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きっかけも目的も課題意識もバラバラなのに「一つ」になれる ― 100人カイギの不思議な力

「100人カイギ」は、2016年1月に港区でスタートして以来、渋谷区、相模原と少しずつ他地域に広がり、2019年には新たに12の地域ではじまろうとしています。「毎月5人が登壇して、自分の仕事や活動について語る」以外には「特に決まりのない」イベントの魅力は、一体どこにあるのでしょうか。

 発起人の高嶋大介さんにその運営術などを伺った前編に続き、後編では、実際に各地域で100人カイギを運営するメンバーを交えて、語ってもらいます。

イベントの「プロ」も「素人」も気軽にはじめられる 

WORK MILL:皆さんが100人カイギをはじめたきっかけは?

金川暢宏さん(以下、金川):2017年の8月にたまたま高嶋さんとイベントで隣になって名刺交換して、改めて会社に来てもらったとき、「実は、渋谷区で100人カイギをやろうとしていて、メンバーを探している」という話になったんです。で、その場で「やります」と即答して。

―金川暢宏(かながわ・のぶひろ) 渋谷区100人カイギ
早稲田大学大学院(建築学)修了後、大手通信会社に入社し、新規事業開発を担当。携帯電話の商品企画部門、オープンイノベーション担当、企業内スタートアップ立ち上げ、子会社ベンチャーキャピタルへの出向を経て、現在、社内新規事業プログラムのアクセラレーター、新規ビジネス創出・人材開発を通して、イノベーションを産むためのエコシステム作りに取り組む。

高嶋大介さん(以下、高嶋):そうそう。本当は、柳川さんと会う約束をしていて、その前の時間に時間があったので金川さんにも会いに行こうと思って連絡したんですよね。その日は別の話をしてたんですが、帰りがけに「考えているんだけど、やる?」くらいのノリで、お誘いしたのを覚えています(笑)。

―高嶋大介(たかしま・だいすけ) 一般社団法人INTO THE FABRIC 代表理事 100人カイギfounder / 見届人
富士通株式会社 ブランド・デザイン戦略統括部 デザインシンカー
2005年富士通入社。企業のワークスタイル変革や自治体の将来ビジョン、地方創生のデザインコンサルティング、デザイン思考をベースとした人材育成などに従事。共創の場であるHAB-YUを軸に人と地域とビジネスをつなげる活動を実践する。

柳川雄飛さん(以下、柳川):ですよね。結局僕も参加することになったけど。

―柳川雄飛(やながわ・ゆうひ) 渋谷区100人カイギ 株式会社ロフトワーク プロデューサー
神奈川県出身。2014年に株式会社ロフトワークに入社。 企業や大学、地域などをフィールドに、課題設定とコミュニケーション戦略の立案、学びのプログラムを通じた組織イノベーション、新規事業創出支援、空間プロデュースやブランディングなど複合的・立体的なプロジェクト設計を行う。クリエイティビティを引き出すための仕組みと自創するチームづくりをミッションに活動している。

金川:学生時代に建築専攻だったこともあって、いつかまちづくりに関わりたいという思いはあって、建築時代の友人と、鎌倉で「まち」や「場」に関わる勉強会を作ったりしていたんです。新規事業創出やスタートアップとの共創に取り組んでいて渋谷にイノベーション創出の実験場のようなサテライトオフィスを作って、新しい価値を生み出す人が集まる環境を育んでいました。が、もっと広く可能性を追求できたらと思っていたところだったので、あ、面白そうだな、と。良いタイミングだったんですよね。

柳川:僕は高嶋さんに誘われて、港区100人カイギの最終回に参加したんですけど、登壇者同士の関係性が生まれているのがすごく良くわかったんですね。ここがゴールになるんだ、と思えたから、僕も「やります」と、即答でした。

山口若葉さん(以下、山口):私は今、「Nagatacho GRiD」というコミュニティビルの管理・運営者を務めているんですけど、GRiDに入居していたメンバーが100人カイギを教えてくれて。他にも100人カイギを知っていた人たちと一緒に、六本木の回へ行ってみたんです。

今、千代田区の運営メンバーは9人なんですけど、そのうち6人が参加して、「うわ、すごいじゃん! やろうやろう!」って、帰りの飲み会で盛り上がって。みんな参加する前からやるつもりではあったみたいなんですけど、私もその話に乗った、って感じですね。

―山口若葉(やまぐち・わかば) 千代田区100人カイギ 株式会社ガイアックス Nagatacho GRiD運営者/フリーエディター
学生時代に学芸員資格取得後、アメリカへ留学し、ギャラリーインターン、大学で学芸員学課程修了。ITベンチャーにてテクニカルアドバイザーとして従事。現在はブランドメイクやイベント企画、コミュニティサポートを行っている。

渋谷洋平さん(以下、渋谷):僕は普段、不動産賃貸業を営んでいるんですけど、これまでは他の不動産会社と変わらず、比較的閉じた範囲内で仕事をしていたんです。けれどもこれからの時代、差別化とか付加価値を踏まえて、ソフト面も考えていかなければ、ということで、少しずつイベントをするようになったんです。マンションの床張りワークショップとか、畑で食事会とか。

その様子をFacebookに投稿していたところ、知人の知人経由で「こういうイベントがあるよ」と紹介してもらったのが、100人カイギでした。その方とのちにさがみはら100人カイギをはじめることになるのですが、その方は港区100人カイギの登壇者だったんです。

―渋谷洋平(しぶや・ようへい) さがみはら100人カイギ 有限会社ミフミ
相模原市で代々曳家業を営む家の長男として生まれる。 大学卒業後、印刷会社に勤務。 現在は曳家業から移行した不動産賃貸業に従事している。 渋谷兄弟の兄。

堀下恭平さん(以下、堀下):僕は行政コンサルティングと、場づくりというか、コワーキングスペースとシェアオフィスをいくつか運営してるんですけど、イベントもかなりの回数やっていて、年間350回くらいのイベント企画運営に携わっているんです。2、3人程度の対談から1万人規模のものもあって、本当にさまざまなんですけど、「終わりがない」って結構、しんどいこともあって。

―堀下恭平(ほりした・きょうへい) つくば100人カイギ 株式会社しびっくぱわー 代表取締役/合同会社for here 共同代表
熊本県熊本市出身。筑波大学在学中からフリーランスの行政コンサルタントとして活動し、2014年にしびっくぱわー、2018年に合同会社for hereを創業。行政コンサルティングとコワーキングスペースの運営を手がける。

金川:あー、わかる。終わりって大切。

柳川:大事大事。

堀下:あれっ、共感の嵐(笑)。そう、結局終わりがないと、自分がやり続けなきゃいけないんですよね。だから、「100人で終わる」ってすごく面白いなと思って。100人カイギに参加したことはなかったんですけど、「はい! つくばでもやりたいです!」って手を挙げたんです。フォーマットがしっかり設計されているので、行ったことがなかった僕でもはじめられるし、他の人にも伝えやすいんですよね。

渋谷:僕たちは逆にこれまであまりイベント経験がなくて、何も知らなかったから一歩踏み出せたのかもしれません。「こんな感じでいいのかな」と、探り探りですが。

柳川:ある意味「コミュニティイベント」っぽくないのがいいんですよね。なんか、パッションが全面に出て、100人が集まってワイワイやる感じなのは、苦手なんですよ。

高嶋:わかる。僕もさっきそう言ったもん。「名刺交換が苦手」って(笑)。

柳川:そう(笑)。「高嶋さん自身が苦手なことをやめて、今のフォーマットができあがった」というのに共感しました。

金川:それと、物理的な場所を持っているかどうかは重要なんですよね。渋谷区の場合は運営メンバー3人がそれぞれ拠点をもっているから、持ち回りでイベントをしていたんですけど、続けているうちに「うちのスペースを使いませんか」という声をもらうようになって。

WORK MILL:都市部には場所も人も多いですし、多様性が生まれやすい気がするのですが、地方ではいかがですか。

渋谷:僕たちにはあまりつながりがなかったので、登壇者は飛び込みでお願いする形だったんです。「この人の話を聞いてみたい」と思ったら、直接会いに行ってお願いして。

金川:僕も一度登壇者として参加しましたけど、なんか変に押しの強い人もいないし、すごくいい空気感でしたね。なんか、100人カイギって不思議な力が作用するんですよ。

堀下:つくばはまだ回数も少ないので、まだ100人カイギ自体のファンが多く来てくださっている気がしますけど、普段ならあまり接点のない方同士が参加しているような雰囲気はあります。登壇者も結構面白くなりそうですし、これからですね。

フォーマットを「守る」も「逸脱する」も良し

WORK MILL:100人カイギをはじめてから得られた気づきは何かありますか。

山口:私たちはみんな千代田区で働いているんですけど、思ったより知らないことが多くて、参加者と話していると、「あ、そのエリアも千代田区なんですね!」みたいな。そう、そもそもいちばん最初に行った港区100人カイギで話した人が、「僕も千代田区で働いてるんですよ」って言うから、よくよく聞いてみると、うちの会社の斜め前のビルで。

堀下:近っ。

山口:そう! 「何してるんですか?」「船を造る会社なんです」「え! 何それ面白い!」みたいな(笑)。それで、「じゃあ一緒にイベントしようよ!」って、運営メンバーになりました。千代田区は結構そんなふうに「面白そうだから入ってもいい?」「あ、私もできるかも」みたいな感じでメンバーが増えていて、今は9人なんですけど、もうすぐ10人になりそう。なんか、サークルみたいな感じなんです。

柳川:すごいね。渋谷区は、僕と金川さんと、もう一人いるんですけど、それぞれの役割がはっきりしていて、すごくやりやすい。

金川:柳川さんがコミュニティ作りとか場づくり担当で、もう一人はクリエイティブ担当。僕は対外的なコラボレーションや、巻き込んだコミュニケーションを仕掛けていく役割で。そういう意味では、最初の3カ月間はフォーマット通りにちゃんと進めていたけど、そろそろ「壊して」いこうというか、登壇者のうち二人は普通に話してもらって、その後三人にパネルディスカッションしてもらうとか、こういう人を呼んだらもっと渋谷区が魅力的に見えるんじゃないかとか、少しずつ変化をつけています。

渋谷:地元に目を向けてみると、知らなかっただけで面白いことをやっている方が相模原にもたくさんいらっしゃるんだなぁと気づきましたね。あと、他の運営メンバーにすごく助けていただいています。僕ら兄弟とは経験値も人とのつながりも段違いで、一人は大学の准教授、もう一人は広告会社の方なんです。ただ、あまり頼りすぎてしまうのではなく、一緒に何かを作りあげられたら、と思っています。

堀下:僕もこれまでつくばにこだわって活動してきたので、「登壇して欲しい人リスト」はいくらでもいるんですよ。ただ、何をするにも属人的すぎて、「僕が動かないとはじまらない」みたいなことばかりだし、仕組み化したり誰かに伝えたりするのは苦手だったんです。でも、100人カイギはフォーマットを真似るだけだから、とりあえずやってみよう、と。はじめてみたら、さっそく「手伝いたい」という人が8人くらい現れて、参加者が気づいたらタイムキーパーやってくれたり、受付してくれたりしたんです。だから、これを続けていくうちに誰か「自分でも企画しよう」と思ってもらえる人が出てきたらいいな、と思っているんです。

WORK MILL:こうして聞いていると、本当に皆さんの課題感や運営体制、雰囲気もバラバラなんですね。

金川:おそらくそれが「フォーマットが決まっている」メリットなんでしょうね。フォーマットがあるから一定のクオリティを担保してくれる安心感があるし、自分たちで変化をつけられる良さもある。渋谷区は、基本を変えず、結構アレンジしているんですよ。

例えば、私は登壇者の方と30分でもいいからできるだけ、登壇者の方と事前にミーティングをしているのですが、話し慣れている登壇者の方が「今やっている事業の話をしたい」と言っていても、「いや、それはネットにも出てますよね。むしろ、大学時代の旅の話のほうが面白いし、引き込まれる」と言って、「想定を壊す」プロセスを大事にしています。自分たちなりに「良い」と思ったことをどんどん取り入れています。

山口:千代田区は本当にフォーマットに助けられてますね。登壇者さえ決まれば、スライドもただ書き込んでもらえばいいし、進め方も決まっている。イベントに慣れている人も慣れてない人も「今日は私がこれを頑張る」で、できちゃうから。

渋谷:僕らも本当に慣れてないので…。参加者の方から「他のイベントではすごい人がよく登壇しているけど、ここはすごく普通っぽい方が司会されていて、親近感が湧きました」とおっしゃってもらえるんです。だから、登壇される方の心理的なハードルも少し下がるというか、あまり前に出る機会のない方でも「ここなら話せる」と思っていただけるのではないでしょうか。

高嶋:100人カイギにはイベント運営のフォーマットはあるけど、人の役割や動態は決めていないから、それぞれの地域の色が出ますよね。それに、何かわからないことがあっても、運営者同士で双方向にやり取りして、助け合ってもらえるようになってきている。本当にありがたいんです。僕もだいぶ無茶振りしてるけど(笑)。

山口:いや、でもまだ千代田区は内輪で盛り上がっている感覚というか、そんなに助けてはいない気がする。とにかく、イベントを回すことと自分たちが楽しめることだけに注力しているので…ちょっと持ち帰ってみんなと相談します(笑)。

「やりたいからやる」ではじめても良い

WORK MILL:100人カイギをはじめてから、ご自身に変化はありましたか。

金川:地域に対するコミットの度合いが大きくなりましたね。僕は、渋谷区と言いつつ、住まいは練馬区なんですよ。でも、練馬区のHPなんて見た記憶ないのに、渋谷区のはしょっちゅうチェックしていて、「あ、このエリアはこう変わっていくんだ」とか、「こういう企画があるんだ」とか、すごく関心が高くなっている。渋谷区に引っ越したほうがいいんじゃないかと思うくらい(笑)。このエリアに関わる人をもっと知りたいなとか、どう渋谷区を伝えていくかとか、本当によく考えるようになりましたね。

柳川:でも本当に、普段仕事していても、「この企業が抱えている課題の解決策って、100人カイギなんじゃない?」と思うことがよくあります。それこそ数千人、数万人単位の大企業だと、横のつながりは希薄だし、どの社員がどんな仕事をしているのかわからない、なんてザラにありますからね。ちょっと規模は違うけど、実際に今度、原宿では WeWork Icebergを拠点に100人カイギがはじまるんです。それぞれのコミュニティに埋もれている人たちを巻き込んでいこう、って。

金川:コワーキングスペースと100人カイギの相性は良さそうですよね。あと、周りに「100人カイギの人」だと思われていて、これが仕事だと思われてる。

柳川:そうそう! 地元の友達に「あ、100人カイギの人が来た」とか言われて。

金川:「仕事じゃないから」と言うと、びっくりされます。「仕事以外で、個人としてこういう活動をする」という考えは、世の中で少しづつ増えてきましたが、ここまで熱量を注いでいることに、驚かれますね。

WORK MILL:確かに、「給与がもらえるわけでもないのに、なぜ?」と思われるかもしれませんね。いったい、何がモチベーションになっているんでしょう?

柳川:シンプルに、面白い人とつながれるんですよね。最初は手探りで、3人で協力し合いながら運営していたけど、今では「僕ら運営者自身がいちばん得してるよね」って話してます。

山口:私は仕事の中でも100人カイギを話題にしやすいんですよね。GRiDに来られた方に「千代田区に勤めてるんですね! じゃあ登壇しません?」って、声をかけるきっかけになる。シェアオフィスにつながるステップとして活用させてもらってます。それと、運営メンバーがみんなわりと同世代で、これまで会社を越えたつながりがあまりなかった人が多いんです。だから、なんか戻ってきた青春というか、100人カイギのスレッドでいろいろと相談しながら、「ボーリング大会やろう!」みたいな話にもなったりして。

堀下:青春…謳歌できなかったかぁ。

山口:できなかった(笑)。学級委員みたいなキャラの人がいるんだけど、その人が発言するとみんな「いいね」の代わりに宇宙人の絵文字送って(笑)。終わりが決まってるから、学園祭みたいに「ここまで頑張ろうぜ」ってなれるのも良いんです。

渋谷:うちは大学が会場になることが多いのもあって、たまに学生さんが来てくれるんですけど、それがすごく嬉しいんですよね。登壇者としても、高校生YouTuberがゲストに来てくれて。学校にあまり通えていない学生さんが来てくださったこともあって、学校だけではなく、こういった社会との関わり方もあるんだというのを示せたような気がして、本当に嬉しいです。

堀下:つくばでも中学生が登壇しますよ。中学生になった次の日に登記して、今は15歳の女の子が。

柳川:へーすごい!

堀下:60代のハーブの先生も登壇予定です。だから、なるべくハードルを低くしたいというか、いろんな人にとって街に関わるきっかけになればいいなと思っていて。テーマ性を打ち出したイベントはどうしてもハードルが高くなってしまう。「すごい人がいる」と、萎縮してしまうのはもったいないなと思うんです。それこそ、通りすがりの主婦の方がフラッと参加するくらいがいいなと思っていて、そういうのを目指しています。

WORK MILL:これからのビジョンは?

山口:それでいうと、うちはまだ自己満足の段階だなぁと。でも、メンバーも増えますし、どんどん周りに広がっていけばいいなぁと思います。

堀下:つくばも、100人カイギに来た人が、自分の街で100人カイギをはじめてくれることは、目標の一つですね。

渋谷:うちに少し畑があるんですけど、そこで小さなマルシェを開催したんです。それが町の価値を高めるきっかけになればいいな、と思って。それで、今度はその畑で野外版の100人カイギをやってみてもいいんじゃないかと考えています。それに、アートビレッジや研究施設などとのコラボレーションも進めていきたいです。

柳川:渋谷区でもスピンアウト企画などを挟みつつ、運営の仕組みをもうちょっとオープンにしようと考えていて、渋谷区の中で「道玄坂100人カイギ」とか「宮益坂100人カイギ」とかあっても面白そうじゃないですか。そうやって、いろんなところに100人カイギのDNAが散らばっていくと良いなと思いますし、自分も一参加者として足を運んだり、いろんな人同士をつなげたりしていきたいと考えています。

金川:「誰もが予想だにしないことをやりたいね」とは、3人で話しているんですよね。いろんな人を巻き込みながら、「100人カイギの進化形」を作りたい。ただ、究極のところを言うと、別に僕らは何も目指してないんですよ。100人カイギはあくまでもプロセスでありフォーマットであって、それが目的ではない。だから、参加者も登壇者も運営者も、みんなそれぞれが自分自身の目的をその器に入れることができる。それがバラバラなのがいいんですよね。「何人動員しなさい」みたいな強迫観念も一切ないし。

堀下:そう! よく「起業のきっかけは?」とか聞かれているのを見るけど、個人的には「起業したいから」でいいやん、と思うんです。だって、「夕飯におでんを食べる」と決めている人に対して、「なぜおでん?うどんじゃないの?」って聞かないじゃないですか(笑)。だから、100人カイギも「やりたいからやる」でいいし、いろんなことをはじめるのに、もっとフランクで良いんじゃないかな、と。100人カイギには、「ちょっと興味がある」「毎回は行けないけどお手伝いしたい」みたいな人でも、スッと入り込める余白があるのが良いんですよね。

高嶋:こうやって聞くと地域によって始める目的はバラバラなんだけど、でも根っこは地域の人をつながていきたいという思いは同じなんじゃないかと。こうやって人をゆるくつなげる場があちこちで生まれるように、「100人カイギを始めたい」という方をサポートしていく活動を、今後は全国に広げていきたいと思います。

 

2019年3月12日更新
取材月:2018年12月

撮影協力:Nagatacho GRiD
テキスト: 大矢 幸世
写真:大坪 侑史
イラスト:野中 聡紀

 

WORK MILL STORY SALON #01 イベント参加者募集!

今回、WEBマガジンに登場いただいた100人カイギ発起人の高嶋さん、3名の運営メンバーをお呼びし、コミュニティづくりとプロジェクトベースの働き方について、参加者の皆さまも交えたインタラクティブなセッションを行います!

記事の内容はもちろん、コミュニティづくりやプロジェクトベースの働き方にご興味をお持ちの方は、ぜひご参加ください!


 開催日時:2019年4月1日(月) 19:00~20:30(18:45開場)
場所:株式会社オカムラ Open Innovation Biotope “Sea”

ゲスト:高嶋 大介(100人カイギ founder/見届け人)、木継 則幸(渋谷区100人カイギ)
加藤 翼(横浜100人カイギ)、山口 若葉(千代田区100人カイギ)

イベント詳細・お申し込みはこちら 

※WORK MILL STORY SALONとは…WORK MILL WEBマガジンで取材したストーリーを記事公開と共にリアルな場で語らうサロンです。