーキング という名前をつけて活動を始めました。

ダムのある地域が抱える課題と #ダム際ワーキング の思いが一致した

ダムって、公共的な場所というイメージが強くて……。そんなふうに仕事で使ってもいい場所なのでしょうか?

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沢渡

はい。地域に開放しているダムもあります。2022年に、国土交通省が「ハイブリッドダム」という取り組みを発表しました。一言でいうと、ダムを多目的に利用しようという考え方です。

国土交通省「ハイブリッドダム(仮称)の取組に関する サウンディング(官民対話)に参加する民間事業者等を募集します」より引用

こんな考え方があるんですね。

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沢渡

発電や治水だけではない、「地域振興を一体としたダムの多目的活用」のアイデア募集をしているくらいなんですよ。

#ダム際ワーキング も、このハイブリッドダムの理念と一致した活動であると考えます。2022年4月、静岡県榛原郡にある長島ダムの「長島ダムふれあい館」に、国土交通省および行政(川根本町)と協力して「#ダム際ワーキング スポット」を開設しました。

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こんなにちゃんと仕事ができそうなスペースが!

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沢渡

電源やWi-Fiはもちろん、外にはテラス席もあります。ちょっとしたパソコンでの作業はもちろん、読書にも最適ですよ。

もともと長島ダム周辺地域は紅葉がきれいで、その時期に温泉と紅葉狩りを楽しみに来る観光客が大きな収益源でした。

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沢渡

しかし、「秋の一時期にくる観光客だけを頼っていては、町の将来は明るくない」。地域行政(川根本町)はその問題意識も持っていました。

そんな「観光以外の関係人口を創出したい」という地域の課題と、 #ダム際ワーキング が良い形で一致したんです。

特に長島ダムは、もともと「地域に開かれたダム」というコンセプトがあり、関係者も意欲的に取り組んでくださいました。

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ダムの環境は、自己開示を促し学びを深める

沢渡

ほかにも、ダムを舞台にしたさまざまな企画が動き始めました。

例えば、2022年12月と2023年1月には静岡県浜松市にある佐久間ダムで「#ダム際ワーキング 越境学習ツアー」が行われました。

重力式コンクリートダムとしては国内第4位の高さを誇る佐久間ダム。2023年現在、日本を代表する大規模ダムの一つ。(提供写真)

沢渡

このイベントのテーマは「地域の新しい魅力を創出するツアー商品を考える」。

観光庁の事業で、静岡放送が主体となり企業の組織開発や人材開発、行政の地域活性に関わる方々を全国から佐久間ダムに集める取り組みです。地域の企業経営者や商工会などの方、地域の高校生なども加わりグループディスカッションし、学びを深めました。

ダムで学び……、ですか?

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沢渡

はい。越境学習とは「いつもの仕事場と違う環境を行き来することで、違和感を持ったり、学びを得たりしながら、成長するエネルギーへと変換していく」新たな学習方法です。組織力強化、生産性向上のほかWell-beingの文脈でも注目されています。

あえてダムでやるのはなぜなんでしょうか?

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沢渡

まず、何といっても普段と景色が変わるのが大きいですね。オフィスを離れて山奥のダムに行き、同じ目的を持った人が集まると、自己開示が起こりやすい。

いつもとは異なる景色を共有することによって、違う立場であっても相互理解が深まるんです。

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沢渡

また、今回のプログラムはキャリア教育の一環として、社会人だけではなく地域の高校生も参加してくれました。年齢も立場も違う人々が一緒にディスカッションすると、立場を超えた学びが起こりました。

大人たちも「教えてやろう」ではなく、キャリアや生き方を学ぶ高校生に刺激をうけ、フラットな気持ちで学びあう雰囲気が生まれた。(提供写真)

沢渡

景色が変わらないと、イノベーションは生まれにくいと私は考えます。

従来の統制管理型、ヒエラルキー型が強い組織構造や社会構造にプラスして、コロナ禍などによる行動制限が加わりました。私たち日本のビジネスパーソンは、フラットな関係性でオープンに対話しながら課題解決していく体験・経験を奪われてしまっているのではないでしょうか。

自分たちで問いを立て、興味関心や意欲がある人たちと繋がって、フラットな対話を重ねながら、答えを見いだしていく。今回のイベントは、そんな経験や能力を培っていく試みにもなりました。

制約条件がなければ、場所や環境にとらわれず働ける

ダムがこんなふうに活用されているとは全然知りませんでした!

リモートワークが広まって、働く場所の選択肢は多様化しています。他の場所と比べて、ダムの近くで働くことにはどんなメリットがあるのでしょうか?

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長島ダムから望む雄大な景色(提供写真)

沢渡

まずは、何もないから気が散らないことです。いわゆる観光地やレジャー施設で仕事しようとすると、どうしても遊びに出かけたくなってしまう。

ところがダムは、到着してしばらくは「雄大な景色だな」「巨大建造物すごいな」と思っても、10分もすれば飽きます(笑)。「じゃあ、本でも読むか」「仕事するか」となりやすい。疲れて顔をあげると、そこには非日常的な癒しの空間と時間がありリフレッシュできる。このリズムが心地よいです。

誘惑がないから逆に働きやすい、と。

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沢渡

チームでダムに来ると、景色の変化が後押しして良いチームビルディングがおこります。いわゆる、同じ釜の飯を食う経験が短時間でできて、思い出に残りますよね。

皆さんは東京のオフィスで、スーツ&ネクタイやパンプス姿の人たち同士で会話した内容をどれだけ覚えているでしょうか? ところが、 #ダム際ワーキング をすると、「和歌山の○○ダムで会話した××について」など、景色の記憶と相まってお互い思い出しやすくなるんです。

反対に、#ダム際ワーキング に適さない仕事はありますか?

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沢渡

例えば、プリンターや生産機器など設備を使わないといけない業務は難しいですよね……。逆に言えば、DXをして設備の制約条件をなくせれば、場所や環境にとらわれずに働けるようになります。

#ダム際ワーキング は、自分たちを縛っている制約に気づくチャンスを与えてくれると思います。

食事や温泉も楽しめる! 初心者におすすめのダム5選

仕事をする場所としてのダムの魅力がわかってきました! 今後、 #ダム際ワーキング をやってみたい初心者におすすめの場所を教えて下さい。

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沢渡

せっかくなので、いろいろなエリアに分けて5カ所を紹介します。

1.定山渓ダム(北海道札幌市)

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定山渓温泉から徒歩1.5キロくらい。札幌駅や大通から直行のバスも出ています。札幌出張のついでや、札幌市内で働いている方が景色を変えたいときにもぴったり。近くにはピザとジェラートがおいしいカフェもあります。

2.浦山ダム(埼玉県秩父市)

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秩父鉄道の浦山口駅から2キロぐらいの場所にあり、秩父観光のついでにアクセスしやすいダムです。

ここも地域に開かれたダムで、ダムの内部を見学できたり、ダム湖を眺めるレストランで食事を楽しめたりします。ダムカレーもおいしいですよ。

3.長島ダム(静岡県川根本町)

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先ほども紹介しましたが、 #ダム際ワーキング スポットがあり、Wi-Fiも利用可能なダムです。研修室があり、事前申し込みによりチームでの研修会もできます。2022年秋には静岡県社労士会による研修会も行われました。

ちょっと山奥ではあるものの、大井川鐵道・長島ダム駅から徒歩でも行けますよ。近隣には温泉施設が充実していて、ダムのすぐ下にはオートキャンプ場もあり、ゆっくり過ごすことができます。キャンプの行き帰りにちょっと立ち寄ってひと仕事、なんて行動も可能です。

ダムは山にあるから、温泉が近いところも多いんですね。ダム際で仕事をして、帰りに温泉に入って帰る……なんていうのも良さそうです!

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4.羽布ダム(愛知県豊田市)

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沢渡

ここはダムの上部の近くに観光センターがあり、机と椅子を備えたスペースもあります。気晴らしに行って本を読んだり仕事したりするのにおすすめです。

ダムの下には食事やアイスクリームを食べられる場所があります。ドッグランを備えた広場もあるので、ペットを連れていくのもいいですね。

5.野洲川ダム・青土ダム(滋賀県甲賀市)

野洲川(やすがわ)ダム(提供写真)
青土ダム(提供写真)

沢渡

この2つのダムは近いので、セットで紹介します。私は野洲川ダムを「関西のナイアガラ」と勝手に呼んでいて(笑)。なかなか壮観ですよ。

青土ダムは、水を取り込む取水口が特殊な形をしていて非常に綺麗です。すぐ近くに温泉旅館があって、美味しいピザが食べられる食事処もあります。

今回ご紹介した5つのダムはすべて、近くにレストハウスや広場があります。共通点は、食事がおいしいことです。

ルーで貯水池、ライスでダムを表現した「ダムカレー」。全国各地で個性的なメニューが登場し、愛好家も登場している。(提供写真)

おいしいご飯は、仕事のモチベーションとして、すごく大事ですね。

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仕事を4つに分類して、自分なりの「勝ちパターン」を探そう

観光地やリゾート地など、普段のオフィスとは離れた場所で働く「ワーケーション」への注目が高まっていますよね。

沢渡さんは、職場以外の場所で働く際に気をつけていることはありますか?

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沢渡

ポイントは2つあります。まずは、合わない人に無理にやらせるものではないということ。観光地にいると気が散ってしまい、仕事がはかどらない人もいるでしょう。一方で、違う環境だからこそ成果が出せる人もいます。

なるほど。

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沢渡

もう1つは、情報セキュリティや労務管理の問題。もし不安があるのであれば、セキュアな場所を借りて、まずグループでやってみてください。

チームで一緒に出かければ、サボる/サボらないの議論は起きないですし、情報漏洩事故や長時間労働なども防ぎやすいですから。

会社のチームでグループワークをすれば、いいアイデアが生まれるかもしれませんね。

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和歌山県日高郡みなべ町にある島ノ瀬ダム。湖面のグリーンが美しい。(提供写真)

沢渡

研修や越境学習など、普段のオフィスではできないことをやってみるのも良いですよね。

沢渡さんにとってダムがベストな仕事場だったのと同じように、オフィスや自宅以外で「自分に合う」働く場所を見つけるコツはありますか?

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沢渡

まず、自分がやっている仕事を下記の4つに分類してみましょう。

1. 作業集中……執筆や事務作業
2. 発想・構想……新しい企画やイベントを考える
3. チーム連携……チームビルディング、プロジェクトのキックオフミーティングなど
4. リフレッシュ……生産性や集中力、構想力を高めるエネルギー源として

リフレッシュも仕事に含まれるんですね。

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沢渡

人の集中力には限界があります。加えて、ずっと同じ場所で仕事をしていると新しい発想が生まれにくいです。脳科学の研究でもそれが証明されているのですよ。

大事なのは、この4種類の活動それぞれに対して、どのような環境が合っているのか、悪気なく非効率な場所や環境で仕事していないか、実践しながら最適な働き方を選択していくことです。

まず今の仕事を棚卸して、分類してから探していく、と。

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沢渡

例えば、自分にとっての思考のゴールデンタイムが午前中で、本当は発想がはかどるはずなのに、事務作業に使ってしまった。午後に発想・構想の仕事をやろうと思ったら、周りがざわついて集中できない。

これは非常にもったいないですよね。悪気なく「負けパターン」で仕事してしまっている。

午前中に発想・構想の仕事をやるべきだった、と。仕事の内容と、はかどる時間帯・場所を一緒に振り返ることが大事なんですね。

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沢渡

仕事の分離ができていないと、時間帯のミスマッチが起きます。場所も同じ。

一人ひとりが「ゴールデンタイム&プレイス」を把握して能力を高めていけば、組織としてのパフォーマンスも最大化できるはずです。

場所を見直すだけで、いろんな発見がありそうです。

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沢渡

僕の場合、気が進まない仕事こそ #ダム際ワーキング でやることもあります。「事務作業は苦手だけど、せめて大好きなダムを見ながらやるか」と。そうすると、まんざらでもなくなるんですよね。

もし多様な働き方が認められている職場なら、試す価値があると思っていて。例えば、「私が誰もやりたがらない面倒な仕事を引き受けます。その代わりワーケーションでやらせてください!」と要望してみる、とか。これを私は「その代わりワーケーション」と呼んでいます。

それは新しい選択肢ですね。

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沢渡

もちろんこれも、人によって合う/合わないはあります。働く時間も場所も、自分なりの「勝ちパターン」を見極めることが大事ですね。

また、2023年1月に実施した「#ダム際ワーキング 越境学習ツアーat 浜松・佐久間ダム」では参加者を対象にした調査も行いました。

その結果、参加前と比べて、参加中は仕事のパフォーマンスの自己評価は18%、自己効力感は17.7%、ポジティブな感情は21.7%高まり、反対に不安感は34.4%・イライラ感は56%、抑うつ感は46.7%、ネガティブな感情は42.4%減ったんです。

このように #ダム際ワーキング の効果はデータでもわかってきました。ぜひ、働く場所の選択肢の一つにしてみてください。

提供写真

2022年12月取材

取材・執筆=村中貴士
編集=鬼頭佳代/ノオト