宮城県仙台市に共創拠点「YUI NOS」誕生 イノベーション創出に貢献する複合型スペース
2024年3月14日、宮城県仙台市の中心部に、共創・イノベーション創出拠点「YUI NOS」がオープンした。施設を保有するNTT都市開発株式会社が、全国でコワーキングスペースやコミュニティの運営・企画を手がける株式会社ATOMicaに委託し運営する。
コンセプトは「未来の仙台をつくる共創・賑わいの拠点に」。施設名は、「YUI」が「結」、「NOS」が「巣」に由来し、「人と人を結ぶ結節点となり、知恵や想い、賑わいを集める場」となることを目指しているという。
同施設が入る地上19階、地下1階建てのアーバンネット仙台中央ビルは、かつてはNTT東日本の電報局だった跡地を活用して2024年3月に開業した。仙台駅から徒歩9分で、周辺には仙台銀座商店街や仙台朝市商店街があり、賑わいのあるエリアに位置する。ビルの外観はガラス張り。NTT都市開発株式会社東北支店開発担当の大野剛史さんは、「歩行者が中の様子を見て興味を持ち、入りやすいようにデザインしています」と説明する。
ビルの1階から4階がYUI NOSとして稼働しており、コワーキングスペースやイベントスペース、シェアオフィスなどを設ける。常時5人程度のコミュニティマネージャーが常駐し、利用者のサポートや交流促進を行う。
YUI NOSでは、「スタートアップの支援」「魅力的な働く場の提供」「街の賑わい創出」「放射光施設NanoTerasuとの連携」という4つの重要な柱を掲げる。特にスタートアップ支援に関しては、仙台市のスタートアップ支援課と連携し、相談窓口の設置や定期的なイベント開催などを行う。「スタートアップの方、放射光の産業利用に興味のある方、地域住民など、多様な人材が集まる場所であることが特徴的です」と語る。
「東日本大震災後の復興需要が落ち着き始めた仙台市にとって、この施設は新たな産業創出のアクセルとなる拠点として役割を果たしたいと考えています」と大野さんは話す。
YUI NOSはその役割を担うべく、震災以降高まった社会課題への意識も活かしながら、地域に根ざしたイノベーションの創出を目指している。
ATOMicaでYUI NOS 拠点長の鈴木郁斗さんは、「スタートアップや研究者だけでなく、地域の方々にも積極的に参加していただき、この場所が地域を盛り上げる中心的な存在になることを目指しています」と話す。さらに、今後の展望について「多様な方々がつながり、日々新たなイノベーションが生まれていくような場にしていきたいですね」と語る。
大野さんは「スタートアップと地元商店街との協働など、この拠点ならではの交流と共創を生み出していきたいです。皆さまに愛されるような魅力的な空間を作り上げていくことに尽力します」と意気込みを示した。
●YUI NOS
・営業時間:会員=全日8:00~24:00、非会員=全日9:00~19:00 ※施設休業日(年末年始、全館停電日等)あり
・住所:宮城県仙台市青葉区中央4-4-19
・URL:https://www.nttud.co.jp/sendai_chuo/
●料金
・非会員プラン:終日=1,100円
・会員プラン: 10DAYSプラン(月10日まで利用可能)=月額8,800円、ALL DAYSプラン=月額22,000円
・複数人での共同利用:80時間プラン=月額11,000円、160時間プラン=月額16,500円、320時間プラン=月額27,500円
●利用可能な設備・サービス
Wi-Fi、電源、フォンブース、冷蔵庫、モニタ、ロッカー(有料)、ポスト(有料)、登記(有料)
編集=ノオト
写真=川澄・小林研二写真事務所