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「頼る」ことは大人の社会スキル 「助けたい」を引き出す上手な頼り方と頼れる人の探し方

上手に頼るためのステップ「KSK」と「SBAR」

(1)敬意(K)
まず、「あなただから相談したい」という相手への信頼を示す。一番簡単なのは、「○○さん、今いいですか?」と相手の名を呼びながら、その都合にも配慮すること。

(2)存在承認(S)
次に、相手がただ向き合ってくれることを認め、「役に立たねばならない」といった心のハードルを下げる。すると、心理的安全性が確保され、相手が依頼や相談の言葉を受け取りやすくなる。

(例)「お時間を取っていただいて助かります」「話を聞いていただけて心強いです」「いつも頼らせていただきありがとうございます」など

(3)相談内容
何を相談、依頼したいのかをSBARの順で伝えると、相手が受け取りやすい。

(例)
Situation「状況」(何が起きているか)
→■■の企画書作りが遅れている。

Background「背景」(その背景)
→◎月▼日に上司に提出するように言われている。

Assessment「評価」(自分が考える問題点)
→不慣れな分野なので、どうやって資料を探したらいいのかわからない。

Recommendation「提案」(してほしいこと)
→参考になりそうな文献やWebサイトを教えてください。

(4)感謝(K)
相手が力になってくれるか否かにかかわらず、聞いてもらったことに対して可能な限りの感謝を伝える。

(例)「○○さんに相談できただけでほっとしました」と具体的な自分の気持ちや変化を挙げつつ、「ありがとうございます」「感謝しています」「なんとお礼を言ったらいいかわかりません」と結ぶ。

吉田

私は日頃から「KSK」を実践しているのですが、ここで書籍『「頼る」スキルの磨き方』で初めてご一緒した編集のAさんに、その印象を話してもらいましょうか。

編集者A

えっ、僕ですか!? 

吉田さんと初めてのオンラインミーティングをした時にもっとも印象に残ったのは、まず「この時間をとってくださってありがとうございます」と言われたことですね。

僕から依頼したミーティングなのに逆に感謝されたので、一気に引き込まれてしまったのを覚えています。心地よかったし、チームになった感じを受けました。

信頼関係が築かれはじめたんですね。Aさんご自身も「KSK」を活用されているのですか?

WORK MILL

編集者A

はい。書籍『「頼る」スキルの磨き方』には、頼れない人たちの事例がいくつも掲載されています。これらは社内で集めた声から作ったものなのですが、そのメールアンケートの文面をKSKで作ったら、いつもより回答率が高かったんですよ。

そうした経験を繰り返すうち、KSKは円滑なコミュニケーションの基本なんだと実感するようになりました。

『「頼る」スキルの磨き方』(KADOKAWA)には、KSKやSBAR以外のコツもまとめられています。