沖縄市コザにクリエイター向けコミュニティスペース「KOZA BASECAMP」ものづくりを起点に信頼できる関係性を築ける場所へ

2025年4月6日、沖縄市コザの一番街商店街内に、クリエイターやフリーランス向けのコミュニティスペース「KOZA BASECAMP」がオープンした。運営は、沖縄市でクリエイターやスタートアップを支援しているCignals合同会社が担う。
同社は、2017年9月からITエンジニア向けシェアハウス「ギークハウス沖縄」をサポートしてきたが、その後は運営を引き継ぎ、「もっとクリエイターやフリーランスが集まれる場所にしたい」という思いから、特定の業種にとらわれず、多様なクリエイターが交流できる場として「KOZA BASECAMP」へとリニューアルした。

代表の豊里竜次さんは「エンジニアやデザイナーに限らず、画家や音楽家、デザイナーなど、垣根なく沖縄でクリエイションに携わる人たちが交わる場所が必要だと考えました」と語る。同社のビジョン「誰もが自分らしく創造的でいられる社会を実現する」を体現する施設として、異業種間のコラボレーションを大切にしている。
主な利用者は、地域のクリエイターやフリーランサーが中心だ。ただ、豊里さんは「オープン当初は思ったほどの反響がありませんでした」と率直に語る。「コザにはもともと、クリエイター向けのコミュニティやものづくり系のスペースが少ない。また、コワーキングスペースも多くの方が単なるシェアオフィスとしてでしか利用していませんでした。そんな中、利用者の方と一緒にプロジェクトに取り組める空間をつくるのはとても難しかったですね」と振り返る。
3階建ての施設は、さまざまな用途に合わせて設計されている。3階はメンバー専用のワークスペースで、デスクを5席、4人掛けの大テーブルを1台設置。別の部屋には、ポッドキャストの収録や音楽のレコーディングができる設備も整う。2階は、ライブやトークセッション、展示などに利用できるフレキシブルなイベントスペース。また、午後8時から12時まではスタンドバー「Meetup Bar」として、コミュニティメンバーが交流できる場も提供する。

運営で最も大切にしているのは、「いつ誰が来ても心地よく感じられるよう、清潔に保つこと」と豊里さん。「ここにいると創作意欲が湧いてくるような空間であることを心がけています」と語る。
同施設は単なるワーキングスペースに留まらず、メンバー同士の協業を重視したコミュニティづくりを行うことも目指している。そのため、「まったく異なるジャンルの人をつなげて何かを生み出すには、ある程度の信頼関係が必要。顔が見える範囲の人数であることが大事」とし、入居者は50人限定で事前審査を設けている。

「将来的には会員数を増やすことよりも、ここで生まれるコンテンツやクリエイティブを大切にしたいですね」と豊里さん。さらに「沖縄だけでなく、県外や台湾、アジアの人々が訪れるハブとなる拠点を目指しています」と、国際的な交流拠点としての発展を見据えている。
●KOZA BASECAMP
・営業時間:11:00~24:00(日曜・祝日休館)
・住所:沖縄市中央1-16-9 2F
・URL:https://cignals.notion.site/KOZA-BASECAMP-1d771d15800680908a5ff2457fc02170
●料金(税込)
・一般メンバー=月額8,000円、学生メンバー=月額3,000円、オンラインメンバー=月額3,000円、パートナー企業=月額20,000円~
・ドロップイン:1時間=500円、1日=1,500円
●利用可能な設備・サービス
ギャラリースペース、イベントスペース、レコーディング・ポッドキャストブース、音楽レコーディングスタジオ etc.
編集=ノオト