和歌山県発のスタートアップ支援拠点「Key Site」オープン スタートアップ支援で地域の“キーとなる場所”を目指す

2025年3月27日、和歌山県和歌山市のJR和歌山駅から徒歩8分の場所にスタートアップ支援拠点「Key Site(キーサイト)」がオープンした。株式会社紀陽銀行、マネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社によるHIRAC FUND(ヒラクファンド)、株式会社ATOMicaの三者が運営する。
Key Siteは紀陽銀行の支店として運営されていた5階建て建物(旧宮北ビル)を改装した施設。名称は「紀伊(和歌山)」と「キー(鍵)」をかけ、「和歌山からビジネスが生まれ成長するカギとなる施設」を目指して名付けられた。スタートアップと地域をつなぐ架け橋となるべく、”Region Bridge”をテーマに、起業家、学生、地場企業の連携・交流・成長を促進する。

施設の1階には、カフェ・ショップスペースと旧銀行の金庫室を活用した会議室を設置。カフェは東京・日本橋の「CHOOZE COFFEE」と提携。「コミュニケーションの生まれる場所=カフェという発想から設置しました」とATOMicaの金谷弘幸さんは説明する。ショップでは和歌山の特産品を販売予定で、地元企業の新商品発表の場としても活用できる。これらのスペース全体を使ってイベントも開催でき、地域住民の交流の場としても機能する。

2・3階はコワーキングスペース。2階は開放的な空間でリラックスしながら仕事ができる設計で、3階はフリーアドレスデスクを多く配置する。個室のフォンブース2室とパネルブース4室も設置。全体的に木材を多用したナチュラルなデザインで、オフィス感を抑えた温かみのある空間になっている。4階には紀陽銀行のオフィス、5階にはレンタルオフィスが入る。
Key Siteの最大の目的は地域のスタートアップ支援だ。和歌山県では若者や事業者が大阪へ流出する課題を抱えており、和歌山における起業環境を整えることで地域活性化を図る。スタートアップ企業、県内企業、学生、一般層の4つのターゲットに向けた多彩なイベントプログラムも用意している。
特に学生向け支援に力を入れており、学生は一般利用料の半額(550円程度)で一日利用できる。また、定期的に学生向けイベントを開催し、地元企業との交流の場を設けるなど、和歌山で起業する若者の育成に注力する。

3月27日にはオープニングセレモニーを実施し、和歌山県知事や和歌山市長も参加した。行政との連携も強みとし、起業相談から融資、人材マッチングまでをワンストップで支援できる体制を整える。
「Key Siteを起点とした『挑戦する流れ』を作っていきたいですね。ドライな支援ではなく、人と人を繋げ、チャンスを生み出す『キー』となるような支援を行っていきたいです」と金谷さんは意気込みを語る。
●Key Site
・営業時間(3階コワーキングスペース):会員=全日 7:00~21:00、非会員=月~金 9:30~21:00(最終受付時間17:30)
・住所:和歌山県和歌山市黒田185-3
・URL:https://kiyo-keysite.com/
●料金(税込)
・一般利用=1日1,100円、学生=1日550円
・月額会員プラン=8,800円〜、学生=5,500円/月
●利用可能な設備・サービス
Wi-Fi、電源、フォンブース、会議室、ロッカー利用(月額550円)、住所利用(月額2,200円)、コピー機 etc.
編集=ノオト