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ニューノーマル時代の働き方−エビデンスで変わる働く場 「WORK MILL RESEARCH ISSUE02」発刊

コロナ禍によって人々の働き方が再定義されようとしている昨今、経営者はもちろん働く人、一人ひとりの働く環境に対する関心が高まってきています。

 

オカムラのワークデザイン研究所では蓄積してきた研究成果や実績をビジュアル化し、働き方や働く場に関する最新情報を社外へ発信する取り組みを、近年積極的に行っています。この度最新情報を掲載した冊子『WORK MILL RESEARCH ISSUE02 はたらき方のニューノーマル』が発行されました。

 

WORK MILL RESEARCHはデータやアンケート調査といったエビデンスやソリューションの発信を目的に発行されている冊子で、主にオフィスづくりに関わる人や働き方に興味関心のある人に向けて発行されています。

 

今回は同冊子の制作に携わったオカムラのリサーチャーである森田舞さんと、嶺野あゆみさんにWORK MILL RESEARCHについて詳しく語ってもらいました。

 

『WORK MILL RESEARCH ISSUE02 はたらき方のニューノーマル

『WORK MILL RESEARCH ISSUE02 はたらき方のニューノーマル

『WORK MILL RESEARCH ISSUE02 はたらき方のニューノーマル

『WORK MILL RESEARCH ISSUE02 はたらき方のニューノーマル

エビデンスの重要性が高まる時代におけるWORK MILL RESEARCHの役割

 

ー森田舞(もりた・まい)オフィス製品の企画開発を経て現職。現在は、働く場や学びの場を中心として、アクティビティと空間・環境の関係についての調査・研究に従事。ライフとワークについて考えるWORK MILL主催の共創プロジェクト「Work in Life Labo.」の運営にも携わる。博士(工学)、一級建築士(写真右)

ー嶺野あゆみ(みねの・あゆみ)建築空間における人間の行動に興味を持ち、大学・大学院にて建築計画学を専攻。オカムラ入社後は、主にオフィス・医療福祉施設・庁舎などの公共空間の空間環境や利用者行動に関する調査・研究業務に従事(写真左)

 

WORK MILL:2018年が最初の発刊ですが、発刊に至った経緯から教えていただけますか?

 

森田:オカムラの研究所は歴史が長く、1980年代から大学や研究機関といったさまざまな専門分野の専門家と連携しながら、オフィスや働き方についての研究をおこなってきました。長年研究データを蓄積していたのですが、なかなかそうした研究データを社外に積極的にご紹介してきたとは言えませんでした。

 

ここ数年は働き方改革が進んだことも影響して、お客様からの働き方に対する提案要望が多様化しています。またオカムラとしても、より広く研究内容を外部に発信しようという方針に変わってきました。WORK MILL RESEARCHはこのような背景のもと企画されました。

 

WORK MILL:確かに最近はさまざまな分野で研究データのようなエビデンスの重要性が高まってきましたよね。

 

森田:おっしゃるように最近は働き方や働く場の構築においてもエビデンスを求める方が増加傾向にあると思います。WORK MILL RESEARCHを通じてこうしたご要望に応じることができればと思っています。

 

 

WORK MILL:それにしても、WORK MILL RESEARCHオフィスや働き方の研究データを紹介する冊子にしては、デザインが柔らかくてすごくカジュアルな印象を受けました。

 

嶺野:イラストにはこだわって制作しています。データがメインの構成だと読みづらいと思われる方もいらっしゃるでしょうし、論文のような印象になるよりも、より多くの人に手に取りやすいデザインを心がけています。

 

WORK MILL:読者の反応はいかがでしょうか?

 

嶺野:「研究と言われると、とっつきにくい印象も正直あったけれど、こんなふうにビジュアルで説明してくれると分かりやすい」という感想をいただきました。改装や移転といったオフィス環境について社内で提案する際に、WORK MILL RESEARCHに掲載した研究内容や数値を、提案を進めるための説得材料として使っている方もいらっしゃるようです。

 

特に最近では、多くの企業でオフィス環境の改装や移転に対して根拠を求められることが多いので、特にそうした場面で手助けになるような内容をめざしています。

 

WORK MILL:これからはエビデンスに基づく提案が重要になりそうですね。エビデンスの重要性が語られるようになって久しいですが、実際にデータに関する問い合わせなども増えているのでしょうか?

 

森田:やはり新型コロナウイルスの影響でリモートワークの導入などを経験したことで、これからの働く環境について悩んでいる組織、そして個人が多くいらっしゃるようです。「フリーアドレスはどのように導入すれば良いのか」「在宅勤務になって気をつけなければならないことは?」といった問い合わせが多いです。

 

WORK MILL:そうなると、今までに紹介してきた内容以外のデータについて問い合わせがあることも少なくなさそうですね。

 

森田:WORK MILL RESEARCHでご紹介できる研究内容は一部分になります。その他にも、オカムラが扱う製品と一緒に研究データを紹介したり、お客様へ直接ご説明することもあります。そのもとになるのは、学会発表や論文などの研究成果です。

 

研究所では基礎研究といった長く、深く続ける必要がある内容はもちろん、例えば新型コロナウイルスに伴って働き方が変わるという最新情報について、また最近のオフィストレンドなど、研究対象は多岐にわたります。複数のリサーチャーがそれぞれの担当分野をもっています。

 

成果を広く届ける体制が整った新しい研究所

 

WORK MILL:所属している組織のワークデザイン研究所に関して教えてください。

 

嶺野:研究を行う部門と、顧客に向けコンサルティングを行う部門が一つの組織となりました。以前は研究者だけの組織だったので、研究が中心になり、研究結果の外部発信や提案については慎重になりがちという面がありました。は、研究とコンサルティングチームが連携することで、新しい効果が生まれ始めています。

 

WORK MILL:具体的にはどのように連携されるのでしょうか?

 

嶺野:わたしたち研究担当は、WORK MILL RESEARCHに掲載されているようなエビデンスを研究したり、あるいは大学や研究機関と協力して一緒に調査や研究を行うなどして、データを蓄積しています。また、オカムラは家具をつくって販売するメーカーですので、製品開発につながるような調査をしたり、例えばイスの座り心地を検証するといったこともおこなっています。

 

一方コンサルティング担当は、お客様の要望をとりまとめたり、お客様自身で新しいオフィスでの働き方を考えるきっかけとしていただくためのヒアリングやワークショップを開催する、といった業務を行なっています。研究とコンサルティングが同じ組織にあることで、例えばお客様への提案材料として研究データを活用したり、お客様のニーズを研究テーマに反映する、といったことがしやすくなってきています。

 

森田:また、研究にコンサルティングチームで把握しているお客様の声や現場の情報を提供してもらうことで、相乗効果が得られていると思います。とは言え、連携が始まってまだ日は浅いですから、今後さらにできることを模索したいと考えています。

 

ニューノーマルでは働き方や働く場は多様化する

 

WORK MILL:今回の冊子には、コロナ禍を経たニューノーマルの世界での働き方に関して必要な視点について書かれていました。

 

嶺野:今年は少し特殊な状況で、新型コロナウイルスの影響で初めて在宅ワークを始めたという人も多く、現状、そして今後の働き方に不安を抱えている人や組織もまだまだ多いのではないでしょうか。

 

今後は組織ごとにありたい姿を考えて、コロナ禍以前の働き方に戻る企業もあれば、以前と今の良いところを融合した働き方を選んだり、リモートワークを中心とした働き方を続ける企業も多そうです。また、より働き方を進化させようとする企業も出てくると思います。

 

森田:ニューノーマルに入った時、働き方や働く場の選択肢はひとつではなくなると思っています。集まることのメリットを維持しながら、離れていることのメリットも最大化することが大切ですよね。そのために、働く場の機能は再構築されていくと思います。さまざまな状況を見据えて、自律的に働きやすい環境が求められていくようになるのでは、と考えています。

 

そんな状況で、これからの働き方にむけた重要な視点としてニューノーマルのワークプレイスを考える指針を今回提案しています。

 

リモートワークによって働く場所が分散していく中で、特に大切なのが、「Autonomy(自律性)」「Emotion(感情)」「Culture (共通概念)」の3つです。これらに沿って働く場を考え、対策を行うことが、成果の最大化につながると考えています。

 

WORK MILL:最近よく「ニューノーマル」という言葉を聞くようになりましたが、定義が曖昧な気がしています。ワークデザイン研究所では「ニューノーマル」をどのように定義づけているのでしょうか?

 

森田:すでにニューノーマルに入ったと捉える人もいますが、わたしたちは、ワクチンができて、移動などの自由を取り戻したタイミングをニューノーマルと位置付けて研究を行っています。本来の意味での柔軟な働き方ができる状態です。コロナ禍のように強制的に自宅で働かねばならない状況ではなく、働く場や働く時間を自分の意思で自由に選べるようになったタイミングをニューノーマルと定義しています。

 

新型コロナウイルスに限らず、今後他の疫病が出てくるかもしれない。その時に備えて、仮に私たちが緊急事態の最中にあっても、どのような状況にでも対応できるしなやかさをもって働くことができるように、さまざまな提案をしていきたいと思っています。

 

他にも今回のWORK MILL RESEARCHでは、ニューノーマルの働き方に関連してリモートワークの浸透や、チームワーク、職場での情報共有といったテーマについても、エビデンスとともに紹介しています。これからの働き方について考えるときの参考としていただけると幸いです。

 

2020年11月発行『WORK MILL RESEARCH ISSUE02 はたらき方のニューノーマル

 

その他、研究関連のレポートはこちらからご覧いただけます。

 

2020年11月17日更新

取材月:2020年9月

 

テキスト:清水翔太

写真:吉田友之

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