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柔軟なはたらき方とは、働き方を「選べる」こと ― テレワーク・デイズを通した実証実験から見えたもの

 

「柔軟なはたらき方」と聞いたとき、どういった印象を持ちますか。

 

自宅やコワーキングスペース、サテライトオフィスなど、普段のオフィス以外の場所も選んで業務にあたることができる、働く「空間」が柔軟な状態。ライフスタイルに合わせて出社・退勤時間を調整できる、働く「時間」が柔軟な状態。働く人々の生活や職種によっても、「柔軟なはたらき方」の選択肢は多岐に渡ります。

 

オカムラでは2018年、総務省をはじめとする6省合同の「テレワーク・デイズ」(※)にあわせて、「柔軟なはたらき方」の実証実験を行いました。 今回は、その実施概要をレポートとしてまとめたものを、一部再編集・抜粋してご紹介します。

 

対象者は、東京23区内の拠点に勤務する社員の中でモバイルワークを許可されている約1,000名の社員。フレックス早出・遅出、サテライト拠点や在宅での勤務、出張先や客先への直行直帰勤務などが推奨されました。

 

「告知前に予定が入っていた」「急なアポイントがあった」「オフィスでしかできない仕事があった」といったやむを得ない理由により実施が困難だった人も一部いましたが、実施対象者の約9割が実施という結果になりました。

「柔軟なはたらき方」のメリット・デメリット

「柔軟なはたらき方」を1回以上実施ができた人たちに、今回の実証実験によって感じたメリット・デメリットを聞きました。

 

 

まず、メリットについては、通勤がなくなったりラッシュ時間帯からずれたりすることによる「肉体的疲労の軽減」を挙げる方が一番多い結果となりました。「集中して作業できる」(2位)、「作業効率が向上する」(4位)といった、業務に直結するメリットも上位となっています。

 

「柔軟なはたらき方」が、健康経営や仕事の効率化につながる可能性がここから垣間見えます。

 

続いてデメリットを聞いたところ、「プリンタなど出力機器が利用できない」が頭一つ抜けて一番に挙げられています。2 位には「書類や資料が手元にない」が挙げられており、どちらもプリント環境の整備や文書の電子化、クラウドサービスなどで今後解決可能な課題です。

 

一方で、「デメリットは感じない」が5 位に挙がっているなど、メリットに比べてデメリットは少ないと感じられる傾向にあるようです。

 

制度を普及させるために必要なこと

 

今後、社内において「柔軟なはたらき方」(特にテレワーク)を普及していくにあたり、配慮してほしいと思うことを全員に質問しました。その内容を、「ルール」「空間」「ツール」と、環境を構成する3つの要素にわけて整理しました。

 

 

意見の約半数は「ルール」に関する項目で、勤務管理制度や、ルール化にあたっての許可制度、管理職の理解促進に関する項目などが多く見られました。具体的には、「人によって状況が異なるので、均一な制度にするのではなく、個人が働きやすいように工夫できる柔軟な制度にしてほしい」などの意見が寄せられました。

 

次に多かったのがツールに関する項目で、全体の3割となっています。「プリンター・スキャナー・通信環境(ポータブルWI-FI ルーター)など、オフィスと変わらず作業できるようにしないと効率は上がらない」といった意見も寄せられ、ネットワーク環境の改善や携帯電話(スマートフォン)の配布、働く際に便利なツールの配布などが求められていることがわかりました。

 

空間に関する項目は、全体の2割強となっています。「自宅勤務では環境に差が生じるため、社外のコワーキングスペースとの連携を進め、働く空間の選択肢を増やしてほしい」といった、コワーキングスペースなど外部サービスとの連携や、社内のサテライト拠点をより充実させることに対する意見が多くみられました。

「柔軟なはたらき方」の選択肢は、テレワークだけではない

今回の実証実験を「テレワーク」ではなく「柔軟なはたらき方」として実施したのは、あくまでテレワークは働き方の選択肢の一つだからです。

 

結果を見ると、職種によっては実施ができなかった方もいます。全員が「柔軟なはたらき方」を実現するためには、個人も組織も一緒に制度や環境を考え、そして仕事内容に応じた働き方を選べることが重要となります。

 

(※)総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府が、東京都及び関係団体と連携して実施した働き方改革に向けた社会実験。2020 年東京オリンピックの開会式が予定されている7月24日を中心として、都内の交通混雑緩和を解消することを目的としている。2018年は1682団体、10万人以上が参加した。

 

2019年3月26日更新

テキスト:鈴木 梢
イラスト:野中 聡紀
グラフ等参照元:柔軟なはたらき方に関する実証実験 報告書(株式会社オカムラ 池田 晃一)

 

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