千葉・東庄町のトゥーノーイシデショウ3階に「ハタラキバ」 小学校設備を活用 学生の利用も視野に
2022年3月14日(月)、千葉県北東部に位置する東庄(とうのしょう)町にある、廃校を活用した施設「トゥーノーイシデショウ」3階にコワーキングスペース「ハタラキバ」が新設される。運営は、東庄町出身者を中心としたメンバーによる一般社団法人オンラア未来会議。
「トゥーノーイシデショウ」は「『やってみたい!』を見つけ、『やってみた!』が得られる場」をコンセプトに、2020年3月に統廃合で使われなくなった旧石出(いしで)小学校を活用した施設。
「ハタラキバ」とは千葉・茨城東部地方の言葉で、民家の敷地内に母屋とは別にあり、家族や近隣住民と一緒にさまざまな作業を行う小屋のことを意味する。
地域の人々にとっては馴染みのある言葉だという。大人だけでなく、地域の学生もさまざまな人と交わり、コミュニケーションを深める場となることを目指す。
「私の出身地でもある東庄町は自然豊かな場所です。特産品であるいちごやカブ、豚肉など食べ物もおいしく、リフレッシュしながら集中して働くには最適な場所だと思っています。しかし、電源とWi-Fiが揃っているようなカフェはなく、仕事や勉強に集中できる場所がありませんでした。そのため、大人はもちろん、学生も使えるコワーキングスペースのオープンを決めました」と同団体代表の柳堀裕太さん。
オープンにあたって、もともと教室や図書室などがあった3階を全面改装。音楽室や理科室など使えるスペースは、そのままミーティングルームとして再利用するという。あえて黒板やロッカーなどの備品も活用することで、懐かしさや親しみやすさを感じられるスペースを演出する。
約800平米の広々とした空間には、3種類の用途に合わせたスペースを用意する。
ソロワークに集中できるスペース「ヒトリ ハタラク マナブ」と、個別ブースを設置しWeb会議などの利用を想定したスペース「ツナガル ハタラク マナブ」。
そして、自由に話しながら作業ができるスペース「ミンナ ハタラク マナブ」だ。スペース内には地域で育てた花や植物を飾り、リラックスできる環境を意識したという。
作業を一息つきたい時や、食事をする際などには屋上に行ったり、グラウンドで軽い運動をしたり、学校の空間を生かした過ごし方が可能。
将来的には、図工室に3Dプリンターなどのデジタル機器を置いて、シェアアトリエにしたり、家庭科室をシェアキッチンとして開放したり、給湯室をカフェスペースにすることも想定しているという。
利用料金は、1カ月使い放題で月額1万円。学生は1日500円、ドロップイン利用の方は1日1,000円。
2022年3月末まで、クラウドファンディングも実施中。支援をするとハタラキバの利用に加えてギフト付きや古民家宿泊体験付き、学校の備品を持ち帰ることができるなどユニークなリターンも。
「学校にある設備などを使ってはいるが、コワーキングスペースして100点の環境を用意しています。いい仕事をするにはいい椅子が必要だと考え、オカムラの椅子を採用しました」と柳堀さん。
「オンラア未来会議は、町の空き家を改修して住む場所を整えたり、イベントを毎月開催したりするなど、地域のリソースを最大限活用して、県外の人も来たくなるような工夫を凝らしています。ハタラキバでは、コミュニケーションを通して人が育っていく場所を目指していきたい。この施設をきっかけに、それぞれの未来を考え、町を愛してくれる人が増えたら嬉しいです」と照れ臭そうに笑顔を見せる。
営業時間は平日9時〜21時。
トゥーノーイシデショウ
千葉県香取郡東庄町石出1599
編集:ノオト