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金沢にコワーキングスペース・撮影スタジオ「BORDERLESS LOUNGE」 町家を活用した和の空間

2022年4月1日(金)、金沢にある町家を活用した施設「In Kanazawa House(イン 金沢 ハウス)」の2階にコワーキングスペース・撮影スタジオ「BORDERLESS LOUNGE(ボーダーレス ラウンジ)」が新設された。運営は町家再生事業などを手がける株式会社こはく。

「In Kanazawa House」は2019年にオープンした日本文化を体験できる施設。築100年近い金澤町家「旧松本染物店」を改修している。

金澤町家は、同地域の気候風土に合わせて作られた、人々の暮らしと仕事を支える職住一体型の建物。城下町・金沢の歴史的資源であり、文化的景観を形成する、まちづくりの重要な資産となっている。

2階の「BORDERLESS LOUNGE」は「普段と違う空間で普段と違う体験を。」をコンセプトにしたコワーキングスペース・撮影スタジオ。Wi-Fiや電源、照明、スクリーン完備の機能性と町家ならではの居心地の良さの両面を追及した。

もともと2階部分も体験スペースにしようと考えていたものの、新型コロナウイルスの影響による観光客の減少に伴い、計画を変更した。

「金沢は都心と比べてテレワーク・ワーケーションができる場所が少ない印象があり、コワーキングスペースのオープンを決めました。さらに、『町家で商用撮影できる場所が少ない』という声もいただいたので、撮影スタジオとしても使えるようにしました」と同社代表取締役の山田滋彦さん。

山田滋彦さん

室内には、同地域の伝統工芸である「金沢からかみ」を使用したふすまや行灯、「九谷焼」で作ったふすまの取手など、金沢らしさがいたるところに散りばめられている。

また金澤町家では珍しい、高い天井を生かして、開放感のある空間づくりを意識したという。

1階では、地域にちなんだ体験プログラムが開催。キッチンスペースで地元の新鮮な食材を使った「手毬寿司体験」や地元出身の料理研究家の指導のもと取り組む「金沢家庭料理体験」(各5,500円)ができるほか、座敷で金沢三茶屋街の芸妓さんによる唄や踊りを楽しめる「お座敷遊び」(1万9,800円)もできる。

2階には、3種類のコワーキングスペースと撮影スタジオを用意。広さは約120平方メートルで、仕事のシーンや気分に合わせて場所を変えながら利用できる。

クッションに座りながらちゃぶ台で作業できる「和風スペース」と、カーペットの上に机と椅子を置いた「洋風スペース」、ソロワークに最適な「個人スペース」を設ける。定員は15人。飲食可能。

備品は町家の雰囲気を壊さないように、他の町家などからのリサイクル品を活用する。町家の鍵がかけられないという特徴を生かして、各スペースはあえて区切らずボーダーレスな空間を演出している。

他の利用状況に応じて、1階やコワーキングスペースでも撮影ができる。

コワーキングスペースは法人や団体向けの会員制で、1社・1団体あたり3人以上から登録ができ、利用は1人から可能。1人あたり月額1万円。同建物で年に数回行われるイベントに無料参加できる特典付き。

撮影スペースのレンタルは、平日半日利用(6,000円~)と週末半日利用(8,000円~)で利用できる。

「和室の良さを活かした空間づくりをしているので、部屋が広く感じる一方で、他のコワーキングスペースと比べて、プライバシーが少ないと思います。その特性を活かし、ぜひ会員同士では積極的にコミュニケーションをとってほしいと思っています。交流を通して新しい仕事が生まれたら嬉しいです」と山田さん。

「町屋は日本らしいという価値がある一方で、現在は数が減りつつあります。この施設をきっかけに、多くの人に町家の良さを実感してもらえたら嬉しいですね。都心の企業のサテライトオフィスとしての利用はもちろん、地元の人の集まりの場としても使ってほしいです」と話す。

営業時間は10時~17時。

BORDERLESS LOUNGE
石川県金沢市芳斉1丁目4−28 In Kanazawa House2階