働く環境を変え、働き方を変え、生き方を変える。

WORK MILL

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シナリオ・プランニングで描く「未来の働き方とオフィス 2030」

Future3:Human based Working(人間が中心に働く)×エコノミーファースト(経済成長主義)

多国籍な人々が支え合う、集合型 ダイバーシティ勤労社会

移民の受け入れによる労働参加が進み、文化を融合し、勤勉化するダイバーシティ社会へ


テクノロジーは進展するが人間の仕事の代替えまでには至らず、依然として労働人口不足が解決していない。労働力不足を補うため、移民を受け入れる政策に舵を取る。日本は多民族国家となり、国籍や出生地問わず、日本で暮らす人は短期的、長期的に関わらず常に労働力として働くようになり、過去に掲げた一億総活躍ではないが、文化豊かなダイバーシティ社会になる。

経済成長を重視する価値観は変わらず、物質的に生活水準を維持することを目的に働き、全員で経済発展を目指す。そのため過度な個人や文化間の競争意識は薄れ、仲間意識を持ち日本人と外国人労働者が平等に共生するようになる。文化的な衝突ではなく、日本特有の外文化を上手に融合していくスタイルから日本の経済力が維持される。

労働市場では、企業も行政も優秀な人材確保と労働力不足を補うという観点から、日本人にこだわらず外国人労働者を積極的に採用。優秀な外国人労働者は民間企業の仕事に限らず、行政でも活躍するようになる。さまざまな国籍、年齢、性別のワーカーが在席するため、職場におけるダイバーシティへの配慮も当たり前になる。雇用形態はメンバーシップ型を基本とし、長時間労働・副業が当たり前となる。時間と成果(報酬)がリンクする働き方になるため、時間と体力がある人が評価される世界となる。集まって働くことがもっとも効率的なため、人口も企業も一定の都市に集中するようになる。そのため過疎化が広がり生活圏として維持できる地域がどんどんと減ってしまう。

人々は収入を得るために常に働き続ける必要があり、ワークライフバランスについて考えることはなくなる。ライフの充実度が総じて下がるが、労働に生きがいを見いだす人の充実度は高い社会となる。そして人間の生活を最優先と考えるため、地球環境について問題意識はあるものの解決や改善はされなく、地球や自然の環境破壊は進むことで生活地も限られるようになる。

働く場と生活する場が一体となった、オフィスの「ワーキングモール化」が進む


優秀な人材確保を目的とした場づくりが重要視され、オフィス環境への投資が積極的に行われる。そしてダイバーシティが溢れる働く場は、企業文化を醸成する(共通認識を持つ)場としての役割が中心になる。

多くの人が集まって働くことが主流となり、働く場は生活する機能も一体となることで巨大なショッピングモールのようになる。長時間労働を支えるため、フードコートやフィットネスジムなど衣食など生活の充実はもちろん、ダイバーシティに配慮した託児所、介護施設、祈祷室、オンラインの学校なども備わるようになる。大企業中心にこのような「ワーキングモールオフィス」を用意するようになるが一定規模の敷地確保のため、首都圏郊外に点在するようになる。リモートワーク等も行われているが、オフィスでさまざまな生活がすむことから主流な働き方とはなっていない。

さまざまな国籍のワーカーが集う職場では、全員が小型翻訳機を付けて言語の壁を乗り越え、各文化を尊重しながら協働し合うようになる。そして年齢、性別も含め多様な価値観を持つ人々がともに協力しながら働くために、共有すべき企業理念(ミッション)がいたるところに感じられる空間となる。理念を体験できるためのアクティビティが重要となり、オフィスで盛んに行われている。