ファシリテーターのフューチャーセッションズ・上井さんの進行のもと、まずはここまでの半年間の大まかな流れを振り返ります。6月にキックオフをして、7月にアイデアを固め、8〜9月でプロトタイプを実行というかなりタイトなスケジュール。果たして、実行計画はどんな結果になったのでしょうか…?
気になる成果発表の前に、すっかりおなじみとなった「名前・所属・本日の期待」を共有する自己紹介タイムです。6月には初対面だったとは思えないほど、みなさんリラックスした雰囲気。活発な共有の場になりそうな予感がします。
ここからが今回のメインセクション「プロトタイプ」の共有です。6チームそれぞれ10分間で、2ヶ月間の成果を発表しました。
トップバッターは「ボーダレスなまちづくりチーム」。「都会には都会のよさ、田舎には田舎のよさがある。その価値を交換できたら豊かではないか。」という仮説のもと、豊田市稲武地域を舞台に3つのプランを実行しました。
<プラン1:名古屋のおいしいタルトをお届け!作戦>
1つ目は都会でしか得られない価値を田舎に届けるためのプランです。
田舎のものを都会で販売するという事例はよく見られますが、その反対は意外と実施されていません。今回は、この都会のものを田舎で販売するという「逆パターン」を実践することで、どんな反応があるかを実証します。具体的には、名古屋の人気店のタルトを50個限定で豊田市稲武の道の駅の一角にて販売。当日は同じ広場で演奏していた地元ミュージシャンとの交流をしたり、タルト販売も大盛況で持ち込んだ50個のタルトを完売しました。
<プラン2:人が集まる素敵な売り場を探せ!作戦>
続いて、田舎にはどんな人の集う場所があるのかということを調査するために、稲武にある家具と雑貨とごはんのお店「ヒトトキ」さんにて開催されているマルシェを見学。そこには、都会と田舎の境界をこえて、素敵なものや人が集まっており、すでにボーダレスなまちづくりの実践がなされていました。
<プラン3:楽しいアクティビティを探せ!作戦>
稲武には都会では味わえないアクティビティを楽しむことができる場所があります。今回チームのメンバーが体験したのは、マウンテントレイルのコース。コースの整備を通して、自然の中で体を動かすという田舎ならではの魅力を発見しました。
3つのプランを通して実証されたのは「都会と田舎という対照的なエリアがボーダレスに繋がることで、お互いに異なった視点で自分たちの価値を見直すことができ、それが新たなサービスやプロダクトを生み出すきっかけをつくることができる」ということ。
チームのメンバーは早くも「稲武の食材を使ったタルトを名古屋のお菓子屋さんでつくり、さらにそれを逆輸入的に稲武で販売する」という次の実践に向けて準備を進めています。活動を通して「ボーダレスとは何か」ということについて深掘りしていきたいと意気込みました。
防災を通して副業の未来を考えることをテーマにしたこちらのチーム。副業解禁時代と言われているものの、日本ではまだまだ副業をするには肩身が狭く、労働時間から見ても現実的ではないのが現状です。そんな中、誰もが当事者である「防災」をテーマにすれば本業以外での取り組みにチャレンジしやすくなるのではないかというのがアイデアの発端でした。
具体的なアイデアも多数出ていましたが、この時点ではまだプロトタイプ実施の準備段階。チームメンバーの本業として、防災意識の向上や、オフィスビル内の就業者コミュニティを活用した防災イベントを実施できないか検討中です。
これから他のメンバーもうまく巻き込んでアイデアを実践していくことができそうで、今後の展開が楽しみです!
前半最後の発表は名古屋にFabカフェをつくることで、地域産業とクリエイターコミュニティの活性を試みるという取り組み。
Fabカフェとは、3Dプリンターやレザーカッターなどのツールが設置されており、その場でものづくりができる場である「ファブ」に、カフェを併設した空間のことです。そこからクリエイターコミュニティを育み、ものづくりのサポートをすることで、新たなイノベーションを生むことを考えているのがこのチーム。日本のものづくり産業を牽引する東海地区にもFabカフェをつくろうという企画が実際に動き始めています。東海圏のメーカーや工場、大学などの研究機関と連携をし、東海ならではのFabカフェをめざします。
まずは名古屋の人たちにFabカフェのことをしっかりと共有したいというチームメンバー。クリエイターだけでなく、カフェ要素も設けることで、一般の方でも気軽に利用できるような空間にしていきたいといいます。
ここまで前半3チームの成果発表が終了。いずれのチームも非常に完成度が高く、これから先の展開までもが見据えられていました。続く、後半3チームへの期待が高まります。
(後編へつづく)
■Writer : 杉田映理子(さかだちブックス)
はたらく×Cueは、共創を担う多様なプレイヤーがCueに集まり、 お互いの経験や強みを活かし合いながら、チームを組んで組織の壁をこえて、「人々の『はたらく』をワクワクさせる」新しい価値を生み出すプロジェクトです。
REPORT
今年の6月にキックオフしたプロジェクト「はたらく×Cue - 共創で動かそう、組織とひと。2019」が、プロトタイプの成果を発表・共有するセッションを迎えました。
「はたらく×Cue - 共創で動かそう、組織とひと。2019」は、多様な方たちにCueに集っていただき、それぞれが挑戦したい課題と各自の強みやリソースをもとに、組織や所属をこえてチームを結成し、プロトタイプという「何か」を実際に生み出してみる、そんな共創を実践し一緒に体感したい、という想いで企画されました。
これまでの<“リソース可視化”セッション>と<“アイデア” セッション>、その後に実施されたプロトタイプを踏まえ、6つのプロジェクトの成果をチームごとに発表したこの日のセッション。互いの学びを共有し、意見交換をしながら、これからの展開についても考えを深めた当日の様子を、前後編でお伝えします。
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REPORT
「今の仕事にそれなりのやりがいは感じているけど、まだまだやれる気がする」「もっと自分らしく働ける方法があるはずだ」─── 働いているとそんなモヤモヤを感じることがありますよね。
そこから一歩踏み出すのに打ってつけのイベント「ビジネスパーソン×盆踊り=クリエイティブ!」が去る8月10日(土)に開催されました。「働き盛りの男女が山奥の集落で弔いの行事や盆踊りに参加して気づきを得よう」というこの企画。
ビジネスパーソンと伝統行事。両極に位置するこの2つが出逢ったとき、働き方や生き方さえかえりみるほどの大きな気づきが生まれました。レポート前編では、自分の真の課題や心地よさに迫ったワークショップの様子をお届け。そして、いよいよ後編は「盆踊り」へ。
集合から解散まで約7時間にわたって行われたディープなイベント。参加したビジネスパーソンの胸にどんな気持ちが芽生えたのか。ぜひ、あなたの目で見届けてください。
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REPORT
2019年10月13日、愛知県豊田市稲武地区の道の駅「どんぐりの里 いなぶ」で、「はたらく×Cue -共創で動かそう、組織とひと。2019」から生まれたプロトタイプ企画のひとつが実行されました。
企画したのは「ボーダレスなまちづくり」チーム。名古屋市中区大須で人気のタルトを稲武で販売してみたらどうなるか…地域の境界を飛び越えて、見えてきたものをレポートします。
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「これからのはたらく」を知りたい方、考えたい方、つくりたい方、相談したい方、見学したい方、仲間が欲しい方・・・
もし少しでも「ピン」ときたら、お気軽にCueにおたずねください。