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富山・南砺の善徳寺内にコワーキングスペース「善徳寺TELEWORK PROJECT」民藝思想を体現した空間

2022年6月28日(火)、富山県南砺(なんと)市にある「城端別院 善徳寺」にコワーキングスペース「善徳寺TELEWORK PROJECT」が新設された。企画監修は観光地域づくり法人(DMO)富山県西部観光社、運営は株式会社水と匠。

「善徳寺」は、1470年頃に現在の石川県と富山県の境にある砂子坂に建立された。その後、1559年頃に現在の南砺市城端に移転し、地域の信仰の場として役割を担ってきた。また、民藝運動の提唱者である哲学者・柳宗悦が70日間滞在し、民藝思想の集大成『美の法門』を書き上げた場所でもある。

「民藝が注目されている今、寺内にある『研修道場』を改修し情報発信・交流の拠点にするというプロジェクトの一環として、オープンを決めました」と同社取締役の飯塚洋史さん。

コンセプトは「民藝を体現する空間で土徳(どとく)を学び仕事をする」。日本庭園に面した39畳の「北の書院」と、10畳の「西の書院」3部屋を改修。畳やふすまを新調するほか、壁紙は城端エリアの名産品である「しけ絹紙」を使う。

(提供写真)

ワーキングスペースは全16席で、静かな空間で集中して仕事に打ち込める。テレカンルームは座卓席とテーブル席の2種類を用意し、会議室や複数人での作業場としても使える。

(提供写真)

部屋に並ぶ机は、同県出身の建築家の浜田晶則さんがデザイン。天板には富山県産ミズナラを採用。脚は生分解する樹脂を使い、3Dプリンターで植物の幹を表現する。

体験コンテンツとして、寺院内での仏教哲学講座のほか、地域の陶芸職人や農林漁業の生産者と交流するプログラムなどを用意。2023年秋ごろに研修道場2階を宿泊施設として整備する予定で、合宿やワーケーションなどの長期滞在の利用を見込む。

(提供写真)

「講演・研修場として貸し切り利用する法人が多いです。都市部には少ない豊かで厳しい自然からインスピレーションを受けることで、斬新なアイディアを得たいと思うのかもしれませんね」と飯塚さん。

「アクセスはあまり良い場所とは言えませんが、わざわざ来てもらうだけの価値があると思っています。この場所を中心に、民藝思想を広めていきたいです」と話す。

●善徳寺TELEWORK PROJECT
・営業時間:9:00~17:00
・住所:富山県南砺市城端405
・URL:https://mizutotakumi.jp/zentokuji-telework/

●料金
・1日利用:3,300円
・月額料金:8,250円
・貸切料金:33,000円

●利用可能な設備・サービス
ワーキングスペース、会議室兼テレカンルーム(座卓席2室、椅子・テーブル席1室)、プリンター、ロッカー、飲み物(お茶、コーヒー、紅茶、水)、e-bikeレンタル(1日1,500円)

編集:ノオト