札幌にSLOCビジネスの拠点となるインキュベーション施設「RURAL BASE」 若者と共に事業創出・地域活性化を
2022年3月25日(金)、札幌市中央区南2条西13丁目にSLOCビジネスに特化したインキュベーション施設「RURAL BASE」がオープンした。
「RURAL BASE」は株式会社Rural frontierが提唱する「SLOCビジネス」を札幌市の人材とともに創出していくことを目的とした施設。
SLOCとは「small」「local」「open」「connected」の要素を含むビジネスモデルを指す言葉。地域に根差した特徴を生かしたスモールビジネスの創出、地域とのつながりを深めた上で首都圏や他地域にも広げていこうというもの。
同社は、代表の坪田莉來さんの地元である愛媛県内子町の地域プロモーションを目的として設立、物品販売などを通して地域の魅力を発信する活動をスタート。
今回、新たにローカルな場づくりを始める地として、地元愛の強さがSLOCビジネスとの親和性が高いと考え、札幌を選んだという。
札幌で築年数50年以上の喫茶店の跡地を改装。地下1階、地上2階の施設としてオープンする。
地下1階は、全10席の24時間365日利用可能なコワーキングスペース。時間に縛られず、どのような働き方にも対応できる環境を提供する。Wi-Fiや電源、複合機、ホワイトボード、冷蔵庫、電子レンジなどを備える。
地上1階にはオープンキッチンを備えた直営のサステナブルカフェ「wana be(ワナビー)」をオープン、チャレンジスペースとしての貸し出しも行い、新規事業の展開を目指す利用者の支援を行う。2階は事務所とスタッフの住居スペースとなる。
コワーキングスペースは、月額会員制となり、年間契約で月25,000円、半年契約だと月28,000円。初期費用は無料。
カフェスペースをチャレンジスペースとして利用する際は、一般利用=1時間3,000円より。会員は1時間1,500円。いずれも企画内容により要相談。
「弊社が大切にしているのは、リアルな場づくり。黙々と作業するためのコワーキングスペースというよりもオープンカフェ、オープンキッチンを設けることにより活発なコミュニケーションが生じるスペースを目指しています」と坪田さんは話す。
「札幌、北海道という地域の資源を活用しながら、場づくりを意識したモノづくり、飲食コンテンツ、新たなサービスの創出などに向かおうという方々の支援を積極的に進めていきたいと考えています。そのために、チャレンジスペースを飲食店のチャレンジショップ、あるいは新ブランドのポップアップショップなどにどんどん活用していってほしいと思います」
自身も今年3月に大学を卒業したという坪田さん。新規事業創出を目指す若者たちとのつながりを広げ、共に頑張っていきたいという。
「札幌の学生団体と共同し市立札幌大通高等学校の『ミツバチプロジェクト』のPRを進めたり、札幌市内の学生起業家とコンタクトを取ったりしています。地元ならではの特色や資源を生かしたスモールビジネスを若い人たちと興し、道外とのコネクションをつくっていきたい」と、坪田さん。
「コロナ禍により生活圏が縮小したことで、自分の住んでいる町がどんなところなのだろうと改めて見つめ直し、気づくことがたくさんあったということも、そういう良さを言語化し形づくっていくための基地を地方都市でつくろうというきっかけになりました」とも坪田さんは話す。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、コワーキングスペースはオープンから当面は半数の席で稼働し、定期イベントはオンライン・オフラインのハイブリッド形式でスタート。カフェスペースは、座席の消毒、検温など飲食店としてのコロナ対策を徹底して営業する。
RURAL BASE(株式会社Rural frontier)
北海道札幌市中央区南2条西13丁目318
編集:ノオト