オフィスに行きたい理由はコミュニケーション - 各企業のコミュニケーションの場のカタチ
昨今テレワークが拡がり、オフィス以外での働く場所は広がっています。あなたは、どのようなオフィスがあると、自社のオフィスに「行きたい」と思いますか?
柔軟な働き方が浸透し、ワーカーの働く場所は多様になってきています。それに伴い、オフィスも働く場のひとつとして、とらえられるようになってきています。では、どのようなオフィスがあればワーカーはオフィスに「行きたい」と思うのでしょうか。
オフィスに「行きたい」と感じる理由や「行きたい」と感じるための環境要因について調べた調査※によると、オフィスに「行きたい」と感じる理由についてはコミュニケーションに関する項目(会う方が早く・確実、細かな表情や感じ方まで理解できる、会って相談したい)が多く挙がっています(下図)。
※日本で働く会社員515名(正社員かつ週1日以上自拠点のオフィスで働く機会があり、20名以上の人がオフィスに在籍していることかつ自社の他拠点、または社外の環境で働く機会があることを満たした)を対象にアンケート調査を実施した結果
WORK MILLでは様々な企業のオフィスを取材してきました。この記事では、オフィスに様々なコミュニケーションに関する場を設けている事例をピックアップして紹介します。
ユニリーバ
オフィスを「イノベーションを生み出す場所」として定義。“つながる・めぐるワークプレイス”をテーマに、4つのフロアのそれぞれに「Connect」「Collaborate」「Charge」「Concentrate」というコンセプトを持たせ、他の人の意見をもらいたいなと思ったら「Collaborate」エリアに行くと、コミュニケーションがとれそうです。
ファミリア
オフィスが変わることでコミュニケーションが変わると考え、個室やクローズドな空間はなるべく少なくし、風通しや陽当たりが良くて、シンプルな構造に。オフィスの壁がなくなり、組織にも壁がなくなることで、仕事の効率が上がって、コミュニケーションも活発になったそうです。
タイミー
「オフィスは余白になる」という考えから、コロナ禍にオフィスの面積を4倍に。その人が仕事に取り組む姿勢や、仕事をすることで周りの人たちを巻き込んで結果的に全体の生産性が上がるという部分がイノベーションの源泉だと考え、同じ空間にいるからこそ部署を飛び越えたコミュニケーションの活性化を目指しています。
パーカーズ
「自分たちが過ごしたいと思える“室内の公園”の体現」を目指し、大きく3つのゾーンより構成されているオフィス。その1つに「Indoor Park(インドアパーク)」というコミュニケーションの活発化を視野に入れた空間を設置。心地よくオープンマインドで話せるような場にするために、4枚のトチノキを自然の形状を活かして組み合わせた大テーブルを創られています。
中西金属工業株式会社
「社員と社内外の人たちが交わる場所」という定義でCROSS PARKという場を設置。訪れるだけでこれまで職場で出会ってきた従業員の顔ぶれから大きく変わっていたり、社内にはどんな社員がいて、どんなことに取り組んでいるのか、無意識的に目に入る。それが自然と刺激になっているようです。
2021年4月21日更新
【参考】
・谷口美虎人,森田舞,正木郁太郎「「行きたい」オフィスに関する研究」, 日本オフィス学会,第21回大会,2020