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「ちゃんと座る」ってどういうこと? テレワーク時代に求められる身体と椅子の正しい使い方

太ももや肋骨を両手で押さえる 身体の負担を軽減するテクニック

最後はQ&Aのコーナー。参加者からの質問をオカムラの Open Innovation Biotope “bee” コミュニティマネージャーの岡本栄理が紹介し、他の3人が回答していきます。

岡本栄理。株式会社オカムラ 関西支社 マーケティング部 マーケティング推進室 / Open Innovation Biotope “bee” コミュニティマネージャー。大学で社会学を学ぶ。株式会社オカムラでは経理、営業事務・秘書業務を経て2017年6月より現職。社内研修の企画・運営をする傍ら、Open Innovation Biotope “bee”において社内外をつなぐ様々なイベントの企画・運営を担当。

椅子と呼吸の相関関係について教えてください」という質問がきています。椅子に座ることで、呼吸はどのように変化しているのでしょうか?

岡本

藤本

肋骨の一番下あたりに、呼吸をコントロールしている横隔膜があります。座る姿勢になると、足から背骨を支える力が働かなくなるため背もたれに頼りたくなり、肋骨の下部を後ろに押しつけて横隔膜が動きにくくなる、つまり呼吸が浅くなる状態になりがちです。

椅子に長時間座りながらパソコンを操作していると、みぞおちの奥がギュッとなることがありますよね? それは横隔膜が固まっている状態なのです。

その状態を解消する方法はありますか?

岡本

藤本

肋骨の一番下あたりを両手でキュッと真ん中に集めるようにすると、背中がフッと抜ける感じがして、腰も楽になります。長時間座っていて呼吸が浅いな、と思ったら試してみてください。

続いて「骨盤を立てて座ると、体の機能は維持できてもお尻が痛くなるのでは?」という質問です。

岡本

浅田

お尻だけで座るのではなく、足や背もたれを含め全身の体重を分散させ、楽な姿勢を保つことがポイントです。どうすれば「ちゃんと座る」なのか知っておくことが大事ですね。

オカムラが考える「ちゃんと座る」とは?

岡本

浅田

基本は、座面の奥まで深く座ること。背中が空いてしまうと上半身を支えていない状態になり、長く座っていると姿勢が崩れます。お尻から背中まで椅子に接着するように座ると、骨盤が安定し上半身がグラグラしません。

次に、足をちゃんと地面につける。足を前後に動かしてもかかとが浮かない高さにしてください。座っているときって、意外と足を動かしますからね。また、座面の前端が当たっていると血流が悪くなって足が冷えるので注意してください。

藤本

長時間座っていると、太ももの裏側が圧迫され窮屈に感じ、同時にお尻も固まっていきます。なので、時々、太ももの横の出っ張り部分を中心に集めるように両手で押さえる。そうすると楽になります。座った状態でもOKですよ。

太ももを横から押すことが、アクティベーションに繋がるということですね。どういうタイミングでやればいいのでしょうか?

岡本

藤本

基本は「疲れてきたな」と感じたときでOKです。可能であれば習慣化してみてください。

次の質問は「ミスが許されないパソコン作業に適した椅子やワークプレイスとは?」です。

岡本

浅田

作業に集中できる環境を作ることが重要です。椅子で言えば、座っているってことを感じないくらい、自分と一体になっているものを選ぶ必要があります。

ただし、ミスを防ぐためには気のゆるみや疲労など「人」の側面、椅子を含めた「作業環境」、教育訓練やダブルチェックなど「組織マネジメント」の3つを総合的に考えなければなりません。そもそも人間は必ずミスをする生き物であり、その上でいかにミスを減らしていくかを検討する必要があります。

続いて「上半身への負荷、肩や首のコリをなくすために重要なことは何でしょうか?」という質問です。

岡本

藤本

肩や首のコリは、先ほどの「骨盤のサポートが大事」という話の延長線上にあります。骨盤が背骨を支える構造になっていれば、首まで支えられることになり、必要以上に緊張しなくても済むでしょう。

藤本

さらに付け加えると、肋骨を少し自由にしてあげることが大事です。具体的な方法は、肋骨を横から両手で持つ。心臓を左右の手で支えるようなイメージです。そうすると首や肩の力が抜けます。

あとは、脇を伸ばしてみてください。肋骨が自由になるので、下からの支えが上へ繋がっていきやすいでしょう。肩をもむより、下から積み上げていくほうが楽になります。

今回のイベントでは、Spherを事例に「ちゃんと座る」とはどういうことなのか?を考えました。もし「実際に座ってみたい」と思った方は、ぜひ各地のショールームへお越しください! 本日はありがとうございました。

岡本

テキスト:村中貴士
写真:栃久保誠
編集:鬼頭佳代(ノオト)