オカムラ社員が共創活動に挑戦! 価値創造の一歩を踏み出すWORK MILL実践型教育プログラム「共創アンバサダー」発表会
2015年の発足から10年以上、共創活動を積み重ねてきたWORK MILL。その知見を全社的な力へと変えるべく始動したのが、実践型教育プログラム「共創アンバサダー」です。
これは共創を理論と実践の両面から学び、得た知見を自らの業務に活かしながら、価値創造の一歩を踏み出す「共創人材」を育成するもの。第1期となる2025年度は、株式会社オカムラの中で部署や職種の垣根を越えて12人の社員が自ら手を挙げて参加しました。
そして2026年3月23日(月)、半年間の集大成となる「共創アンバサダー取り組み発表会」が開催されました。通常業務の傍ら、いかにして共創を武器に変え、自分たちの仕事に還元しようと試行錯誤したのでしょうか?
熱気あふれるプレゼンを行った12名の共創アンバサダーの中から、象徴的な5名のプロジェクトをピックアップし、発表会の模様をお届けします。
共創を「全社員の武器」に。WORK MILL実践型教育プログラム「共創アンバサダー」とは
発表に先立ち、本プログラムの事務局を務め、WORK MILLの共創ディレクターして共創活動を推進してきた岡本栄理が施策の背景や目的を説明します。

岡本
オカムラでは2015年に「どうはたらくか、どう生きるか」視界を広げる、メディア&場づくり集団である「WORK MILL」を立ち上げ、共創に取り組んできました。
主な活動は2つです。1つは「働く」に関する知見を発信する「メディア」。もう1つは、各拠点に構える共創空間でのステークホルダーとの共創活動を通じた「場づくり」です。
今回のアンバサダーの皆さんも、最後のアウトプットはこのメディアか場づくりのいずれかの手段に落とし込む形で実行していただきました。


岡本
共創を全社へ広げるプログラムが発足した背景には、私たちの背中を押してくれる2つの要素が整ったことがあります。
1つは、株式会社オカムラの社員である庵原悠の著書『ゼロからの共創』出版によって、これまで経験による暗黙知として蓄積されていた共創プロセスが明確に言語化・体系化されたこと。
2つ目は、オカムラとして、「共創をビジネススキルとして活かせる人材を増やしていこう」「共創文化を日本に広めていこう」というように、「共創」の重要性や機運が社内でも高まってきたということです。
それらを踏まえ、今回のプログラムでは次の3つを目的として設定しました。
・価値創造:共創を理解し、新たな価値を生み出すことができるようになる
・提案力強化:共創活動で得た知見を、自社の業務に還元できるようになる(共創を武器にする)
・リスキリング:価値創造や提案力強化に必要な、ビジネススキル(企画力、対人関係構築力、人的ネットワーク、情報感度、ファシリテーション力、ビジネス理解力など)を共創の現場で磨く


岡本
半年間にわたり、書籍『ゼロからの共創』の著者である庵原悠をはじめとした4名のWORK MILLメンバーと一緒に、理論と実践を行き来しながら、それぞれのプロジェクトを全力で走り抜けてきました。
いよいよ、その集大成の発表です。皆さん頑張ってください!

「みんな違う」を当たり前に。ニューロダイバーシティで描く働き方
選ばれた最初の発表者は、ワークデザインコンサルティング部の後藤真由美さん! 普段はコンサルタントとして、お客様の働き方調査や理想のオフィス方針の策定に携わっています。
「『働く』を空間側からサポートしたい」という想いを持つ彼女が、今回のプロジェクトを通じてたどり着いたテーマは「ニューロダイバーシティ(神経多様性)」でした。


後藤
お客様の働く環境に向き合う中で、最適な環境は会社や個人によって全く異なることを痛感してきました。
心身ともに健やかに働くためには、一律の提案ではなく、個々の特性を尊重したアプローチが必要なのではないか。
そう模索していた際、この企画の出発点となるニューロダイバーシティという概念に出会いました。


後藤
ニューロダイバーシティの考え方では、多数派や平均という枠組みを取り払い、「みんな違うのが当たり前」という前提に立っています。人的資本やダイバーシティ経営が重視される今、個々の特性を尊重したオフィスづくりは不可欠です。
そこで、2026年3月6日(金)に大阪の共創空間Open Innovation Biotope “bee”にて、専門家を交えたワークショップを開催しました。


後藤
イベントを通してわかったのは、設計意図をいい意味で裏切る、自由な使い方をユーザー自身が生み出すことがあるということです。
たとえば、私たちが交流用として提案しているオープンな場所を「集中するために使いたい」という意見があったり、逆に集中用のブースを「リフレッシュに使いたい」という声があったり。人それぞれの感覚がいかに多様であるかを改めて実感しました。


後藤
「ニューロダイバーシティ」はまだ新しい概念ですが、今後確実に重要になると確信しています。
近い将来、ニューロダイバーシティの概念を取り入れた新しいオフィスの提案ができるよう、活動を続けていきたいです!
女性営業のキャリアを前向きに。ライフイベントと両立できる環境づくりの第一歩
続く発表者は、営業としてさまざまな大手クライアントを担当する高島加舎さん。この春で入社5年目になります。
起点になったのは、忙しく働く中で自身の未来のキャリアに対して感じていたモヤモヤでした。


高島
現在、営業としてフルパワーで毎日働いています。けれど、「将来、営業を続けられるのか……」「子どもが寝た後に夜遅くまでパソコンを開くような生活になったらどうしよう」といった不安がありました。
また、過去に社内で実施したアンケートで『営業を続けたいができないと思っている』女性営業が37%もいた結果を見て、この状況が良くなるのを待っているだけでいいのかと疑問を抱きました。


高島
そこで、女性の営業職を対象に、これからの営業キャリアを少し前向きに捉え直すことをテーマとしたイベントを、2026年2月に商環境事業部の共創空間「やっちゃば」で実施しました。
キャリアラウンドテーブル「女性の営業、今後どうする?」と題し、先輩社員によるクロストークやグループトークを行い、参加者がキャリアについて語り合える場を整えました。


高島
アットホームな空間だったこともあり、時間が足りなくなるほど盛り上がりました。参加者からは『先輩のキャリアプランを聞いて不安が少し解消され、前向きになれた』といった声が寄せられました。
このプロジェクトを通じて、実際に、他部署で同じように女性営業の働き方を考えるコミュニティを運営している方とも知り合うことができ、「人と繋がる面白さ」にも気づきました。


高島
営業はライフイベントとの両立が難しくなりやすい職種だと思っています。だからこそ、今後は社外の営業の事例なども知ってみて、何か変えられるところがあるのかどうかも考えてみたいです。
私の目標は、全員が働きやすい環境を作っていくこと。他部署のコミュニティなどとも協力してこれからもイベントを続けながら、男女問わず全員が前向きに営業のキャリアを考えられる会社にしていけたらいいなと思っています。
社内全体を繋ぐ「オカムラっていいやん」
続いて、発表者は中央支店で営業を務める中山裕士さん。営業歴18年のベテランであり、労働組合の支部長や大阪・関西万博での演劇パフォーマンスを披露する「ザ・オカムラ座」での活動など社内でもさまざまな顔を持っています。
「みんな仲良く笑顔で」を根幹に置く彼が挑んだのは、社内全工程に繋がりを作ろうという組織の壁を越えた壮大なプロジェクトでした。


中山
私はこれまで労働組合で工場の現場で悩みを聞いたり、大阪万博でのザ・オカムラ座で演劇を1からみんなで作り上げたり、偶然にも部署を越えた繋がりを得る機会がありました。
そんな経験を経て初めて「オカムラっていいやん!」と心から思えるようになりました。しかし同時に、「他の多くの社員はこの実感をまだ持てていないのではないか?」とも感じたんです。
業務で関わらない人や仕事については、詳しく知らない人も意外と多いはず。繋がりから生まれるワクワクを自分だけのものにせず、全社に広げたいと考えたのがプロジェクトの始まりです。


中山
部署の垣根を超えて繋がることは、単に業務がスムーズになるだけでなく、社員のエンゲージメント向上に直結します。
営業・設計・工場。製販全体が一貫した「働くモデルケース」となり、社内共創を、熱量を持って行うこと。その姿を社外へ発信していけば、オカムラのアイデンティティを確立し、世の中をリードする力になると確信しています。


中山
今回は、株式会社オカムラの追浜事業所で意見交換会を開催しました。あえて普段の工場見学とは視点を変え、現場で働く人や休憩の様子にフォーカスして見学。
その後の意見交換会では、工場側から「お客様の顔が見えない」や「納期に追われ余裕がなくなってしまう」といったリアルな本音も飛び出しました。
製販の垣根を越えて、共に工場の働き方について議論することで、さまざまなアイディアの種が生まれました。


中山
この取り組みを通じて、一回限りではなくプロジェクト化して繋がり続けることの大切さを感じました。
たとえば、関西で行われているオープンファクトリー「こーばへ行こう!」のように、工場と販売が繋がる積み重ねの先に、新しい価値が生まれる気配を感じています。
社内調整に頭を抱えるのではなく、誰もが軽やかに繋がれる環境を作ること。社内の熱い共創から生まれた価値を、オカムラの「ウィデンティティ(Wedentity)」として世の中に力強く発信していきたいです!
フラットに繋がるデザイナーコミュニティ
続いての発表者は、スペースデザイン部のデザイナー・山下桃奈さん。
社内外の若手デザイナーが分野を超えて交流するコミュニティイベント「Designer’s Blend(デザイナーズブレンド)」を開催しました。


山下
きっかけは、日々の業務の中で「自分の周りに同世代の空間デザイナーがあまりいない」や「他社のデザイナーはどんな視点で空間を考えているのだろう?」と感じたことです。
これまでもイベントでは、著名人の話を一方的に聞くセミナー形式がほとんど。そうではなく、もっとラフにお互いに相談し合ったり、仲間を増やしたりできる場所を作りたい。
「デザイナーをブレンドする」というコンセプトで、空間に携わるクリエイターが分野を超えて繋がれるフラットな場を目指して突き進みました。


山下
運営では、とにかくフラットな場にすることにこだわりました。
募集の段階では、あえてスペースデザイナーに限定せず、空間に携わる10年目までのデザイナーと幅広く設定し、同様の悩みを抱えている若手が参加しやすい入口を意識。
また、信頼できる繋がりをつくり、人脈で繋がりを広げるため完全紹介制にしました。
その結果、16社33名の申込が集まり、当日の参加率は100%。驚きましたが、とても嬉しかったです!


山下
当日の運営で一番ユニークだったのは、最初の自己紹介で会社名を秘密にしたことです。肩書きを外して、一人のクリエイターとして向き合えるようにしました。
ワークショップでは、各自が撮ったショールーム内の写真を通して視点の違いをチーム内で共有するという内容を行いました。


山下
参加者の方からは「名刺を出す前にフラットに話せたのが新鮮だった!」や「同世代の頑張りに刺激を受けた」といった、すごくポジティブな反響をいただきました。
今後は、オンラインコミュニティの構築やイベントのシリーズ化を計画しています。
最終的な理想は、ここでの繋がりがコンペでの協業や、気軽な業務相談に発展すること。そして、生まれた案件をみんなで見学に行けるような関係を築いていきたいです。
北海道で「共創」を開拓する。広がる「オカムラファン」の輪
最後に紹介するのは、札幌支店で営業を担当する土井航大さんです。
学生時代に培ったコミュニティ運営の経験を活かし、北海道における共創活動の旗振り役として名乗りを上げました。


土井
学生時代、世界中の学生が集まる大学で国際交流コミュニティを自ら作り、運営してきました。
イベントを通じて人と繋がり、知見や価値観が広がる瞬間のワクワク。それをオカムラが取り組む共創活動にも感じ、今回のプログラムに参加しました。


土井
今回は、本をひらいて「働く」自分を見つめ直そうという社外イベントを開催しました。
初めてイベントを開催する上で、WORK MILLで過去に取材をしており、考え方に共感した札幌市図書・情報館に一緒にイベントをやりたいと連絡を取り、開催実現に至りました。
当日は「働く×本」をテーマに、実際に本を読みながら自分の働き方を捉え直すワークを行い、幅広い年代・多様な職種の方々に集まっていただくことができました。


土井
個人的にも、「準備から当日までずっと楽しかった」というのが正直な感想です。
特にフリーランスコミュニティーマネージャーの中野智文さんから、最初からサポートをしてもらい、改めて事前準備の重要性や司会の仕方やイベントの進め方など1から学んだ経験も、私にとって大きな勉強になりました。
オカムラを初めて知ったと話す参加者も多く、「また参加したい」という声が続出したのが何より嬉しかったです。
また、司書の方が「次はうちの図書館で第2回をやりたい」、参加企業の方から「一緒に何かやりたい」という熱い反応をいただいたりしています。


土井
北海道では、まだまだ共創活動が浸透していないというのが現状です。私の最終目標は、北海道に「イキイキと働く人」を増やす場を生み出し続けることと「オカムラのファン」を増やすこと。
今回のイベントは、その第一歩にすぎません。皆様と力を合わせ、北海道に共創の文化を力強く開拓していきたいです!
ここからが本当のスタート。オカムラを動かす「共創人材・第1期生」への期待
プレゼン後には、同席した上司や伴走をしたWORK MILLメンバーからも、温かいエールが飛び交いました。
文字数の関係で、全員は紹介できないのが悔やまれますが、本当に熱気の入ったプロジェクトばかり!
【参加者一覧(五十音順)】
・池邉 紗葉(日比谷支店)『共創でひも解く、デザインセンターによるオフィスづくりへの参画』
・乾 亜里沙(パブリック推進部)
『会議やイベントの場における「記録」の課題と可能性検討』
・加藤 健太郎(中央支店)
『大学生へのアプローチを通じた共創文化の発信・浸透』
・唐澤 菜々子(赤坂支店)
『総務・管理担当者同士のフラットなコミュニティづくり』
・後藤 真由美(ワークデザインコンサルティング部)
『ニューロダイバーシティを取り入れたオフィスづくり』
・高島加舎(公共ビジネス推進部)
『女性営業が前向きにキャリアを継続できるようにするための、対話と共感の場の創出』
・高橋実里(地方創生ビジネス推進部)
『自治体へのオカムラ流共創プロセスの浸透と実践』
・土井航大(札幌支店)
『札幌拠点を共創空間として活用するための施策検討』
・徳富 愛佳(中央支店)
『日本の林業を支える、国産材を活用した新たな提案づくり』
・松井 若奈(ICTソリューション推進部)
『「ICTが苦手な人」も含むICTツール活用推進』
・山下 桃奈(スペースデザイン部)
『業界を超えた若手空間デザイナー同士の繋がり創出』

最後には本プログラムの発起人の1人である宮野玖瑠実からの一言も。

宮野
最初は12人のプロジェクトが形になるか不安もありましたが、皆さんが本業と調整しながら強い想いで走り抜けてくれたことに、心から感謝しています。


宮野
皆さんはオカムラにおける『共創人材・第1期生』です。これで終わりではなく、ここからが本当のスタート。
皆さんが卒業生として、これから社内に増えていく仲間の先頭に立ち、多様な形で関わり続けてくれることを期待しています!

2026年3月取材
取材・執筆=西村重樹
撮影=栃久保誠
編集=鬼頭佳代/ノオト


