• HOME
  • 特派員コラム ー CES2018から見える働き方の未来

特派員コラム ー CES2018から見える働き方の未来

CESというイベントをご存知でしょうか?アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガスで毎年1月に行われる、最新テクノロジーの見本市です。日本でも様々なメディアで取り上げられていますが、ここではWORK MILLらしく「はたらく」という観点からのレポートをお届けいたします。

 

世界最大級の最新テクノロジー見本市「CES」

まず、CESの概要についてご紹介します。以前はConsumer Electronics Show(家電見本市)が正式名称でしたが、近年はそれ以外の最新テクノロジーの出展も多くなってきた為、略称であったCESが正式名称となっています。主催はConsumer Technology Associationで、消費者向けのテクノロジーがメインということになります。ラスベガスのコンベンションセンターやホテルなどの3ヶ所が会場となり、2018年の展示総面積は過去最大の約25.5万㎡でした。これは東京ビッグサイトの、なんと約2.5倍もの大きさです!

 

それでは、会場内に移ります。
まず家電などの消費者向けメーカーですが、SONY, Panasonic, SAMSONG, LG, CANON, Nikon, CASIO, TOSHIBAなどが引き続き出展しています。ただし、消費者向けの製品(BtoC)だけではなく、企業向けの商品(BtoB)も多く見られました。特にPanasonicではほぼ全ての展示がそうなっていました。

 

続いて近年、CESでの存在感が増している自動車メーカー。
日本でも大きく報じられたTOYOTAをはじめ、NISSAN, HONDA, Ford, Daimler, HYUNDAIなどが出展し、自動運転をはじめとした最新技術を披露していました。

 

その他にも、Intel, IBM, BOSCH, YAMAHA, omronなど、さまざまな国から企業が出展しています。

 

また、Sands Expoという会場の1階はユリイカパークと名付けられ、創業3年以内のスタートアップのみ出展が可能です。ほとんどが国ごとにまとまって出展しており、会場内はCESの中で一番のものすごい熱気でした。

 

 

さらに期間内は、有名なBellagio ホテルの噴水ショーをIntel がスポンサーしました。ピョンチャンオリンピックでも登場したように、ドローンが曲や噴水に合わせて様々な形を描きました。ラスベガスの町全体がお祭りムードに包まれていました。

「住む」からみる

そんなCESの中でまず注目したいのは、 “Smart Home” つまり「住む」場所におけるテクノロジーです。Sands Expo2階の半分以上を占め、多くの企業が出展しています。米国家電大手のWhirlpoolや、水回り製品大手のKOHLERなどは、大規模なブースで総合力をアピールしています。またPanasonicはSmart Home専用のブースを別に出し、Sonyは別会場のブース内で紹介するなど、各社ごとの戦略も異なっています。
近年話題のAIスピーカーとつながる家電は多数ありますが、会場内が騒がしいせいか実演は見られなかったのが少し残念です。

 

また、その隣には”Sleep Tech”のコーナーが小さいながらも設けられました。その名の通り睡眠関連の出展です。単純にベッドが動くだけのものから、寝ころびながら見られるモニター、睡眠の質を計測するセンサー・アプリなど、さまざまな展示がありました。

 

それ以外にも、家の中のありとあらゆるものが出展されていました。タブレット端末とつながった電子ピアノや、スマートフォンと連動した煙感知器など(ロサンゼルスの自宅にも煙感知器はありますが、特に何かのシステムと連動はしておらず、誤作動も多いです)。

 

 

感心したのはスマートフォンのアプリと連動して、子どもにゲーム感覚で歯磨きの習慣をつけさせる歯ブラシです。テクノロジーを積極的に活用する姿勢が感じられました。

 

さらに、「住む」の周辺にある「暮らす」の領域でも、とにかくあらゆる物がテクノロジーと関連して展示されていました。例を挙げますと、活動量を計測できる馬具、ペット用のGPS、育毛器具、高級時計ブランドのスマートウォッチ、授乳関連のアプリや搾乳器具など、多種多様です。

「はたらく」からみる

いっぽう、「住む」とともに我々が多くの時間を費やしている「はたらく」についての展示を取り上げます。大きいブースの中ではSAMSUNGが”Work together” というコーナーを設け、会議用のソリューションや遠隔会議などを紹介していました。

 

 

また、長時間座ることが身体に悪影響を及ぼすことから、最近日本でも導入する企業が増えている上下昇降デスク・モニタースタンドはいくつか展示されていました。

 

さらに、エアロバイクを漕ぎながら仕事ができるものが展示され、”CES INNOVATION AWARDS” の1つに選ばれていました。

 

 

加えて、姿勢を計測するクッションや、座った人の緊張状態がわかるチェアなども出展されていました。ある1社に出典理由を尋ねたところ、「エルゴノミクス(人間工学)の課題をテクノロジーで解決する為」という回答が返ってきました。このように、はたらく人の健康面に着目したソリューションは、”Health & Wellness” のゾーンを中心に数多く見られました。

「住む」の周辺にある「はたらく」

このように2018年のCESにおいて、「住む」に比べて「はたらく」についての展示は比較的少なく、周辺にある「暮らす」の1つという印象でした。これは元々消費者(Consumer)向けの展示会で、「はたらく」に関することは企業向けのビジネスの側面が強いということもあるかもしれません。
しかし21世紀に入り、まさにテクノロジーの発展により、ホワイトカラーはどこでも「はたらく」ことができるようになりました。これを受けて、既存の「はたらく」環境であるオフィスは、人が直接会話したり仕事しやすい場所であることが求められ、内装が「住む」環境に近づいていっています。CESの展示も、「住む」を中心に「はたらく」が近接していく状況を表していると感じました。

 

2018年4月17日更新
取材月:2018年1月

 

テキスト:垣屋譲治
写真:Filament, Inc.提供、垣屋譲治

最新記事